特集

ドコモクラウドが実現する世界

ドコモは、スマートフォンのサービスを支えるうえで欠かせない「クラウド」の構築を推進しています。ドコモクラウドの現在、そしてこれからについてご紹介します。

クラウドとは何か

 最近、よく耳にする“クラウド”とは、クラウド・コンピューティングの略称。クラウドとは、cloud(雲)の意味です。従来は、ユーザが自分の携帯電話やパソコンの中に、ソフトウェア(※1)、データなどを保有し、使用・管理していました。しかし、クラウドの場合は、ネットワーク上にあるサーバの中に、ソフトウェアやデータが存在し、ユーザは必要に応じてネットワークを通じてアクセスし、サービスを利用します。主にIT業界において、コンピュータのシステム図などでネットワークを“雲”の形で表すことからクラウドという名前で呼ばれています。クラウド化することにより、ユーザはクラウド上ですぐにソフトウェアなどを利用することができ、ハードウェア(※2)へのインストール(※3)、最新版への更新などの作業から解放されます。また、作成したデータの保存・管理などもクラウド上で可能となり、データの共有や、膨大なデータを安全に保管することができます。さらに、クラウド上で提供されるシステムを利用することにより、中小規模の企業が自前でシステムを作り上げる手間が省けるというケースも考えられるなど、様々なメリットが期待できます。

クラウドとは何か

クラウドの特徴

クラウドによるメリット

 ドコモのこれからのサービス基盤となるのがこの“クラウド”です。これまでは、お客さまの端末一台一台がサービスの提供や、メール、電話帳など大事な情報の保管における主体でした。これらを“クラウド”で管理・保管することで、お客さまは異なる複数の端末から同一のサービスやコンテンツに自由にアクセスすることが可能になります。また、端末のみでは難しかった、高度な処理が必要なサービスも簡単に利用することができます。この“クラウド”は、「安心・安全」の観点でも重要です。東日本大震災では、端末が使えなくなったことで「連絡先が分からなくなった」というお客さまの声を多くいただきましたが、ネットワークでデータをお預かりすることで端末の故障や紛失に備えたバックアップが可能になり、また機種変更の際、データ移行の手間も省けます。ドコモは、「ドコモクラウド」というブランドのもと、既に様々なサービスを開始しています。

ドコモクラウド

ドコモがクラウドサービスを展開する理由

 スマートフォンの拡大は、オープンなモバイルインターネットの世界をもたらしました。通信事業者だけでなく、端末メーカーやあらゆるインターネットプレーヤーが独自のサービスを展開することが可能になりました。このような世界において、ドコモが通信事業者としてネットワークの提供のみに注力してしまうと、サービスやコンテンツなどの通信収入以外の収益を獲得する機会を失い、中長期的な成長の実現が困難になる恐れがあります。また、ドコモの役割は、他社の提供するサービスをネットワークで運ぶだけの「土管」となってしまい、お客さまにとってはドコモでなくてもよくなってしまいます。このようなドコモの独自性や強みの喪失=「土管化」を避けるため、ドコモはこれまでの経験、技術力、6,000万のお客さまと共に培った顧客基盤をフルに活用し、ドコモにしか実現できないクラウドサービスで差異化を図ります。

ネットワークの「土管化」 ドコモのクラウドサービス

様々なサービスを展開

 ドコモは、スマートフォンとクラウドサービスを組み合わせることで、お客さまにユニークで斬新なサービスを提供することを目指しています。現在では、「しゃべってコンシェル」などの音声エージェントサービスや通訳・翻訳サービス、音楽や映像、電子書籍などのコンテンツが利用できる「dマーケット」など、多彩なサービスを展開しています。

クラウドサービス(1) しゃべってコンシェル

 「しゃべってコンシェル」は、知りたいことややりたいことをスマートフォンに話しかけると、その言葉の意図を読み取り、最適な回答を画面に表示、実行します。例えば「東京スカイツリーの高さは?」とたずねると「634m」と回答したり、「銀座へ行きたい」と話しかけると、最寄り駅から銀座までの乗り換え案内を表示したりするなど、旅先や外出先でのちょっとした疑問などに即座に応えてくれます。また、電話やメールはもちろん、スケジュール確認やアラーム設定などの携帯電話の機能も、言葉だけで簡単に操作することができます。
 複雑な処理は、ドコモクラウド側で行うため、利用する端末の機種に依存せず精度の高い認識力を発揮し、迅速に利用者に応えることが可能です。
 アプリ(※4)は「dメニュー」などからダウンロード。実行したら、マイクボタンを押して話しかけるだけです。海外での利用も可能です。

