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生産性泥棒との戦いシリーズ第四弾:習慣 V.S. プレッシャー

2020年5月28日

生産性泥棒との戦いシリーズ
【第四弾】
習慣 V.S. プレッシャー

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どれほど生産的な習慣であっても、始めたばかりの習慣というのはプレッシャーに弱いものです。新しい習慣を続けられるようにするコツは、実は自分より大きなものに目を向けることにあります。

この記事は「生産性泥棒との戦い」シリーズの第四弾です。このシリーズでは、最高のパフォーマンスを発揮するのを妨げる習慣や要因のことを生産性泥棒と呼んでいます。過去の記事では、第一弾で集中力が切れること、第二弾で決断疲れ、第3弾で悪習慣との決別について取り上げました。

別ウインドウが開きます【コラム:生産性泥棒との戦いシリーズ第一弾:集中力が切れることを防ぐには】 別ウインドウが開きます【コラム:生産性泥棒との戦いシリーズ第二弾:決断疲れとの付き合い方】 別ウインドウが開きます【コラム:生産性泥棒との戦いシリーズ第三弾:悪習と決別する方法】

最近、皆さんが何か新しく始めた習慣はありますか? 例えば毎日散歩に行くことや、毎週ジムに行くことを決意した方はいらっしゃいますか?

私たちは皆、より良い生活をするために、生産的な習慣を身につけようと努力しています。しかし、仕事が忙しくなったり、大きなストレスがかかる出来事があったりすると、決めたことを続けるのが難しくなり、習慣が崩れてしまうことも珍しくありません。

そこで今回は、生産的な行動を長く続けていくコツをご紹介したいと思います。これまでの記事で紹介してきた生産性を高める行動の習慣化にぜひお役立てください。

それでは、習慣化に挫折しないためにはどうすればよいのか早速見ていきましょう。

なぜ習慣が崩れてしまうのか?

新しい習慣というのはまだまだ不安定で、最初は順調に進んでいても、ちょっとしたことで崩れやすいものです。なぜかというと、人はストレスがかかるとつい、以前の慣れた行動に戻ってしまうためです。これは誰しも経験があることで、世界を舞台に活躍する人たちも例外ではありません。

2000年シーズンのタンパベイ・バッカニアーズ(米国の NFL チーム)が良い例でしょう。当時ヘッドコーチだったトニー・ダンジー氏は、選手たちの行動を変え、より良い習慣を身につけさせることで、負け続きだったチームをスーパーボウル出場へあと一歩というところまで導きました。

しかし、惜しくもスーパーボウル出場は逃してしまったのです。それはなぜでしょう?

以前の記事でも触れた『習慣の力』の著者であるチャールズ・デュヒッグ氏は、大きなプレッシャーがかかった試合で、選手たちが昔の行動に戻ってしまったからだと指摘しています。

コーチのトニー・ダンジー氏は当時のことをこう述べています。「大舞台を前にして、練習してきたことがすべて水の泡になった感じだったね。選手たちは後から『どうしても負けられないプレーだったから、慣れたやり方に戻ってしまった』と言っていたが、それはつまり、これまで新しいシステムを信じてやってきたのに、大勝負のプレッシャーで信じる気持ちが崩れてしまったということにほかならないよ」

最も重要なのは「信じること」だとチャールズ・デュヒッグ氏は言います。自分のパフォーマンスが命運を左右するような時でも、新しい行動がうまくいくという信じることが大切なのです。では、強く信じられるようにするには、どうすればよいのでしょう。

新しい習慣を信じる方法

結論から言えば、同じような意思をもったグループに参加するのが一番です。

チャールズ・デュヒッグ氏によると、グループからのサポートがあると新しい習慣を身につけやすいことが調査からもわかっています。カリフォルニア大学バークレー校では、アルコホーリクス・アノニマス(AA: アルコール依存者の自助グループ)における集団力学について調査を実施しました。調査を行った研究者のリー・アン・カスクタス氏はこう言います。「自分が変われることを信じられなくなったとき、グループのメンバーがその不信を拭い去ってくれるのです」

また、グループに属することで、自分以外のものに目を向けることができ、それが結果として生産的な行動を身につけるのに役立つこともあります。前述のコーチ、トニー・ダンジー氏は、タンパベイ・バッカニアーズではスーパーボウルでの優勝を果たすことはできませんでしたが、2007年にインディアナポリス・コルツで優勝しています。

実はその2年前にダンジー氏は私生活で悲劇に見舞われていました。2005年に息子さんを亡くされたのです。しかし、この出来事をきっかけに、チームメンバーは自分の利益だけを考えるのではなく、コーチの幸せとチームの結束にフォーカスするようになりました。

メンバーの一人はこう述べています。「それまでのシーズンは自分の契約や年棒のことばかり気にしていた。でも葬儀が終わってコーチが復帰してきたとき、自分の持てるすべてをコーチに捧げたいと思ったんだ…自分よりもチームのためにってね」

メンバーがチームのことを第一に考えるようになったことで、チーム内に信じる気持ちが生まれ、優勝につながりました。この例は、行動の習慣化において、重要な教訓を与えてくれています。自分自身の利益より大きな目的に目を向けることで、行動が習慣化しやすくなるという点です。

生産的な行動をしっかり定着させるには?

