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「環境センサーネットワーク」を活用した局地気象に関する共同実験の実施について(滋賀県湖西地方)

<2012年10月9日>

国立大学法人京都大学生存圏研究所
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ

国立大学法人京都大学生存圏研究所(以後、京都大学)と株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以後、NTTドコモ)は、滋賀県の琵琶湖の西側に局地的に吹く強風である「比良おろし」の動態を調べる研究を2012年10月10日から翌2013年3月31日まで共同で実施いたします。
「比良おろし」は、琵琶湖西岸の電車の遅れや琵琶湖の水難事故をもたらす悪風として知られており、住民生活に極めて大きな影響を与えています。しかしながら、発生地域が幅数キロメートルと非常に狭い現象であるため動態が捉えにくく、その予測が難しいのが現状です。

京都大学では「比良おろし」の動態を明らかにするため、「比良おろし」の精密な数値シミュレーションを行っています。この結果、比良おろしの吹くタイミングや場所は、湖西地域の特有な地形と琵琶湖に大きな影響を受けていることが明らかになりました。
NTTドコモでは、これまで全国4,000か所に環境センサーネットワークを展開しております。本期間中においては同地方において既設の観測センサー6局に加え、新たに開発した小型観測センサー13局を導入し、計19局の観測点を整備します。これにより風向風速、気温、湿度、気圧などの気象観測を実施し、周密観測データとして京都大学に提供します。
京都大学では、スーパー・コンピューターを用いた精密な数値シミュレーションで比良おろしを再現し、NTTドコモの環境センサーによるデータを用いて検証を行うことで、比良おろしの予測精度向上を目指した研究を進めます。

今回両者の産学連携を進め、京都大学により得られる数値シミュレーションの結果を周密観測データを用いて検証することによって、「比良おろし」の予測向上を目指す研究を推進します。
日本には地域コミュニティーに大きな影響を与える局地的現象が数多く存在することから、京都大学とNTTドコモでは、「比良おろし」を端緒として、集中観測と数値予報モデルを組み合わせた産学連携を進めてゆきます。

参考

<「比良おろし」とは>
滋賀県の比良山地東麓に秋から春にかけて吹く局地風。幅数キロメートルの狭い領域に平均風速30m/s、瞬間風速50m/sを超える強風が数時間にわたって吹き続ける。古代より琵琶湖の水難事故を引き起こす悪風として知られてきたが、近年はJR湖西線に横風を吹きつけ電車遅延をもたらす。
他の日本の典型的なおろし風と異なり、発生場所が移動するためその発生を正確に予測するのが難しい特徴を持つ。

<本実証実験の概要>

  概要
目的 滋賀県比良地区におけるダウンバースト「比良おろし」の発生メカニズムを明らかにし、将来の予報・警報などの情報配信の足がかりを築く。
期間 2012年10月10日(水)〜2013年3月末(6か月)
体制 京都大学生存圏研究所
NTTドコモ
実施内容 1ドコモは湖西線堅田駅から北小松駅までの区間に19拠点(現在1拠点)の観測点を整備し、10分間隔の「風向風速」「気温」「湿度」計測を実施する。
2京都大学生存圏研究所は独自に開発した比良おろしに関するシミュレーション技術とこの観測情報を合わせることで、発生メカニズムの解析と予報の実現性を研究する。

イメージ図

報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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