「中期ビジョン2015」の展開について
Medium-Term Vision 2015 “Shaping a Smart Life”

〜スマートライフの実現に向けて〜
2008年度に発表した「新たな成長を目指したドコモの変革とチャレンジ」を更に加速させ、2020年ビジョン「HEART〜スマートイノベーションへの挑戦〜」を実現するための確実なステップとして、ドコモは2011年11月にモバイルを核とした総合サービス企業への進化を目指す「中期ビジョン2015〜スマートライフの実現に向けて〜」(以下「中期ビジョン2015」)を策定し、これに取り組んでいます。ここでは「中期ビジョン2015」の内容についてご紹介します。

根底にある危機意識と、「中期ビジョン2015」の目指すもの

「中期ビジョン2015」の策定・実施に至った背景のひとつには、昨今の事業環境に対してドコモ自身が抱いている「危機意識」があります。

世界のあらゆる場所で技術革新が加速し、様々なインターネットプレイヤーのように、それまでの事業やビジネスの垣根を越え、新たな市場機会をしっかりと捉えることで急速にプレゼンスを高め、市場を席巻する企業が現れ始めました。これら"新たなプレイヤー"の台頭は既成概念を覆すような強い影響力を及ぼし、ドコモのような移動通信事業者を「ダムパイプ(土管)化」させていくリスクをはらんでいます。更に、VoIPやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)といったスマートフォン時代の新たなコミュニケーションスタイルの拡大は、これまでの移根底にある危機意識と、「中期ビジョン2015」の目指すもの動通信ビジネスを直接的に縮小させる要因となります。そのような事業環境において、ドコモはトラフィック収入を主とした従来の携帯電話事業に留まらず、自らビジネスの領域を拡大し、更なる収益基盤を確保することが極めて重要となります。

こうした危機意識のもと、新たに策定した「中期ビジョン2015」では、1)スマートフォンを中心とした多彩なデバイスで、お客様の更なる楽しさや便利さを追求すること、2)「モバイルを核とする総合サービス企業」を目指し、様々な産業・サービスとモバイルとの融合を通じたイノベーションに取り組むこと、3)以上のような取り組みを「ドコモクラウド」で加速させることで、お客様一人ひとりの、より充実したスマートライフの実現を目指します。

ドコモを取り巻く環境変化
ドコモを取り巻く環境変化の画像

コアビジネスを進化させる

ドコモではこれまでも、スマートフォンを中心とした多彩なデバイスを投入し、サービスや端末を進化させてきました。今後は、オープンな環境であることのメリットを活かし、モバイルサービスの更なる進化を目指します。

スマートフォンでのサービスの進化
もっと幅広いお客様にスマートフォンを楽しくご利用いただけるよう、ドコモならではのサービスやエコシステムを進化させていきます。
具体的には、ドコモ独自のポータルサイト「dメニュー」において、スマートフォンの表現力・操作性を活かした多様なサイト・コンテンツを充実させていきます。また、ドコモ直営のコンテンツマーケット「dマーケット」では、コンテンツの商品・ジャンルを拡充し、利用者の増加やコンテンツ収入の拡大を目指します。更に、スマートフォンの利便性を最大限に活用した、ドコモ独自の様々なサービスラインナップを充実させていきます。
例えば、1つの共通IDで複数のデバイスが利用できる「マルチデバイス」や、電話帳とSNSの連携サービス等、これまでにない楽しさや便利さを追求していきます。

端末の進化
オープンな環境のもとで魅力的な機能を搭載し、一人ひとりのお客様に合った多様な端末ラインナップを展開します。例えば、防水や「らくらくスマートフォン」といったニーズの高い機能・機種、NOTTV等の新サービス、「災害用音声お届けサービス」等の安心・安全をサポートする機能を搭載します。また、気温や気圧、放射線量等の環境情報を用いた新たなサービスを可能にする「センサ技術」、高度なコンシェルジュ機能が可能な「レコメンド技術」等、新たな技術との融合による進化を目指します。

スマートフォンでのサービス展開
スマートフォンでのサービス展開の画像

サービスの更なる進化
サービスの更なる進化の画像

新たな技術によるデバイスの進化
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スマートフォン、Xiの普及拡大
ドコモならではのサービス、お客様一人ひとりに合った端末の提供を通じたスマートフォンの更なる普及拡大に取り組み、2015年度においてスマートフォン契約数4,000万を目指します。その主な原動力である、Xiの積極的なエリア展開、Xi対応端末の普及に取り組み、2015年度においてXi契約数3,000万を目指します。
これらの総合的な取り組みによりお客様の利用を促進し、2015年度のパケット収入は、2011年度比約1.5倍の約2.7兆円を目指します。

