仙台応用情報学研究振興財団様


導入データ
訪れる方々に、被災地の現状をわかりやすく伝えることが必要でした。

2011年3月11日、三陸沖を震源として発生した巨大地震は東北沿岸部に壊滅的な津波被害をもたらした。その被災地をはじめて訪れる人々の目には、多くの景色が雑草の生い茂る荒れ野原に映るかもしれない。だが、この地にはかつて人々の生活があり、職場や学校、家族と住む家があった。そうした記憶と震災の教訓を風化させてはいけないと宮城県の仙台応用情報学研究振興財団は2013年、ドコモの東北復興支援助成で開発したアプリとタブレットを「語り部タクシー」に提供する支援事業を開始した。「運転手さんからは、タブレットで震災直後の状況を写真や動画で説明すると訴求力が違うと、高く評価していただきました」と語るのは同財団研究主幹の梶功夫氏。
同財団はその後、南三陸ホテル観洋の女将である阿部憲子氏の発案で始まった「語り部バス」を支援するため、数十台のタブレットをWi-Fiで遠隔操作できるタブレットシステムを地元企業と協力して開発し、2014年より実証実験をスタートさせた。バスツアーでは、写真、動画、データ、新聞記事などを日英2か国語の説明で提供し、国内外から訪れる人々に被災地のリアルな現状とともに震災前後の姿を伝え、震災の記憶を後世につなぐための力強いツールとなっている。
使用しているサービス・ソリューション

【活用事例】
語り部ガイドの説明に合わせて、画面に鮮明な写真や動画を表示。津波の様子もリアルに伝えます。

【導入効果】
ツアー参加者は震災前の写真と現在の被災地を見比べることで、震災の教訓をより深く学ぶことができます。
お客さまからのコメント

「東北発の新たな観光ガイドシステムとして、全国展開を推進していきたい」
事務局長
成田 和夫氏(写真左)
研究主幹
梶 功夫氏(写真右)
お客さまプロフィール
公益財団法人 仙台応用情報学研究振興財団様
宮城県仙台市青葉区錦町1-5-1 N-ovalビル
南三陸町にありながら頑丈な岩盤の高台で一部の被災ですんだ南三陸ホテル観洋は、震災後いち早くボランティアや避難民を受け入れるとともに、被災者でもある従業員がガイドを務める語り部バスの運行を2012年2月より開始。これまで累計6万人以上(※)の宿泊客を被災地に案内している。女将の阿部憲子氏は「被災による瓦礫などが片付けられた後の景色を見て、以前のお客さまは“ここは初めから野原だったんですか”とおっしゃいました。ですが、今はタブレットで被災前の写真と見比べるだけで、何が起こったかを理解してくださる。仙台応用情報学研究振興財団の皆様は、この地を自然災害の学びの場としても発展させていく有意義なシステムを提案してくださいました」と語る。
今回のシステムは、2015年3月に仙台で開催される「国連防災世界会議」において、海外から訪れる約1万人の参加者を被災地に案内するためのプロトタイプとして開発されたという経緯がある。その活用成果をベースに「将来的には東北発の新たな観光ガイドシステムとして全国展開を推進していきたい」と、同財団事務局長の成田和夫氏は夢を語る。多くの観光客が足を運べば復興はさらに加速する。
まずは現地で語り部の言葉に耳を傾け、タブレットに蓄積された震災前後の記憶を体験しよう。すべてはそこからはじまるはずだ。
- 2015年1月15日時点。
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- 導入事例内に表記している金額は、取材当時のものです。





