「5G×8K×VR」が切り拓く、コンテンツビジネスの新たな可能性――「360度8K3D60fpsVRライブ映像配信」実証実験ルポ 「5G×8K×VR」が切り拓く、コンテンツビジネスの新たな可能性――「360度8K3D60fpsVRライブ映像配信」実証実験ルポ

北海道・札幌の冬の風物詩「さっぽろ雪まつり」。2019年2月の第70回さっぽろ雪まつりは、273万7千人の人が訪れるビッグイベントとなりました。多くの人が集まるこのイベントで、NTTドコモ(以下、ドコモ)が開発した世界初の技術「360度8K3D60fpsVRライブ映像配信」技術の実証実験が行われました。コンテンツビジネスにおける5Gの未来が垣間見えた、この実証実験を振り返ります。

273万人が集まる札幌の「冬の風物詩」を「8K3DVR」でライブ配信成功 273万人が集まる札幌の「冬の風物詩」を「8K3DVR」でライブ配信成功

実証実験は、北海道テレビ放送株式会社(以下、HTB)とのパートナーシップのもとに行われました。実験の内容は、大通西8丁目「雪のHTB広場」に設置されたHTB制作の大雪像を、ライブ8K3D60fpsのカメラで撮影し、「雪のHTB広場」内のドコモブース、および東京ソラマチで開催中のドコモの未来体験空間「PLAY5G 明日をあそべ」の会場へ、5Gを活用してライブ映像配信するというものです。

2019年2月3日(日)に行われたイベントのリハーサルで、無事配信に成功。その後も雪まつり会期中に何度か配信を実施し、雪まつり会場や東京ソラマチを訪れた人たちに、高解像度のライブVR映像で雪まつりの様子を楽しみながら、5Gの可能性や未来を感じてもらう機会をつくることができました。雪まつり会場は雪が舞い、時おり吹雪に見舞われ、また気温は常に0℃を下回る厳しい気象条件。その中で実証実験に成功したことは、この技術を今後発展させていく上で大きな経験・財産となりました。

世界初の技術「5G×8K×VR」が新しいコンテンツ体験価値をもたらす 世界初の技術「5G×8K×VR」が新しいコンテンツ体験価値をもたらす

システム構成

今回の実証実験で使用された「360度8K3D60fpsライブ映像配信」。世界初となるこの技術の開発が始まったのは、およそ2年前のことです。2017年の「CEATEC」(毎年10月に千葉県幕張市で開催される、アジア最大級のIT・エレクトロニクスの国際見本市)に、8KVR映像を視聴できる技術を出展しました。この年は、録画・編集した8KVR映像をヘッドマウントディスプレイで体感できる技術を出展し、翌2018年の「CEATEC」に、満を持して5Gでの8KVR映像のライブ配信技術を発表しました。そして2019年には8K3DVR映像を60fpsでライブ配信可能なカメラの開発に成功しました。

8KVR映像を5Gでライブ配信するためには、いくつかのクリアしなければならない技術的な課題がありました。「まず、8K映像を再生できるヘッドマウントディスプレイがありませんでした。そのため、ディスプレイの開発からはじめなければなりませんでした」と話すのは、ドコモ移動機開発部・的場直人。4KによるVRの撮影・視聴のための装置には、すでに商用化されているものがありますが、8Kについては製品が存在しません。そこでディスプレイ、カメラなど撮影から視聴に必要なハードウェアをゼロから開発する必要がありました。

5Gによるライブ配信を実現するためには、さらなる技術開発が必要でした。「9台のカメラを使って360度を3Dで撮影しています。VR映像をつくるために、それぞれのカメラの映像のゆがみを補正し、カメラ同士のつなぎ目が目立たなくなるように修正する『スティッチング』という合成処理をするのですが、ライブ配信では8Kの膨大なデータ量を、リアルタイムに処理・圧縮してサーバーに送る必要があります。そのため画像処理用のハードウェアを開発しました」(的場)。

360度の画像が必要なVRでは、高い解像度が求められます。8Kの持つポテンシャルを最大限に生かすことができ、8Kの効果的な活用が見込める領域です。より高解像度のVR映像は、より高い現実感、没入感をもたらします。人間の目の持っている分解能は21Kに相当すると言われており、高解像度VR映像へのニーズは今後さらに高まると予想される中、いち早く開発に乗り出したドコモの技術が、この分野で世界をリードしていきます。

システム構成

5Gの浸透・活用が広げる新しいコンテンツビジネスの可能性 5Gの浸透・活用が広げる新しいコンテンツビジネスの可能性

ともに実証実験を行ったパートナーであるHTBも、今回の実証実験の結果を高く評価します。「5Gの浸透によってネットでの動画視聴環境が整い、地上波と遜色ないレベルの配信チャネルとして成長してくれるのではないか、そんな期待が生まれました」と話すのは、HTBクロスメディアコミュニケーションセンター・三浦一樹氏。「これからのテレビ局、とりわけ我々のような地方局のビジネスを考えると、地上波で番組を配信し広告で収益を得るという従来型のビジネスモデルだけではない、新しいビジネスモデルの確立が必要になってくると感じています。自社の技術を確立し、自社で完結するようなビジネススキームを立ち上げようとするとき、まず必要になってくるのが、コンテンツの配信基盤です。5Gでネットによる動画視聴の環境が向上することが、そのための第一歩になると考えています」(三浦氏)。

三浦氏が、5Gをはじめとする通信技術を自社事業の中にどう取り入れ、活用していくかを模索していた時に、「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」と出会い、参画したことが、今回の実証実験につながりました。「広告の市場規模は、テレビとインターネットが入れ替わったと言われています。ネットの世界でも、我々が持っている技術やリソースを使って新しくできることがあるのではないか。試行錯誤は必要だが、この状況をチャンスと捉え、動いていきたい。ドコモとのパートナーシップも、そのための取り組みの一つです」(三浦氏)。

企業間連携で加速する5Gがビジネスを、社会を変えていく 企業間連携で加速する5Gがビジネスを、社会を変えていく

雪まつり期間中、「雪のHTB広場」には、「NTTドコモ5G実証実験ブース」がオープンし、8KVR映像の体験のほか、バーチャルキャラクターを使ったリアルタイムコミュニケーションの実験などが行われました。この実験ブースには多くの一般の方が訪れ、5Gへの期待の高さをうかがわせました。「今回5Gをキーワードにすることで、ドコモとのパートナーシップはもちろん、機材面でメーカーが協力してくれたり、『地方創生』をキーワードにバーチャルキャラクターと連携できたりと、通常のビジネスではつながれないような人たちとつながることができました」とHTB三浦氏が話してくれたように、今後、5Gを軸に、様々な企業が連携し、ともに新しいビジネスを創っていく動きがますます加速します。そのことが、やがて社会を変えていくでしょう。5Gがもたらす未来の姿が、少しずつですが姿をあらわしはじめた。その意味で、5Gの未来を体感することができた実証実験となりました。

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