事業等のリスクについて掲載しています。
事業等のリスク
当社グループの経営成績、財政状態および株価等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります(ただし、これらに限られるものではありません)。
- 携帯電話の番号ポータビリティ、訴求力のある端末の展開、新規事業者の参入など、通信業界における他の事業者等及び他の技術等との競争の激化や競争レイヤーの広がりをはじめとする市場環境の変化に関連して、当社グループが獲得・維持できる契約数が抑制されたり、当社グループの想定以上にARPUの水準が逓減し続けたり、コストが増大する可能性があること
- 当社グループが提供している、あるいは新たに導入・提案するサービス・利用形態・販売方式が十分に展開できない場合、当社グループの財務に影響を与えたり、成長が制約される可能性があること
- 種々の国内外の法令・規制・制度の導入や変更または当社グループへの適用により、当社グループの事業運営に制約が課されるなど悪影響が発生し得ること
- 当社グループが使用可能な周波数及び設備に対する制約に関連して、サービスの質の維持・増進や、顧客満足の継続的獲得・維持に悪影響が発生したり、コストが増加する可能性があること
- 当社グループが採用する移動通信システムに関する技術や周波数帯域と互換性のある技術や周波数帯域を他の移動通信事業者が採用し続ける保証がなく、当社グループの国際サービスを十分に提供できない可能性があること
- 当社グループの国内外の投資、提携及び協力関係や、新たな事業分野への出資等が適正な収益や機会をもたらす保証がないこと
- 当社グループや他の事業者等の商品やサービスの不具合、欠陥、不完全性等に起因して問題が発生し得ること
- 当社グループの提供する商品・サービスの不適切な使用等により、当社グループの信頼性・企業イメージに悪影響を与える社会的問題が発生し得ること
- 当社グループまたは業務委託先等における個人情報を含む業務上の機密情報の不適切な取り扱い等により、当社グループの信頼性・企業イメージの低下等が発生し得ること
- 当社グループ等が事業遂行上必要とする知的財産権等の権利につき当該権利の保有者よりライセンス等を受けられず、その結果、特定の技術、商品またはサービスの提供ができなくなる可能性があること、また、当社グループが他者の知的財産権等の権利の侵害を理由に損害賠償責任等を負う可能性があること
- 自然災害、電力不足等の社会インフラの麻痺、有害物質の拡散、テロ等の災害・事象・事件、及び機器の不具合等やソフトウェアのバグ、ウイルス、ハッキング、不正なアクセス、サイバーアタック、機器の設定誤り等の人為的な要因により、当社グループのサービス提供に必要なネットワークや販売網等の事業への障害が発生し、当社グループの信頼性・企業イメージが低下したり、収入が減少したり、コストが増大する可能性があること
- 無線通信による健康への悪影響に対する懸念が広まることがあり得ること
- 当社の親会社である日本電信電話株式会社が、当社の他の株主の利益に反する影響力を行使することがあり得ること
当社グループは携帯電話の番号ポータビリティ、訴求力のある端末の展開、新規事業者の参入など、通信業界における他の事業者との競争の激化にさらされています。例えば、他の移動通信事業者も高速移動通信サービス対応端末や音楽・映像再生機能搭載をはじめとするお客様のニーズや嗜好を追及した端末、音楽・映像配信サービス、音声・メール等の定額利用サービスなどの新商品、新サービスの投入、あるいは携帯電話端末等の割賦販売方式の導入を行っています。また、固定通信との融合サービスとして、ポイントプログラムの合算、携帯電話‐固定電話間の通話無料サービス、携帯電話・固定電話のセット割引などの提供を行う事業者もあり、今後、お客様にとってより利便性の高いサービスを提供された場合に、当社グループが規制の対象であることなどの要因により、適時・適切に対応できるとは限りません。さらに、他の事業者が、お客様にとってより訴求力のある端末を提供することに対し、当社グループの提供する端末ラインナップが適時・適切にこれに対抗し得ない可能性もあります。