しゃべってコンシェル
クラウドサービス(2) 通訳電話サービス/メール翻訳コンシェル

 「通訳電話サービス」は、いつも通りに話すだけで、まるで通訳がいるように、言語の異なる相手とスムーズな会話ができるサービスです。
 2011年11月に行った試験サービスでは、英語、韓国語、中国語に対応(遠隔・対面利用)。2012年6月からの試験サービスでは、英語、韓国語、中国語に加え、仏語、独語、伊語、西語、ポルトガル語、タイ語、インドネシア語に対応しています(対面利用のみ)。2012年秋の商用化を目指して研究開発中です。
 「メール翻訳コンシェル」は、入力したメッセージを、英語、韓国語、中国語へ翻訳し、相手に送信できるサービスです。翻訳した結果は、ボタンひとつでメールやSNS(※5)などに簡単に活用することができます。2012年6月からサービスを開始しています。
 どちらのサービスも、音声認識、翻訳、音声合成といった複雑な処理を、ドコモクラウド側で行うため、すばやく処理を実行できます。

通訳電話サービス イメージ図
クラウドサービス(3)  dマーケット機能拡充

 スマートフォン・タブレット型端末向けのコンテンツマーケット「dマーケット」の機能が拡充しました。
 VIDEOストア、MUSICストア、BOOKストア、アプリ&レビューの4ストアから構成されていた「dマーケット」に2012年7月より新たに「アニメストア」を開設しました。この「アニメストア」は、ドコモと角川書店が設立した合弁会社、「ドコモ・アニメストア」によって企画運営されます。角川の持つ膨大な人気アニメコンテンツを活かし、開始当初、約500作品、8,000話が月額420円で見放題となるサービスを提供。定額サービスとしては国内最大級の作品数です。
 また、「MUSICストア」では、従来提供してきた楽曲ごとの課金によるダウンロード配信に加えて、「月額315円」で50番組が聴き放題のストリーミング(※6)配信サービス「MUSICストア セレクション powered by レコチョク」がスタートしました。
 さらに、同一のIDで認証することにより、お客さまのお好みの端末(スマートフォンやタブレット)からコンテンツを利用できる「dマーケット」のマルチデバイス化を開始しました。

dマーケットのマルチデバイス化

ドコモクラウドのこれから

 ドコモクラウドは、これからも様々なサービスを提供していきます。
 例えば、スマートフォンで撮影した写真を自動でグループ分けし、ドコモクラウドに整理して保存できる「フォトコレクション」、現在提供中の「電話帳」「spモードメール」を、ドコモクラウド上で提供するなど、ドコモならではのサービスを充実させます。さらに、お客さま一人ひとりの趣味・嗜好に合わせた付加価値が提供できるサービスを広げていきます。ドコモクラウドの推進により、スマートフォン時代ならではのニーズに応え、サービスの幅を広げていきます。
 ドコモは、クラウドによって、「モバイルのサービス進化」と「産業・サービスの融合による新たな価値創造」の取り組みを加速させます。お客さま一人ひとりの暮らしやビジネスが、安心・安全であること、より便利で快適になることにより、充実したスマートライフの実現を目指していきます。

用語解説

※1
ソフトウェア…コンピュータを動作させる手順や命令を記述したもの。プログラム以外のデータを含める場合もあります。
※2
ハードウェア…コンピュータを構成する電子回路や周辺機器などのこと。
※3
インストール…アプリケーションソフトやオペレーティングシステムをコンピュータに導入する作業・工程のこと。
※4
アプリ…主に携帯電話などで、コンテンツなど特定のサービスを実行する際に必要となるソフトウェア。
※5
SNS(Social Networking Service)…インターネット上で人と人とがコミュニケーションをとり、つながりを深めていくサービス。1つのメディア(ソーシャルメディア)として捉えられることもあります。
※6
ストリーミング…インターネット上にある音楽・動画データなどを、受信しながら同時に再生する技術やそれを利用したサービスのこと。
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