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便利な「BYOD」。しかしリスクとデメリットもある

2020年7月22日

便利な「BYOD」。しかしリスクとデメリットもある

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私用のスマホを業務利用する「BYOD」。業務用にも転用するメリットもある一方、デメリットやリスクもあります。それぞれについて見ていきましょう。


1. 私物スマートフォンを有効活用する「BYOD」

BYODという言葉を目にしたことがある人は多いでしょう。BYODとは、「Bring Your Own Device」の頭文字を取った言葉で、個人が所有するスマートフォンなどのモバイル端末を業務で利用することを指します。「私物端末の業務利用」などとも言います。BYODはビジネスでモバイル端末を有効活用する際の一つの有効な選択肢の一つになります。

総務省の『平成30年 通信利用動向調査』によると、国内における個人のモバイル端末の保有率は2018年時点で84.0%に上ります。これは全年齢層の数字ですから、ビジネスの現場で活躍する世代に限れば、ほぼすべてがモバイル端末を保有していると考えて良さそうです。また、スマートフォンの保有率は、2016年の56.8%、2017年の60.9%から、2018年には64.7%へと高まっています。多くの人が保有しているスマートフォンを、ビジネスに活用しない手はありません。

日本で携帯電話が本格的に普及し始めたのは1990年代後半からですから、すでにフィーチャーフォンを従業員に貸与している会社は多いでしょう。ですが、より便利な私物のスマートフォンが手元にあるなら、情報の検索やメールやメッセージのやり取りに利用したいと考えるのは当然です。こうした私物スマートフォンのビジネス利用について、企業で一定の利用ルールを定め、ビジネス利用に相当する分の費用を負担する(公私分計と言います)ことで、正式に認める利用法がBYODです。

BYODによってスマートフォンなどの私物のモバイル端末をビジネス利用に転用することで、企業、従業員の双方にメリットが生まれます。企業にとっては、モバイル端末の購入、維持の費用が削減できます。利用者である従業員にとっても、会社から貸与されたものではなく、使い慣れた自分のスマートフォンが使える点はメリットといえるでしょう。

とはいうものの、日本では欧米各国に比べてBYODはあまり一般的ではないのが現状です。総務省の『ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究』(平成30年)によれば、企業による「BYODの許可」は米国が23.3%、英国が27.8%、ドイツが27.9%であるのに対して、日本は10.5%と低い水準にとどまっています。

図:各国企業が導入しているICT

日本生産性本部が発表している『労働生産性の国際比較』によると、日本の就業者1人あたりの労働生産性は36カ国のOECD加盟国中で21位、G7の中では最下位となっている

欧米各国と日本の企業が導入しているICTを比較すると、日本における「BYODの許可」は欧米と比較して低いことが分かります。
出典:総務省『ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究』(平成30年)を基に作成

BYOD導入はリスクやデメリットにも注意

欧米各国と比べてBYODの導入率が低い日本ですが、業務に私物のモバイル端末を利用することから生じるリスクやデメリットもあります。BYODの導入は、そうした点も把握した上で検討すべきでしょう。

代表的なリスクは、セキュリティ関連のものです。各従業員がプライベートで利用しているということは、業務外の時間であっても常時携行することから、盗難や紛失の可能性もそれだけ大きくなります。近年ではスマートフォンを狙う悪意あるソフトウェアの「マルウェア」が多く発見されていますが、私物のスマートフォンでは各種サイトへのアクセスについても制限をかけることは難しく、そうしたマルウェアへの対策が十分にされているとは限りません。

企業からスマートフォンを貸与するのであれば、管理ツールとセットで導入することで、紛失や盗難時に顧客情報や社内機密が流出する可能性を低減できます。一方、BYODでは業務利用するといっても私物ですから、企業側ですべてを管理することはできません。

盗難や紛失によるモバイル端末からの情報漏洩のリスクに対して、遠隔操作で端末内部の情報を消去できる設定や手段を講じていないことも多いでしょう。従業員が退職した後も、顧客の個人情報や業務の機密情報が残ったまま、企業側でデータ消去などを行うことはできません。BYODの運用ルールを厳しくすれば、こうしたリスクは減りますがゼロにはなりません。使い勝手が悪くなるようでは、BYODを導入する魅力が減り、例え2台持ち歩くことになっても、私用と業務用のスマートフォンは別々にしたいという意見が従業員から出る可能性もあります。

セキュリティを保ちながらBYODの利用をサポートするソリューションも提供されていますが、運用・管理にはコストがかかります。BYODの一つのメリットであるコスト削減の効果が相殺されてしまうかもしれません。

デメリットとしては、公私分計の手間が挙げられます。通話料金、パケット料金を業務用と私用に分けて企業と従業員で分担する方法はいくつかありますが、厳密にしようとすればするほど精算業務は煩雑になります。かといって、一定料金を企業が負担するという方法では不公平感が生じる場合もあります。

魅力的に見えるBYODでも、リスクやデメリットを理解して導入しなければ、さまざまな問題を抱える可能性もあります。スマートフォンをビジネスで利用する方法としては、BYODのほかに会社から貸与する方法もあります。端末費用やランニングコストを企業が負担することになる一方で、あらかじめ情報セキュリティ対策を施したスマートフォンが利用できます。企業の内線電話としてスマートフォンを利用すれば、通信コスト削減や社内外のコミュニケーションの円滑化にもつながります。

BYODと会社から貸与する方法には、それぞれのメリット、デメリットがあります。企業のビジネスの形態やセキュリティポリシーなどによっても、どこに重点を置くかは変わります。そうした要件を検討し、適切なスマートフォン利用環境を用意することが、企業にとっても従業員にとっても働きやすく効率的な職場を作ることにつながるのです。

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