一方、他の新たなサービスや技術、特に低価格・定額制のサービスとして、固定または移動のIP電話(当社グループのスマートフォンやタブレット端末において動作するアプリケーションを利用するサービスを含みます。)や、ブロードバンド高速インターネットサービスやデジタル放送、公衆無線LAN等、またはこれらの融合サービスなどが提供されており、これらにより更に競争が激化するかもしれません。
通信業界における他の事業者や他の技術などとの競争以外にも、日本の移動通信市場の飽和、MVNO
1や異業種からの参入を含めた競争レイヤーの広がりによるビジネス・市場構造の変化、規制環境の変化、料金競争の激化といったものが競争激化の要因として挙げられます。スマートフォンやタブレット端末等のオープン・プラットフォーム端末の普及拡大に伴い、多くの事業者等が携帯電話端末上でのサービス競争に参入してきており、今後、これらの事業者等がお客様にとってより利便性の高いサービスを提供したり、更に料金競争が激化する可能性があります。
こうした市場環境のなか、今後当社グループの新規獲得契約数は減少の一途を辿ったり、当社グループの期待する数に達しないかもしれず、また、新規獲得契約数だけでなく、既存契約数についても、更なる競争激化のなか、当社グループが期待する水準で既存契約数を維持し続けることができない可能性があり、さらには、新規獲得契約数及び既存契約数を維持するため、見込み以上のARPUの低下が発生したり、想定以上のコストをかけなくてはならないかもしれません。当社グループは厳しい市場環境のなか、高度で多様なサービスの提供及び当社グループの契約者の利便性向上を目的として、スマートフォンやタブレット端末など、リッチなコンテンツをご利用のお客様に適した新たなパケット定額サービス「パケ・ホーダイ フラット」・「パケ・ホーダイ ダブル2」の導入(2011年3月実施)、Xiサービスのドコモご契約者への国内音声通話定額サービス「Xiカケ・ホーダイ」及びパケット定額サービス「Xiパケ・ホーダイ フラット」・「Xiパケ・ホーダイ ダブル」の導入(2011年11月実施)など、各種の料金改定を行っていますが、それによって当社グループの契約数を獲得・維持できるかどうかは定かではありません。また、これらの料金改定によりARPUが一定程度低下することを見込んでいますが、各種割引サービスの契約率や定額制サービスへ移行する契約数の動向が、当社グループが想定したとおりにならない場合、当社グループの見込み以上にARPUの低下が起こる可能性があります。
また、市場の成長が鈍化した場合または市場が縮小した場合、当社グループの見込み以上にARPUが低下し、または当社グループが期待する水準での新規契約数の獲得及び既存契約数の維持ができない可能性があります。
これらの結果、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、iモードサービスやspモード、「dメニュー」、「dマーケット」などのスマートフォンのサービス、「iコンシェル」サービス等のモバイルのサービスの利用促進、FOMA、Xiの普及拡大及びこれらによるパケット通信その他データ通信の拡大、さらに「モバイルを核とする総合サービス企業」を目指した、メディア・コンテンツ、金融・決済、コマース、健康・医療、M2M(Machine-to-Machine)、環境・エコロジー等、様々なサービスや産業との融合による新たな価値創造への取り組み等による収益の増加が今後の成長要因と考えていますが、そうしたサービスの発展を妨げるような数々の不確定性が生じる可能性があり、その場合そうした成長が制約される可能性があります。
また、市場の成長が鈍化した場合又は市場が縮小した場合、当社グループが提供するサービス・利用形態・販売方式が十分に展開できず、当社グループの財務に影響を与えたり、成長が制約される可能性があります。
特に、以下の事柄が達成できるか否かについては定かではありません。
- サービス・利用形態の提供に必要なパートナー、スマートフォンのサービス等の利用促進に必要なオペレーティングシステムやアプリケーション等のソフトウェアの提供者、コンテンツプロバイダ、おサイフケータイサービス対応の読み取り機の設置店舗等との連携・協力などが当社グループの期待どおりに展開できること
- 当社グループが計画している新たなサービスや利用形態を予定どおりに提供することができ、かつ、そのようなサービスの普及拡大に必要なコストを予定内に収めること
- 当社グループが提供する、または提供しようとしているサービス・利用形態・割賦販売等の販売方式が、現在の契約者や今後の潜在的契約者にとって魅力的であり、また十分な需要があること