自分自身を信じ、新しい習慣を信じることで、意思の力が高まり、大きなプレッシャーがかかる状況でも新しい習慣を続けられることがわかりました。では、具体的にはどう実践すればよいのか見ていきましょう。

1. 自分に話しかける
「え、自分に話しかけるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は無意識にやっている人も多いはずです。飲み物をこぼした時に「あ、バカ」と言ったり、遅刻したときに「私ってダメだなあ」と言ったりしていませんか?
ペンシルバニア大学の心理学者デヴィット・サウワー氏によると、中立的な表現を使って自分に話しかけることでセルフイメージを高めることができるそうです。また「私」の代わりに名前を使うと、自分のことをよりポジティブな目で見ることができることもわかっています。自分に対して否定的な言葉をかけるのをやめると、自分自身でかけているプレッシャーを軽減することにもなります。
ですから「ジムをサボる怠け者の私には価値がない」と言うかわりに、「[自分の名前] は今日は仕事に集中しているのでジムをお休みした。明日行けば大丈夫」と言うようにしましょう。これを続けることで、厳しい状況に置かれたときにも自分のことを信じることができます。ぜひ自分にポジティブな言葉をかけてください。

2. 否定的な人を避ける
他の人のネガティブな言動を嫌だなと思うことはありますよね。実は人間には、嫌だなと思っていても、そうした言動をいつの間にか自分でもやってしまう傾向があるそうです。
心理学者エレイン・ハットフィールド氏とジョン・カチョッポ氏の調査によると、人間は他の人のボディ・ランゲージや顔の表情、言葉の選択を真似ることがよくあり、特に言葉の選択はネガティブな言葉であるほどその傾向が強いそうです。
生産的な行動を長く続けるためには、他の人のネガティブな言動に影響されないようにしましょう。
ネガティブな関係をすべて断ち切るのは現実的ではありませんが、そうした人との接触を最小限に抑えることはできます。特に皆さんがストレスを感じるような状況で、相手が新しい習慣をけなしたり、邪魔したりするような場合にはなるべく接触を避けましょう。

3. 仲間をつくる
たとえば、毎日本を読むことや決断疲れしないこと(ドコモサイト第二弾記事へのリンク)を習慣にしたければ、読書会に参加してみましょう。タバコをやめたければ、一緒に禁煙できる人を見つけましょう。
同じ目的を持つ仲間とつながることは、新しい行動を定着させる最高の方法です。行動がいったん習慣化すれば、予期しない出来事に直面したときも、それほど大きな努力を要せずに続けられるようになります。
心理学者のリー・アン・カスクタス氏は、これについて「グループの一員であること、経験を共有することには何か大きな力があります。コミュニティが信じる気持ちをつくるのです」と述べています。

4. 自分のことだけでなく周囲への影響を考える
皆さんはどんな生産的な行動を身に付けたいと思っていますか? 先延ばしにするクセをやめたい、集中力を高めたい、健康的な食生活をしたいなど、いろいろあるでしょう。
皆さんがその習慣を身に付けられた時、その恩恵を受けるのは皆さん自身だけではありません。お子さんやパートナーはどうでしょう? 仕事で接する同僚や上司や顧客は? 習慣を続けるのが難しく感じたら、周囲の人のことを思い浮かべましょう。
チャールズ・デュヒッグ氏はアルコホーリクス・アノニマス(AA)を観察した結果、ごく小さな自己犠牲が人生を変えるような大きな変化をもたらすことに気づいたそうです。 元アルコール依存症の方が、AAのミーティングでこう語っています。「ある時、椅子を片付けるのを手伝ってくれる人はいないかと言われたんです。私は手を上げました。5分ほどしかかからない小さなことでしたが、自分以外のために何かをしたことでとても良い気分になりました。この経験が、回復への分かれ道だったような気がしています」

最後に、第一弾の記事で紹介した考えに立ち戻りましょう。それは「すでに持っている知識を実践する」ことです。皆さんは自分がどのような課題に直面しているかすでに知っています。そして、生産性を高める行動を習慣するためのコツも学びました。ぜひ、これらを生かして最高の自分を実現してください。

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【Evernote寄稿記事/著者:David Perez】

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