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食中毒の原因は飲食店がワースト1位。どう回避すれば良いか?

2020年9月14日

食中毒の原因は飲食店がワースト1位。どう回避すれば良いか?

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2018年に食品衛生法が改正され、2020年6月より、すべての食品関連事業者に、食品の安全確保のための国際的な管理手法「HACCP」の導入が義務付けられることになりました。この「すべての食品製造事業者」の中には、レストランや居酒屋など飲食店も含まれています。飲食店には、HACCPの対象になるべき“ある理由”が存在するからです。


1.食中毒の原因は、半分が飲食店である

悲しい話ですが、飲食店は食中毒の発生源としてワーストとなっています。

厚生労働省の食中毒に関する調査(※1)によると、食中毒が起こった場所の1位が「飲食店」(54.3%)でした。これは2~3番目に多い「家庭」(12.3%)、「販売店」(8.0%)と比べても、突出した数値となっています。実際にこの年には、ハンバーガーチェーンで腸管出血性大腸菌(O121)、寿司チェーンで腸炎ビブリオが発生するなど、飲食店をきっかけとする感染が起こっています。

(※1)別ウインドウが開きます厚生労働省「平成30年食中毒発生状況(概要版) 及び主な食中毒事案」

厚生労働省「平成30年食中毒発生状況(概要版) 及び主な食中毒事案」より

別ウインドウが開きます厚生労働省「平成30年食中毒発生状況(概要版) 及び主な食中毒事案」より

過去の例をみれば、2011年に焼き肉チェーン店で来店者181人が腸管出血性大腸菌(O111)に感染、うち5人が亡くなるという痛ましい事件も起きています。

食中毒は、年間を通じて感染例が報告されています。冬場に猛威を振るうノロウイルス、春から夏にかけては、サルモネラ属菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、病原大腸菌、ブドウ球菌といった細菌性のものまであります。

もし飲食店で食中毒が起きてしまった場合、営業停止処分を受けることになります。それだけではなく、感染した来店者への見舞金や賠償金、さらに再開後の来店者の減少など、経営的に大きなダメージを受けることになります。

HACCPは、こうした食中毒の恐怖から、飲食店を守る一助となる存在なのです。

2.飲食店はHACCPをどのように導入すべきか?

HACCPは、食品関連事業者が食中毒菌汚染や異物混入などの危害要因(ハザード)を把握し、原材料の入荷から製品の出荷までの全工程で、危害要因を除去する工程を管理することで、製品の安全性を確保する手法です。

HACCPはこれまで、主に食品製造業の事業者に向けて推進されてきた経緯がありますが、改正食品衛生法では飲食店もHACCPの導入が義務付けられることになります。たとえ個人経営の飲食店であっても、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」が求められています。

それでは、飲食店では実際にどういうことをすればよいのでしょうか。ほとんどの飲食店が衛生管理の「見える化」のために実施すべきなのは、「衛生管理計画の作成」「計画に基づく実施」「確認・記録」の3点です。

具体的には、手洗いや調理器具の洗浄、トイレやフロアの清掃、従業員の健康管理など、現在実施している一般衛生管理項目と、提供するメニューや作業工程に応じた重要管理項目を明確にした衛生管理計画を作成します。それを実施し、記録に残すといった一連の作業が求められます。

もちろんこうした作業には手間がかかりますが、衛生面での意識が低い従業員に対し、食品衛生の重要性を共有するためには、重要な作業となります。万が一、事故が起きた場合でも、衛生面での管理が徹底できていれば、原因が店側にないことが証明できる可能性もあります。

公益社団法人日本食品衛生協会では、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」(※2)を用意しており、衛生管理計画作成のための手順やチェックリストなどの情報を提供しています。

(※2)別ウインドウが開きます公益社団法人日本食品衛生協会「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」

3.危険な温度「10~60度」を避けるためにIoTを活用しよう

従業員の教育も重要ですが、提供する食品の「温度管理」も、HACCPでは大切な要素となります。厚生労働省では、「HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた食品衛生管理の手引き[飲食店編]」(※3)にて、提供する食品のメニューを、食中毒の元となる微生物が増殖しやすい危険温度帯(10~60度)に長時間置かないように提言しています。

(※3)別ウインドウが開きます厚生労働省「HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた食品衛生管理の手引き[飲食店編]」

さらに、メニューを「加熱しない」(刺身、サラダなど)、「加熱してすぐ提供」(ステーキ、天ぷらなど)、「加熱・冷却を繰り返す」(スープ、カレーなど)の3つのグループに分類することで、管理が簡単になると指摘しています。

たとえば「加熱しない」メニューは、洗浄殺菌ができない食品が多いため、必ず10度以下で保存し、調理する場合は必ず手を洗うこと、「加熱・冷却を繰り返す」メニューは、加熱後、ゆっくり冷ますと生き残った細菌が繁殖する恐れがあるため、調理後は一気に10度以下に冷ます必要があるといいます。

こうした食品の適切な温度湿度管理には、手作業で計測し、チェックをするという手段もありますが、IoTの技術を用いて、自動で温度を計るシステムを導入すれば、温度のチェック作業が自動化できます。たとえば、店舗を離れている時でも、リアルタイムで温度の監視・管理が可能になります。数値データを「見える化」し、継続的に記録に残すことで、食中毒のリスク軽減ができるのです。

HACCPの考え方を導入するには、何も大掛かりな設備投資や、認証の取得などは必要ありません。日本食品衛生協会など公的な機関が提供する資料や、IoTなどのサービスを活用すれば、たとえ大規模なレストランでも、小規模な飲食店でも、導入は可能です。一度食中毒が発生してしまうとそのリスクははかりしれません。食中毒リスクを軽減するためにIoTは有効な選択肢の一つとなるはずです。

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