- メーカーとコンテンツプロバイダが、当社グループのFOMA端末・Xi端末や当社グループが提供するサービスに対応した端末、スマートフォンのサービス等の利用促進に必要なオペレーティングシステムやアプリケーション等のソフトウェア、コンテンツなどを適時に適切な価格で安定的に生産・提供できること
- 現在または将来の当社グループのiモードサービスやspモード、「dメニュー」、「dマーケット」などのスマートフォンのサービス、「iコンシェル」サービス等を含むモバイルのサービスやデータ通信サービスまたは「DCMX」等の金融・決済サービス、「NOTTV」等のメディア・コンテンツサービス、株式会社オークローンマーケティングや、らでぃっしゅぼーや株式会社などが展開するコマース事業などの様々なサービスや産業との融合による新たな価値創造への取り組みが、既存契約者や潜在的契約者を惹きつけることができ、継続的な、または新たな成長を達成できること
- 携帯電話端末機能に対する市場の需要が想定どおりとなり、その結果端末調達価格を低減し、適切な価格で販売できること
- LTE
2等の技術により、データ通信速度を向上させたサービスを予定どおりに拡大できること
こうした当社グループの新たなサービス・利用形態の展開が制約された場合、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
日本の電気通信業界では、料金規制等を含め多くの分野で規制改革が進んでおりますが、当社グループの展開する移動通信事業は、無線周波数の割当てを政府機関より受けており、特に規制環境に影響を受けやすい事業です。また、当社グループは、他の事業者等には課せられない特別な規制の対象となることがあります。様々な政府機関が移動通信事業に影響を与え得る改革案を提案または検討してきており、当社グループの事業に不利な影響を与え得るような法令・規制・制度の導入や変更を含む改革が、引き続き実施される可能性があります。そのなかには次のようなものが含まれています。
- SIM
3ロック解除規制など、端末レイヤーにおける競争促進のための規制 - 周波数再割当て、オークション制度の導入などの周波数割当て制度の見直し
なお、周波数オークション制度に関しては、制度の導入に向けて、2012年には、「電波法の一部を改正する法律案」が国会に提出されるなど、実施に向けた政府機関内での措置・検討が行われることとなっています。 - 認証や課金といった通信プラットフォームの一部の機能を他社に開放することを求めるような措置
- プラットフォーム事業者やISP事業者、コンテンツプロバイダ等に対して、iモードやspモードなど、当社サービスに係る機能の開放を求めるような規制
- 特定のコンテンツや取引、またはiモードやspモードなどのようなモバイルインターネットサービスを禁止または制限するような規制
- 携帯電話のユニバーサルサービスへの指定、現行のユニバーサルサービス基金制度の変更など新たなコストが発生する措置
- MVNOの新規参入の促進のための公正競争環境整備策
- 指定電気通信設備制度(ドミナント規制)の見直しによる新たな競争促進のための規制
- 当社グループを含む日本電信電話株式会社(NTT)グループの在り方に関する見直し
- その他、当社及びNTT東日本・西日本を対象とした競争セーフガード制度、事業者間接続ルールの見直しなど、通信市場における当社グループの事業運営に制約を課す競争促進措置
上記に挙げた移動通信事業に影響を与え得る改革案に加え、当社グループは、国内外の様々な法令・規制・制度の影響を受ける可能性があります。例えば、当社グループは契約数や契約者のトラフィック量の増加に対応し、サービス品質の確保・向上を図るため通信設備の拡充を進めており、その結果、電力使用量が増加傾向にあります。当社グループは、省電力装置や高効率電源装置の導入など温室効果ガス排出量の削減に向けた施策を実施していますが、温室効果ガス排出量削減のための規制等の導入によりコスト負担が増加し、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
