ビジネス ニュース

ビジネスに役立つ情報が満載!「コラム」「漫画で見る」コンテンツを公開中!

経産省が2019年版白書ですすめる令和時代のIT施策

2019年10月4日

経産省が2019年版白書ですすめる令和時代のIT施策

  • facebook
  • twitter
  • line

企業の業績は好調も人材不足が深刻さを増す

経済産業省が例年まとめている「中小企業白書」(以下、「白書」と呼ぶ)の2019年版(*1)が、元号が令和へと変わる直前の4月26日に公表されました。平成最後の白書では、中小企業の現状や課題とともに、課題解決に向けたIT施策について言及されています。以下では、そのなかから注目すべきと思われるポイントを厳選して、ご紹介します。

1:別ウインドウが開きます「2019年版中小企業白書」(経済産業省 中小企業庁)

まずは、中小企業の現状と課題から、ご紹介します。白書によれば、2018年における中小企業の経常利益は、2017年と同様に過去最高水準となったと示されています(図1)。

図1:企業規模別経常利益の経年推移

図1:企業規模別経常利益の経年推移

資料:財務省「法人企業統計調査季報」
大企業:資本金10億円以上の企業
中小企業:資本金1,000万円以上1億円未満の企業
出典:別ウインドウが開きます「2019年版中小企業白書」(経済産業省 中小企業庁)

ただし一方で、人材不足・人材難はますます深刻化しつつあるようです。上の図1では少しわかりにくいかもしれませんが、実は2017年に比べると2018年における中小企業の経常利益は0.6 兆円マイナスになっています。

その要因のひとつとして白書が指摘しているのが人件費の上昇です。売上高は2017年比で伸びているものの、人件費の影響で経常利益が2017年比でマイナスになったというわけです。これは、最低労働賃金の引上げとともに、賃金を上げなければ、人の確保がかなり困難になっていることの表われといえます。

中小企業の人材不足・人材難は、白書の別のデータからも見てとれます。そのデータが下記の図2です。

図2:従業員数299人以下の企業の大卒予定者求人数・就職希望者数の推移

図2:従業員数299人以下の企業の大卒予定者求人数・就職希望者数の推移

出典:別ウインドウが開きます「2019年版中小企業白書」(経済産業省 中小企業庁)

この図のとおり、従業員数299人以下の企業では、2019年大卒予定者の求人倍率は、2018年の約1.5倍である9.9倍にのぼっています。つまり、中小企業の10社の内1社しか、希望する大学新卒者を獲得できない計算になります。

このように人材不足・人材難が続くなか、中小企業における従業員ひとりあたりの労働生産性(付加価値額)も横ばいの状態が続き、大企業との差が開きつつあると、白書では指摘しています(図3)。

図3:企業規模別従業員ひとりあたりの労働生産性(付加価値額)

図3:企業規模別従業員ひとりあたりの労働生産性(付加価値額)

資料:財務省「法人企業統計調査年報」
・大企業:資本金10億円以上
・中小企業:資本金1億円未満
・付加価値額
 ・2006年以前:営業純益(営業利益-支払利息など)+役員給与+従業員給与+福利厚生費+支払利息など+動産・不動産賃・借料+租税公課
 ・2007年以降:上記に「役員賞与」「従業員賞与」を加えた額
出典:別ウインドウが開きます 「2019年版中小企業白書」(経済産業省 中小企業庁)

白書では、こうした課題を解決する一手として、データやIoTなどの活用が有効としています。理由は、これらのIT施策によって、経営や業務の効率を大きく変えられる可能性があるからだといいます。また、そのことを裏づけるために、白書には中小企業の成功事例も併せて記されています。そこで次ページからは、これらの成功事例のエッセンスをいくつかご紹介します。

データ/IoTの活用で難題を解決

最初にご紹介する事例は、従業員30名弱の地域密着型スーパーの例です。

このスーパーでは、人材不足に長く悩まされてきたことから、業務効率化のためにPOSシステムを早くから導入し、販売データを蓄積してきました。そのデータと天気予報などの情報を照合することで、翌日の販売数を予測し、在庫リスクの低減を図ってきたといいます。

データ/IoTの活用で難題を解決

加えて同社では、POSシステムの販売データを使い、「消化仕入れ」と呼ばれる手法も採用しています。これは、実際に販売された分だけ仕入れに計上する方式です。これにより、仕入れ時における納品数のチェックや検品という手間のかかる業務を大きく減らすことに成功しています。さらに、コストのかかるチラシの配布を撤廃し、かわりにポイントカードを導入して、優良顧客の囲い込みも行っています。これら一連の施策によって同社は、地域におけるシェアナンバーワンを堅持していると白書では説明しています。

また、他のIoT活用の成功事例としては、従業員76名の建設用仮設資材のリース会社の例が白書で紹介されています。

この会社では、支店・営業所・工場を全国に展開しているものの、情報共有/コミュニケーションのインフラが整っていなかったことから、支店・営業所から工場の在庫状況を把握するのが難しく、入出庫の管理にかかる手間も非常に大きかったといいます。

この問題を解決するために、同社では、工場にカメラを設置し、その映像をスマートフォンやタブレットから、いつでもどこからでも確認できるIoTシステムを構築しました。その結果、急な顧客からの要望にも対応できるようになり、かつ、リアルタイムの在庫把握によって工場間の在庫の融通も容易になったとしています。さらに同社では、スマートフォンでも利用できるWeb会議システムを導入し、遠隔拠点間でのコミュニケーションも活性化させています。

RPAで業務時間を70%削減

もうひとつ、人材不足の問題解決に有効と期待されるRPA(ソフトウェアロボットによる業務自動化)ツールの導入で、注文処理に要していた業務時間を大きく減らした農業協同組合(以下、農協)の例をご紹介します。これは、経産省の白書に掲載されている事例ではなく、ドコモのお客さまの事例(*1)です。

*1 参考別ウインドウが開きます手書き注文書のシステム入力を「WinActor」で自動処理(下関農業協同組合様)

RPAで業務時間を70%削減

この農協では、農業用肥料や資材などを約3万人の組合員向けに受注販売しており、組合員から受ける注文書の処理に多くの手間と時間をかけていました。というのも、受取った注文書を、オペレーターが一件ずつパソコンで手入力していたからです。そこで、農協は、このデータ入力作業を効率化するために、ドコモが提供するRAPツール「WinActor」を導入したのです。WinActorの導入効果はすぐに表れ、これまで8時間ほどかかっていた入力作業が2時間で完了するようになったといいます。また、RPAツール(ソフトウェアロボット)にデータ入力を行わせるために、注文書の書式を統一する必要がありましたが、その書式変更が注文のしやすさにつながり、結果として、受注数量が前年比で20%アップするという副次的な効果も手にしています。

このように、データ分析やIoT、RPAといったITの活用は、その推進によって業務の手間を減らせるだけではなく、顧客サービスの充実や顧客対応のスピードアップなど、売上向上の施策の強化にもつなげられる可能性があります。人手不足がビジネスの足かせになっていると感じたならば、これらのITの導入・活用について検討してみてはいかがでしょうか。

  • facebookfacebook
  • twittertwitter
  • line

お問い合わせ

メールでのお問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

ドコモ・コーポレートインフォメーションセンター

0120-808-539

携帯電話・PHS OK

受付時間:平日午前9時~午後6時(土・日・祝日・年末年始を除く)

  • 海外からはご利用になれません。

このページのトップへ