「新ドコモ宣言」「中期経営ビジョン」発表以降、ドコモ全体で結束し、あらゆるビジネスプロセスにおいて、現場原点主義を徹底してきた。
変革を推進することで、解約率の低下やお客様満足度指標の改善など着実に成果があがってきた。今後も、お客様一人ひとりのご期待に沿うサービスを提供することによって、お客様満足度の向上に向けて、引き続き取り組んでいく。
「リアルタイム性」「個人認証」「位置情報」といった携帯電話の特性を活かし、様々なプレイヤーとの連携を通じてイノベーションを起こすことで、新たな価値の創造を目指していく。コスト削減についても引き続き取り組んでいく。
足元では、iコンシェルの地域コンテンツを拡大するなど、携帯電話のパーソナル化を更に推進したほか、ソーシャルサポート・融合サービスの分野でも新規ビジネスの立ち上げ、新サービス導入行なった。また、国際分野では、ドコモが出資するインドのタタが大きく契約数を伸ばしている。ドコモの成長に向けた「チャレンジ」の取り組みは各分野で着実に成果を上げている。
ドコモの主なチャレンジ
(1)パケットARPUの伸びによる成長
(2)LTE導入とネットワークの進化
(3)サービスのパーソナル化
(4)ソーシャルサポートサービスの展開
(5)融合サービスの展開
(6)端末の更なる進化
(7)海外でのビジネス展開
(8)国内出資・提携の推進
2009年度は、営業利益8,342億円と2008年度を上回る利益水準を達成した。
また、2010年度の第1四半期は順調な滑り出しとなっており、2012年度の「営業利益9,000億円達成」に向けて着実に推移している。
株主還元は、重要な経営課題と考えている。国内トップレベルの配当性向を引き続き維持していきたい。
A1 中期ビジョン「変革とチャレンジ」の要素のなかで、特に重要なものとして、(1)パケットARPUの向上、(2)新たな収益源の創出、(3)コスト削減の3つがある。
パケットARPUの向上については、2010年度はパケットARPU110円の増加を計画しているが、動画サービスの普及やスマートフォンの販売拡大などにより、第1四半期は80円の増加となった。足元では順調に推移している。
新たな収益源の創出については、地域コンテンツの拡充などによりiコンシェルの契約数が6月末で約480万まで増加するなど順調に推移している。
コスト削減については、2007年度比で2012年度までに2,000億円の削減を目指しているが、2009年度にネットワークコストの削減などで累計1,500億円を削減した。想定どおりに進んでいる。
以上のように、これまでのところは、主要な点において中期ビジョンに対して順調に進んでいる。
A2 スマートフォン戦略について、他社の取り組みとは大きく3つの違いがある。
1つ目は、端末の品揃え。ドコモは、お客様の嗜好やライフスタイルにあった多様な端末を提供していく。今年度は、アンドロイド端末を中心に更に7機種を投入する予定だ。
2つ目は、サービスの内容。ドコモは、iモードメールやおサイフケータイをスマートフォンでも利用いただけるようにする。特に、iモードメールについては、9月からスマートフォンでも使えるようになり、女性からの要望が多いデコメにも対応する。
最後に、ネットワーク品質。いつでもどこもでも高品質のデータ通信を楽しみたいというお客様にとって、ドコモの高品質なネットワークは最大の強みである。多くのお客様にドコモのネットワークでスマートフォンをご利用いただきたい。
A3 LTEを導入する目的は大きく2つある。まず一つは、お客様により高速で快適なネットワークをご利用いただくこと。もう一つは、周波数効率の高いLTEを利用し、増加するパケットトラフィックに対応していくことである。「高速」「大容量」「低遅延」というLTEの特徴を活かし、革新的なサービスを展開していきたい。
LTEサービスは、先日発表した「Xi」(クロッシィ)という名前で展開する。「Xi」の「X」は「つながり」や「可能性」を意味し、「i」は「私=生活者」や「イノベーション」を意味している。今年の12月からサービスを開始するが、ドコモだけが突出するのではなく、世界の先頭集団として標準化の流れを作りながら展開していく。ドコモのLTEにご期待をいただきたい。