また、2010年7月に米国で「金融規制改革法」が成立しました。これを受けて米国証券取引委員会は、取り扱っている製品に対象の鉱物を使用する米国上場企業に対して、それらがコンゴ民主共和国及び隣接国産であるかどうかの開示を義務付ける規則を制定する予定です。この規則の導入に伴い、規則遵守のための調査費用の負担、対象の紛争鉱物を使用する部材等の価格上昇等により、コスト負担が増加するなど、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。さらに、当社グループは、新たな収益源の確保に向けて、メディア・コンテンツ、金融・決済、コマース、健康・医療、M2M、環境・エコロジー等の分野におけるモバイルと様々なサービスや産業との融合による新たな価値創造への取り組みを展開するなど、出資・提携を通じて様々な事業やビジネス領域へ進出していることから、移動通信事業に関わる法令・規制・制度に加え、新たなサービス・事業・ビジネス領域における特有の法令・規制・制度の影響を受けます。これらの法令・規制・制度が適用されることにより、当社グループの事業運営に制約が課され、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響が発生する可能性があります。
移動通信事業に影響を与え得る改革案が実施されるか、またはその他の法令・規制・制度が立案されるかどうか、そして実施された場合に当社グループの事業にどの程度影響を与えるのかを正確に予測することは困難です。しかし、移動通信事業に影響を与え得る改革案のいずれか、またはその他の法令・規制・制度が導入、変更または当社グループへ適用された場合、当社グループの移動通信サービスの提供が制約され、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
移動通信ネットワークの容量の主要な制約のひとつに、使用できる無線周波数の問題があります。当社グループがサービスを提供するために使用できる周波数や設備には限りがあります。その結果、東京、大阪といった都心部の主要駅周辺などでは、当社グループの移動通信ネットワークは、ピーク時に使用可能な周波数の限界、もしくはそれに近い状態で運用されることがあるため、サービス品質の低下が発生する可能性があります。
その他、当社グループの契約数や契約者のトラフィック量が増加していくなか、事業の円滑な運営のために必要な周波数が政府機関より割り当てられなかった場合にも、サービス品質が低下する可能性があります。
当社グループはLTE等の技術やLTE移行促進等による周波数利用効率の向上、及び新たな周波数の獲得に努めていますが、これらの努力によってサービス品質の低下を回避できるとは限りません。
また、基地局設備や交換機設備、その他サービス提供に必要な設備等の処理能力にも限りがあるため、トラフィックのピーク時や契約数が急激に増加した場合、または当社グループのネットワークを介して提供される映像、音楽といったコンテンツの容量が急激に拡大した場合にも、サービス品質の低下が発生するかもしれません。またFOMA及びXiサービスに関しては、スマートフォンやタブレット端末、PC向けデータ通信端末の普及拡大に伴い、サービスに加入する契約数の伸びや加入した契約者のトラフィック量が当社グループの想定を大きく上回る可能性があります。さらにスマートフォンやタブレット端末上で動作するアプリケーション等のソフトウェアの中には、通信の確立、切断等をするために、端末とネットワーク間でやりとりされる信号である制御信号の増加等、当社グループの想定を大きく上回る設備への負荷を生じさせる可能性を有するものがあります。これらにより、既存の設備ではそうしたトラフィックを処理できないことで、サービス品質が低下したり、これに対応するための設備投資コストが増加する可能性があります。
もし当社グループがこれらの問題に十分かつ適時に対処しきれないようであれば、当社グループの移動通信サービスの提供が制約を受けることで、契約者が競合他社に移行してしまうかもしれず、他方これに対処するためには設備投資コスト等が増加することで、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度に、主にスマートフォン普及に伴うデータ通信トラフィックや制御信号数の急増により、spモードシステムやパケット交換機などの通信設備に不具合が生じたことに起因し、一連の通信障害が発生しました。当社グループでは、一連の障害を踏まえ、再発防止に向けた対策及び当社の通信ネットワーク設備等に対して総点検を実施し、現状において通信ネットワークが安定して運用できる状態であることを確認するとともに、増加する制御信号への対策など、今後のスマートフォントラフィックに対するネットワーク基盤の強化に取り組んでいます。しかしながら、今後の契約数の伸びや契約者のトラフィック量や制御信号の増加などが当社グループの想定を大きく上回ったり、更なる不測の事態が発生した場合には、サービス品質が低下することなどにより、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