ネットワーク基盤の強化
スマートフォンの普及拡大に伴うトラフィックの増大にも対応していきます。ドコモでは2015年度のトラフィック量を2011年度の約12倍と想定しており、これに対しては通信設備の増強を図るとともに、周波数利用効率のよいXiサービスを中心としたネットワーク容量の拡大、データ通信のご利用が特に多いお客様に対する通信速度制御(動的制御)、公衆無線LANサービス「docomo Wi-Fi」等の活用によるデータオフロード等、様々な対策を講じ、お客様に安定した通信品質を提供します。

Xi契約数※
Xi契約数※の画像

増大するトラフィックへの対応
増大するトラフィックへの対応

スマートコミュニケーションサービス部長 阿佐美 弘恭 の写真
阿佐美 弘恭
執行役員
マルチメディア担当
スマートコミュニケーション
サービス部長

「パーソナルライフエージェント」を目指して

タッチパネルや大画面ディスプレイを特徴とするスマートフォンやタブレットの急速な普及は、モバイルサービス市場に大きな変革を及ぼしています。高速なネットワークXiの登場やビジネス基盤の整備と相まって、これまでフィーチャーフォンやパソコンでの普及に課題のあった動画サービス、電子書籍、ショッピング(EC)等の分野においてスマートフォンの普及による市場の拡大(裾野の広がり)が予見されています。これらのモバイルサービス市場の変化に対して、ドコモはサービス提供方法をこれまでの端末主体からネットワーク主体、いわゆる"クラウド環境"を用いたサービス提供方法へシフトしていきます。お客様の嗜好や利用履歴に応じたパーソナル化やレコメンド機能の実現、端末環境のマルチデバイス化、お客様情報のネットワークでのお預かり、そして「しゃべってコンシェル」や「通訳電話サービス」等、付加価値の高いサービス提供が可能となります。

ドコモはモバイル機器をお客様の「パーソナルライフエージェント」として進化させ、「総合サービス企業」としてお客様の"スマートライフ"を実現すべく取り組んでまいりたいと思います。

ニュービジネスを展開する

2020年ビジョン「HEART〜スマートイノベーションへの挑戦〜」の実現に向けて、ドコモは移動通信事業者という枠組みを超え、お客様一人ひとりの暮らしやビジネスを、より安心・安全で便利・効率的になるようサポートする「パーソナルライフエージェント」へと進化します。

産業・サービスの融合
これまでドコモは、移動通信事業者として、モバイルの可能性を追求し、進化させてきました。これからは、その進化したモバイル関連の技術を様々な事業領域における産業・サービスと融合させ、イノベーションを起こし、新たな価値を創出していきます。

新しい市場の創出に向けた取り組み
モバイルとの高いシナジー効果が期待できる事業領域において、様々な企業とのアライアンスを進め、新しい市場を創出します。
具体的には、1)メディア・コンテンツ事業、2)金融・決済事業、3)コマース事業、4)メディカル・ヘルスケア事業、5)M2M事業、6)アグリゲーション・プラットフォーム事業、7)環境・エコロジー事業、8)安心・安全事業/その他の事業の8事業領域において、マジョリティ出資を基本とした戦略投資を実施していきます。このニュービジネスの分野において、2011年度において4,000億円程度であった売上高を、2015年度には約2.5倍の1兆円規模にまで増加させたいと考えています。

グローバル展開
グローバル展開についても加速します。海外の通信事業者との提携・協力関係を充実させながら、今後のグローバル展開の基盤となるプラットフォーム事業を積極展開していきます。具体的には、コンテンツ・アグリゲーションやM2M等のグローバルなプラットフォームサービス、金融・決済等の地域特性に応じたサービスにより、産業・サービスの融合をグローバル規模で進めていきます。

様々な産業・サービスの融合
様々な産業・サービスの融合の画像

フロンティアサービス部長 中山 俊樹 の写真
中山 俊樹
執行役員
フロンティアサービス部長

新たな事業領域への展開

ドコモは、これまで積上げてきたモバイルのノウハウを活用し、様々な産業・サービス分野の企業とアライアンスを進め、自らのビジネス領域を拡大し続けています。

主な取り組みとして、メディア・コンテンツ事業は、株式会社mmbiによるスマートフォン向け放送局「NOTTV」を開始し、通信と放送を連携させた新たな放送サービスを提供しています。

