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勘・経験・度胸に「IoT」を足せばもっと現場はよくなる

2020年10月15日

勘・経験・度胸に「IoT」を足せばもっと現場はよくなる

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日本はこれまで“ものづくり大国”として成長してきました。しかし、多くの現場では、熟練者のKKD(勘・経験・度胸)に頼ってきたため、ベテランの引退とともに、日本のものづくりも限界を迎えてしまうかもしれません。この限界を乗り越えるためには、「KKD」に「IoT」をプラスすることが重要です。


1.日本の製造業を支えてきた「KKD」の功罪

日本の国内GDPにおける製造業の割合は、現在も約2割を占めています(2020年版「ものづくり白書」より)。それを支え続けてきたのは、間違いなく優れた技術力を持った日本の職人たちです。KKD(勘・経験・度胸)に裏打ちされた精度の高いモノづくりは、日本の誇りといえるでしょう。しかし、そんな日本の製造業を取り巻く状況は刻々と変化しています。新興国の台頭や、国内市場の縮小もさることながら、前述の「ものづくり白書」によると、世界各地の異常気象や自然災害、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大など、不確実性の高まりが、わが国の製造業に悪影響を及ぼしているとされています。

一方で、新型コロナウイルス感染拡大を受け、工場の国内回帰のトレンドも生まれているため、改めて競争力を磨きなおす必要があるといえるでしょう。こうした現状に対応するために、企業も既存のビジネスを変えていく必要がありますが、残念ながら製造の現場では、コスト削減や納期短縮、品質改善、就業人口の減少による人手不足といった経営課題が山積し、疲弊しているのが現状です。特に人手不足は深刻な課題としてのしかかっており、2019年版「ものづくり白書」では、日本企業の約95%で技能人材が不足していると試算されています。さらに、職人の高齢化と、その職人が持つ技術・技能の伝承という面においても、大きな課題があります。KKDを伝承する人材がいない、人材がいても技術・技能伝承がうまくいかず、そうこうしているうちに職人や熟練工が退職してしまい、作業や製品の質が落ちてしまうという問題が起こっているのです。個人が長い年月をかけて培ったKKDは、簡単には伝わりません。たとえ技術・技能の伝承がうまく行われたとしても、人の勘や度胸といったようなKKDへの依存は、ミスを繰り返したり、大きな事故の発生につながりかねません。人材を確保し、ベテランから若手に、人から人へと定性的に教えるという昔ながらのやり方は、徐々に通用しなくなっているのです。

2.熟練者のKKDはIoTで伝承する

それでは、どうすれば製造業は変えられるのでしょうか? その答えの1つが「IoT」です。政府は現在、製造業においてIoTを活用する“スマートものづくり”を推進しており、導入する企業が増えています。IT専門調査会社 IDC Japanの調査では、2019年の産業分野別IoT支出額は、「製造オペレーション」と「製造アセット管理」の2つが突出しており、製造業のIoT支出額が大きいことが分かります。

熟練者のKKDはIoTで伝承する

別ウインドウが開きます2020年4月 IDC Japan「国内IoT市場産業分野別予測とユースケース別の事例考察を発表」より

たとえば、ビデオカメラで人の手足や姿勢、動き方を撮影し、それを記録・分析する「モーションキャプチャ」も、製造業におけるIoTの活用例のひとつです。研磨作業や溶接作業の伝承に生かされています。さらに、手足の動きより目の動きが鍵になる「目視検査作業」を伝承するために、熟練者の視点を記録できる「視線計測装置」も活用されています。2016年にはIoTを活用したメガネ型の視線計測装置が開発されており、目視検査作業の技術・技能伝承の記録・分析に役立っています。このように、熟練者のKKDにIoTを付加すれば、職人の繊細な感覚に基づくKKDをデータ化でき、言葉で伝えづらかった技術や技能を、次の世代にうまく伝えることができるようになります。人材育成を短期化するという面から考えても有効といえるでしょう。

3.KKDのデータ化が、製造業の生産性を高めていく

たとえば機械の稼働状態を、目視ではなくIoTでチェックすれば、生産ラインのどこに非効率な箇所があるのか、どこに問題点や原因があるのかを洗い出し、生産ラインをより効率化できます。不具合が起きた場合も、データに基づいた対策を立てやすくなるため、従業員の負担も軽減されます。現地現物が重要であることは変わりませんが、その際にバックデータとなるIoTデータがあればより早く確実に問題点を把握することができるようになります。IoTを新規で導入するとなると、コストを心配する企業も多いかもしれません。しかし、機器の稼働チェックに使用するといったシンプルなIoTであれば、大規模な工事が不要なため、コストも抑えられます。中には、既存の製造設備に“後付け”で取り付けるだけで、データが簡単に取得できるものもあります。このようなIoTであれば、少ない投資で効果が実感できるでしょう。環境が刻々と変化する時代に、製造業を継続していくためには、IoT の導入は有効な手段の一つといえます。熟練者が健在なうちにKKDをデータ化し、次世代に伝えることで、生産性が向上、さらには従業員の満足度の向上にもつながっていくはずです。

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