十分な数の他の移動通信事業者が、当社グループが採用する移動通信システムに関する技術や周波数帯域と互換性のある技術や周波数帯域を採用することにより、当社グループは国際ローミングサービス等のサービスを世界規模で提供することが可能となっています。当社グループは、今後も引き続き海外の出資先や戦略的提携先その他の多くの移動通信事業者が互換性のある技術や周波数帯域を採用し維持することを期待していますが、将来にわたって期待が実現するという保証はありません。
もし、今後十分な数の他の移動通信事業者において、当社グループが採用する技術や周波数帯域と互換性のある技術や周波数帯域が採用されなかったり、他の技術や周波数帯域に切り替えられた場合や互換性のある技術や周波数帯域の導入及び普及拡大が遅れた場合、当社グループは国際ローミングサービス等のサービスを期待どおりに提供できないかもしれず、当社グループの契約者の海外での利用といった利便性が損なわれる可能性があります。
また、標準化団体等の活動などにより当社グループが採用する標準技術に変更が発生し、当社グループが使用する端末やネットワークについて変更が必要になった場合、端末やネットワーク機器メーカーが適切かつ速やかに端末及びネットワーク機器の調整を行えるという保証はありません。
こうした当社グループが採用する技術や周波数帯域と互換性のある技術や周波数帯域の展開が期待どおりとならず、当社グループの国際サービス提供能力を維持または向上させることができない場合、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループの戦略の主要な構成要素のひとつは、国内外の投資、提携及び協力関係を通じて、当社グループの企業価値を高めることであります。当社グループは、この目的を達成するにふさわしいと考える、海外における他の会社や組織と精力的に提携・協力関係を築いてきました。また、国内の企業に対しても投資、提携及び協力関係を結び、新たな事業分野に対して出資を行うなどの戦略を推進しています。
しかしながら、当社グループがこれまで投資してきた、または今後投資する事業者や設立する合弁会社等が価値や経営成績を維持し、または高めることができるという保証はありません。また、当社グループがこれらの投資、提携または協力関係から期待されるほどの見返りと利益を得ることができるという保証もありません。放送事業や通信販売事業などの移動通信事業以外の新たな事業分野への出資にあたっては、当社グループの経験が少ないことから、想定し得ない不確定要因が存在する可能性もあります。
近年、当社グループの投資先は、競争の激化、負債の増加、世界的な景気後退、株価の大幅な変動または財務上の問題によって様々な負の影響を受けています。当社グループの投資が持分法で計上され、投資先の会社が純損失を計上する限りにおいて、当社グループの経営成績は、これらの損失額に対する持分比率分の悪影響を受けます。投資先企業における投資価値に減損が生じ、それが一時的な減損でない場合、当社グループは簿価の修正と、そのような投資に対する減損の認識を要求される可能性があります。当社グループの投資先企業の関与する事業結合等の取引によっても、投資先の投資価値の減損による損失を認識することが要求される可能性があります。いずれの場合においても、当社グループの財政状態または経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの提供する携帯電話端末には、様々な機能が搭載されています。また、当社グループの提供する携帯電話端末を通じ、当社グループはもとより当社グループのパートナーやその他の当社グループ外の多数の事業者等がサービスを提供しています。