コマース事業は、有機・低農薬野菜の会員制宅配サービスを提供するらでぃっしゅぼーや株式会社を子会社化しました。日常生活の根幹である「食品」の領域で、モバイルを活用した新たなコマースの形を提案し、更なるお客様の利便性向上を目指します。また株式会社インテージと、企業のマーケティング活動に対する高付加価値の支援実施を目的に株式会社ドコモ・インサイトマーケティングを設立しました。

メディカル・ヘルスケア事業は、健康・医療支援サービスの開発・提供を目的に、オムロンヘルスケア株式会社と共同で合併会社を設立しました。

今後も、モバイルと産業・サービスとの融合を進め、モバイルを核とする総合サービス企業の実現に向けて取り組んでいきます。

ビジネスを支える「ドコモクラウド」

ドコモのクラウド
ドコモのクラウドの画像

これまで述べてきたモバイルのサービス進化(コアビジネス)と産業・サービスとの融合(ニュービジネス)を、ドコモの3つのクラウドからなる「ドコモクラウド」で加速させ、充実したスマートライフの実現を目指します。

「パーソナル」クラウド
セキュアな環境のもとで、「パーソナル」クラウドが蓄積した大容量のデータと高度な情報処理技術を駆使し、様々な産業・サービスと融合させ、お客様一人ひとりのあらゆる生活シーンに密着したサービスを実現し、新たな価値を創造します。

「パーソナル」クラウドで目指す新たな価値創造
『パーソナル』クラウドで目指す新たな価値創造の画像

「ビジネス」クラウド
幅広いお客様ニーズにお応えするために、様々なパートナーとのアライアンスを推進して、多様なクラウドサービスを創出し、あらゆるシーンのビジネススタイルの革新に向けて、マルチデバイスに対応した様々なビジネスソリューションを提供します。

「ビジネス」クラウドで実現する新しいビジネスモデル
ビジネスクラウドで実現する新しいビジネスモデルの画像

法人事業部長 眞藤 務 の写真
眞藤 務
取締役常務執行役員
法人事業部長
東北復興新生支援室長兼務

「ビジネス」クラウドの取り組み

「ドコモクラウド」は、「パーソナル」クラウド、「ビジネス」クラウド、ネットワーククラウドから構成されていますが、「ビジネス」クラウドではお客様のビジネススタイルを革新するための様々なビジネスソリューションを提供しています。

具体的には2011年に「モバイルセキュアデスクトップ」「モバイルグループウェア」「スマートフォン遠隔制御サービス」を提供しました。また、2012年8月には全国型内線サービス「オフィスリンク」にクラウドを活用した「仮想PBXタイプ」を提供します。これらのサービスは月額数百円からご利用いただけるため、業種・業態を問わずスマートフォンやタブレット端末の導入を検討されている幅広い法人のお客様へ訴求できるサービスと考えています。ドコモの高品質なモバイルネットワークや信頼性の高いデータセンタを通じて時間や場所を問わずサービスを利用できるため、自社設備や保守が不要となり、ペーパーレス化、残業時間の削減を実現できます。また、お客様の業務効率化に貢献できる一方、日報作成・顧客管理等でも活用でき、お客様の売上向上にもつながります。

今後はセキュリティサービス等、「ビジネス」クラウドのサービスラインナップを拡充しつつ、「パーソナル」クラウドやネットワーククラウドとも連携しながら、ドコモならではの機能やサービスも提供していきたいと考えています。

ネットワーククラウド
端末とネットワークのコラボレーションにより、「しゃべってコンシェル」サービスや「通訳電話サービス」等の斬新なサービスを生み出します。ドコモのネットワーク上で高度な情報処理と通信処理を行うことで、お客様がご利用になる端末の種類にかかわらず、効率的に様々な付加価値を提供します。
これらドコモ独自の様々なクラウドサービスを総称し、「ドコモクラウド」のブランド名で展開していきます。

ネットワーククラウドで実現する新たなコミュニケーションスタイル
ネットワーククラウドで実現する新たなコミュニケーションスタイルの画像

スマートライフを実現することで、企業価値の向上を図る
これまでにお客様と共に培った事業基盤を強みとし、ドコモは「中期ビジョン2015」の推進を通じて「総合サービス企業」へと進化し、お客様一人ひとりのスマートライフを実現します。そしてパケット通信を中心としたコアビジネス領域の収入拡大と新たな産業・サービスとの融合を通じたニュービジネスでのビジネス規模の拡大を図り、更なる成長と企業価値・株主価値の向上を目指します。あらゆる場所で、あらゆるサービスを安心してお客様にご利用いただけるよう、これからも努力を続けていきます。

  • アニュアルレポート2012

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