地域からのお知らせ(北海道)

北見工業大学とNTTドコモ、「5Gを活用した防災・一次産業における研究力強化」に関する連携協定を締結

2019年12月25日
国立大学法人北見工業大学
株式会社NTTドコモ北海道支社

国立大学法人北見工業大学(学長 鈴木 聡一郎、以下、北見工大)と、株式会社NTTドコモ北海道支社(執行役員支社長 櫻井 俊明、以下、ドコモ)は、「5Gを活用した防災・一次産業における研究力強化」に関する協定(以下、本協定)を、2019年12月25日(水曜)に締結いたしました。
本協定は、北見工大とドコモの密接な連携・協力のもと、ドローンを用いた災害時の橋梁や河川に関する迅速な状態把握、無人トラクターを用いたスマート農業分野の取り組みをドコモの提供する5Gを活用して促進することを目的に締結するものです。

1.協定の名称

「5Gを活用した防災・一次産業における研究力強化に関する連携協定」

2.協定締結日

2019年12月25日(水曜)

3.協定有効日

2021年3月31日(水曜)

4.協定締結の目的

一次産業の活性化、かつあんしん・安全に向けた取り組みを通じた未来ある地域づくりの実現を目的として、以下の2点に取り組みます。
(1)防災・減災に資する新たな技術の検討
(2)次世代の一次産業に関連した技術の検討



本協定で連携・協働する取り組み内容については、別紙を参照ください。

<別紙>本協定で連携・協力していく分野および主な事例案

本協定ではドコモの提供する5Gの特性(高速・大容量、低遅延、多数接続)を活用し、ドローンなどを用いた災害現場の状況のリアルタイム把握の取り組みやスマート農業分野における無人トラクターの活用に向けて両者が連携・協力し取り組みを行ってまいります。

1.連携・協力による取り組み内容

(1)協定締結目的:防災・減災に資する新たな技術の検討

①災害時のリアルタイム流速解析
5Gの高速・大容量の特性を活かし、ドローンで撮影した動画データを距離の離れた拠点に送信し、その画像を迅速に解析することで洪水時の河川水の流れる速さの把握や、災害範囲の予測、緊急対策箇所の迅速な判断が可能か検証を行います。ドローンから取得した動画を用いたリアルタイム流速解析が実現した場合、既に導入されている河川設置カメラから有線回線を経由して取得した画像に対する流速解析技術と併用することで、避難情報の精度向上、洪水時における堤防の緊急補強箇所の迅速な把握などが可能となり、河川増水時の被害の最小化が期待できます。


<イメージ図>
5G回線を利用したリアルタイム河川流速計測システム5G回線を利用したリアルタイム河川流速計測システム

②災害時や技術者不足に対するインフラ変状の自動把握
インフラ点検用ドローンなどにより撮影した高解像度画像を「SfM(Structure from Motion※)」技術によって、3次元モデルに変換し、災害時や老朽化による異常を速やかにかつ定量的に把握する技術を開発します。「SfM」は撮影した複数の画像から、橋梁やコンクリート壁などの対象構造物の特徴的な点をそれぞれ抽出して3次元座標を求めるため、数百枚、合計約10GBの画像を撮影する必要があります。また、構造物の変形やひび割れなどを検出するためには、1枚1枚の画像の解像度も高くなければいけません。このため、5Gの高速、大容量の特性を活かし、これまでコンクリートのひび割れ点検に用いているドローンなどで撮影した、4Kレベルの高解像度画像データを現場から直接研究室に送信します。受信後速やかに「SfM」により3次元点群データへと変換することで、壁の変形やひび割れ、腐食などの変状を詳細かつ、定量的に把握します。将来的には全国で課題とされるインフラ保全業務に従事する土木技術者の不足や技術者スキルによる変状の見落とし、災害復旧時の課題である被害状況の迅速な把握などへの貢献が期待できます。


<イメージ図>
5G回線利用したインフラ点検と定量的構造評価5G回線利用したインフラ点検と定量的構造評価

(2)協定締結目的:次世代の一次産業に関連した技術の検討

5Gを用いた次世代スマートトラクター制御システム
トラクターのカメラ映像、GPS測位データを、5Gを用いた次世代スマートトラクター制御システム(以下、本システム)により、データの結合処理を行い、リアルタイムな遠隔トラクターの自動制御の実現に向けた検証を行います。本システムでは5Gの高速・大容量、低遅延の特性を活かし、高画質カメラからの圃場の映像をリアルタイムに拠点に伝送し、画像認識とAI技術により圃場内で生育している作物や雑草を確認します。そして分析結果を再度トラクター側に5Gを利用して送信することで、作物を避けるトラクター自動制御の実現をめざします。従来は、人の目に頼っていた一次産業の現場において人手不足などの課題解決が期待されます。


<イメージ図>
5G回線を利用した次世代スマートトラクタ制御システム5G回線を利用した次世代スマートトラクタ制御システム

2.各者の役割について

各者の役割について
国立大学法人北見工業大学 ・実験フィールドの準備
・システムの設計
・5Gを利用した実験の実施
株式会社NTTドコモ 北海道支社 ・5Gエリアの構築
・5G回線・端末の提供
・R&D部門などで開発中商材の先行提供の検討

  • 「Structure from Motion」とは視点が異なる複数枚の静止画像から3次元形状を推定する技術です。

記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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