当社グループや当社グループ外の事業者が提供する端末やアプリケーション等のソフトウェアやシステムに技術的な問題が発生した場合、またはその他の不具合、欠陥、紛失等が発生した場合など、当社グループや他の事業者等の商品やサービスの不完全性等に起因して問題が発生した場合には、当社グループの信頼性・企業イメージが低下し、解約数の増加や契約者への補償のためのコストが増大するおそれがあり、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、新たな収益源の確保に向けて、メディア・コンテンツ、金融・決済、コマース、健康・医療、M2M、環境・エコロジー等の分野におけるモバイルと様々なサービスや産業との融合による新たな価値創造への取り組みを展開しており、これらの商品やサービスの不完全性等に起因して問題が発生した場合も、当社グループの信頼性・企業イメージが低下するなどし、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの信頼性・企業イメージの低下または解約数の増加やコストの増大につながる可能性のある事態としては、例えば以下のようなものが考えられます。
- 端末に搭載されている様々な機能の故障・欠陥・不具合の発生
- サービス提供に必要なソフトウェアやシステムの故障・欠陥・不具合の発生
- 他の事業者等のサービスの不完全性等に起因する端末やサービスの故障・欠陥・不具合の発生
- 端末、ソフトウェアやシステムの故障・欠陥・不具合や他の事業者等のサービスの不完全性等に起因した情報、電子マネー、ポイント、コンテンツ等の漏洩や消失
- 端末の紛失・盗難等による情報、電子マネー、クレジット機能、ポイント等の第三者による不正な利用
- 端末内部やサーバー等に蓄積された利用履歴、残高等のお客様情報・データの第三者による不適切な読み取りや悪用
- 当社グループの提携、協力している企業における、電子マネー、クレジット機能、ポイント、その他データの不十分または不適切な管理
- 通信販売等のコマース事業で提供される商品やサービスの欠陥・瑕疵等、新たな価値創造に伴い提供される商品やサービスの不完全性に伴うお客様への事故・不利益の発生
当社グループの提供している商品やサービスがユーザに不適切に使用されること等により、当社グループの商品・サービスに対する信頼性が低下し、企業イメージが低下することで、解約数が増加したり、新規契約者が期待どおり獲得できない可能性があります。
例えば、当社グループが提供するiモードメール、spモードメール、SMS等のメールを使った迷惑メールがあります。当社グループは、迷惑メールフィルタリング機能の提供、各種ツールによる契約者への注意喚起の実施や迷惑メールを大量に送信している業者に対し利用停止措置を行うなど、様々な対策を講じてきていますが、未だ根絶するには至っていません。当社グループの契約者が迷惑メールを大量に受信してしまうことにより顧客満足度の低下や企業イメージの低下が起こり、iモードまたはspモード契約数の減少となることもあり得ます。
また、振り込め詐欺に代表される携帯電話の犯罪への利用が未だ発生しており、そのような犯罪に利用され易い音声通話が可能なプリペイド携帯電話について、当社グループは、購入時の本人確認を強化し、更に音声通話が可能なプリペイド携帯電話のサービスの提供を当連結会計年度末をもって終了するなど、種々の対策を講じてきました。しかし今後、犯罪への利用が多発した場合、携帯電話そのものが社会的に問題視され、当社グループ契約者の解約数の増加を引き起こすといった事態が生じる可能性もあります。そのほか、端末やサービスの高機能化に伴い、パケット通信を行う頻度及びデータ量が増加していることを契約者が十分に認識せずに携帯電話を使用し、その結果、契約者の認識以上に高額のパケット通信料が請求されるといった問題が生じました。また、有料コンテンツの過度な利用による高額課金といった問題や、自動車や自転車の運転中の携帯電話の使用による事故の発生といった問題もあります。さらには、小中学生が携帯電話を所持することについての是非や、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」の施行に伴い、未成年者に対して、原則適用している有害サイトアクセス制限サービス(フィルタリングサービス)の機能の十分さや精度等に関して様々な議論があります。こうした問題も、同様に企業イメージの低下を招くおそれがあります。
このような携帯電話をめぐる社会的な問題については、これまで当社グループは適切に対応していると考えておりますが、将来においても適切な対応を続けることができるかどうかは定かではなく、適切な対応ができなかった場合には、既存契約者の解約数が増加したり、新規契約者が期待どおり獲得できないという結果になる可能性があり、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、電気通信事業並びにクレジット事業・通信販売事業等のその他事業において多数のお客様情報を含む機密情報を保持しており、「個人情報の保護に関する法律」に則した個人情報保護の適切な対応を行う観点から、個人情報を含む業務上の機密情報の管理徹底、業務従事者に対する教育、業務委託先会社の管理監督の徹底、技術的セキュリティ強化等の全社的な総合セキュリティ管理を実施しています。
しかし、これらのセキュリティ対策にもかかわらず漏洩事故や不適切な取り扱いが発生した場合、当社グループの信頼性・企業イメージを著しく損なうおそれがあり、解約数の増加や当事者への補償によるコストの増大、新規契約数の鈍化など、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループや事業上のパートナーがその事業を遂行するためには、事業遂行上必要となる知的財産権等の権利について、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける必要があります。現在、当社グループ等は、当該権利の保有者との間でライセンス契約等を締結することにより、当該権利の保有者よりライセンス等を受けており、また、今後の事業遂行上必要となる知的財産権等の権利を他者が保有していた場合、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける予定ですが、当該権利の保有者との間でライセンス等の付与について合意できなかったり、または、一旦ライセンス等の付与に合意したものの、その後当該合意を維持できなかった場合には、当社グループや事業上のパートナーの特定の技術、商品又はサービスの提供ができなくなる可能性があります。また、他者より、当社グループがその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、仮に当該他者の主張が認められた場合には、当該権利に関連する事業の収益減や当該権利の侵害を理由に損害賠償責任等を負う可能性があり、それにより当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは基地局、アンテナ、交換機や伝送路などを含む全国的なネットワークを構築し、移動通信サービスを提供しています。当社グループのサービス提供に必要なシステムについては、安全かつ安定して運用できるよう二重化するなどの様々な対策を講じています。しかし、これらの対策にもかかわらず様々な事由によりシステム障害が発生する可能性があり、その要因となり得るものとしては、システムのハードウェアやソフトウェアの不具合によるもの、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、電力不足等の社会インフラの麻痺、テロといった事象・事件によるもの、有害物質の拡散や感染症の流行等により、ネットワーク設備の運用・保守が十分に実施できないことによるものなどがあります。こうした要因によりシステムの障害が発生した場合、修復にとりわけ長い時間を要し、結果として収益の減少や多額の費用の支出につながる可能性があり、それにより当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
また、固定のインターネットでは、ウイルスに感染することにより時として全世界で数千万台のコンピュータに影響が出る事例が発生し、携帯電話においても、スマートフォンの拡大に伴い、携帯電話端末を標的としたウイルスが増加しています。当社グループのネットワーク、端末、その他の設備においても、そのような事態が引き起こされる可能性がないとは言い切れず、ハッキングや不正なアクセスなどにより、ウイルスやブラウザクラッシャなどが当社グループのネットワークや端末に侵入した場合、または、サイバーアタックを受けた場合には、システム等に障害が発生し、提供するサービスが利用できなくなったり、品質が低下したり、機密情報の漏洩事故の発生などの事態が考えられ、その結果、当社グループのネットワーク、端末、その他の設備に対する信頼性や、顧客満足度が著しく低下するおそれがあります。当社グループは不正アクセス防止機能、携帯電話の遠隔ダウンロードやスマートフォン向けウイルス対策サービス「ドコモ あんしんスキャン」の提供などセキュリティを強化し、不慮の事態に備え得る機能を提供していますが、そうした機能があらゆる場合に万全であるとは限りません。さらに、悪意を持ったものでなくともソフトウェアのバグ、機器の設定誤り等の人為的なミスにより、システム障害やサービス品質の低下、機密情報の漏洩事故等の損害が起こる可能性もあります。
これらのほか、自然災害や社会インフラの麻痺等の事象・事件、有害物質の拡散や感染症の流行等により、当社の事業所や販売代理店等の必要なパートナーが業務の制限を強いられたり、一時的に閉鎖せざるを得なくなった場合、当社グループは、商品・サービスの販売・提供の機会を喪失するほか、お客様からのお申し込み受付やアフターサービスなどに関する要望に適切に対応できない可能性があります。
このような不慮の事態において当社グループが適切な対応を行うことができなかった場合、当社グループに対する信頼性・企業イメージが低下するおそれがあるほか、収益の減少や多額の費用の支出につながる可能性があり、またこのような不慮の事態によって市場の成長が鈍化したり、市場が縮小した場合、当社グループの見込み以上にARPUが低下したり、当社グループが期待する水準での新規契約数の獲得及び既存契約数の維持ができない可能性があります。これらにより、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
世界保健機関(WHO)やその他の組織団体など、及び各種メディアの報告書によると、無線通信端末とその他の無線機器が発する電波は、補聴器やペースメーカーなどを含む、医用電気機器の使用に障害を引き起こす可能性、ガンや視覚障害を引き起こし、携帯電話の使用者と周囲の人間に健康上悪影響を与える可能性を完全に拭い切れないことなどの意見が出ています。無線電気通信機器が使用者にもたらす、もしくはもたらすと考えられる健康上のリスクは、契約者の解約の増加や新規契約者の獲得数の減少、利用量の減少、新たな規制や制限並びに訴訟などを通して、当社グループの企業イメージ及び当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性もあります。また、いくつかの移動通信事業者や端末メーカーが、電波により起こり得る健康上のリスクについての警告を無線通信端末のラベル上に表示していることで、無線機器に対する不安感は高められているかもしれません。研究や調査が進むなか、当社グループは積極的に無線通信の安全性を確認しようと努めていますが、更なる調査や研究が、電波と健康問題に関連性がないことを示す保証はありません。
さらに、当社グループの携帯電話と基地局から発する電波は、日本の電波に関する安全基準と、国際非電離放射線防護委員会の国際的な安全基準とされているガイドラインに従っています。一方、日本の電波環境協議会は、携帯電話や他の携帯無線機器からの電波が一部の医用電気機器に影響を及ぼすということを確認しました。その結果、日本は医療機関での携帯電話の使用を制約する方針を採用しました。当社グループは携帯電話を使用する際に、これらの制約を利用者が十分認識するよう取り組んでいます。しかしながら、規制内容の変更や新たな規則や制限によって、市場や契約数の拡大が制約されるなどの悪影響を受けるかもしれません。
日本電信電話株式会社(NTT)は2012年3月31日現在、当社の議決権の66.65%を所有しています。1992年4月に郵政省(当時)が発表した公正競争のための条件に従う一方で、NTTは大株主として、当社の取締役の指名権など経営を支配する権利を持ち続けています。現在、当社は通常の業務をNTTやその他の子会社から独立して営んでいますが、重要な問題については、NTTと話し合い、もしくはNTTに対して報告を行っています。このような影響力を背景に、NTTは、自らの利益にとって最善であるが、その他の株主の利益とはならないかもしれない行動をとる可能性があります。

