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どうすればIoTで工場をデジタル化できるのか?

2020年10月15日

どうすればIoTで工場をデジタル化できるのか?

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デジタル技術が日々進展する現代は、「第4次産業革命」と呼ばれる産業構造の変革が起きている真っ最中です。各産業とも、新たなビジネスモデルの構築が求められていますが、日本のモノづくりを支えてきた中小製造業も例外ではありません。今回は中小の製造業が、IoTの導入でビジネスを変革する方法を考えてみましょう。


1.約9割の企業がIoTに取り組んでいない!?

日本の国内総生産に占める製造業の割合は約2割を占めており、基幹産業の一つとなっています。一方で、少子高齢化による国内市場の縮小や労働人口の減少に伴う人材確保など、解決すべきさまざまな課題に直面しています。さらに、「withコロナ」の社会状況下で、製造現場においても不確実性の高まりは加速しており、環境の変化への対応力も求められています。こうした状況を見据えながら生産性の改善や、企業の競争力アップ、限られた予算や人手での業務の効率化といった経営課題に取り組まなければならないのが現状です。その切り札として注目されるのが、生産状況を可視化し、必要なデータをリアルタイムで取得・分析できるIoTといったデジタル技術の活用です。とはいえ、まだまだIoTの導入はそれほど拡がっていません。日本政策金融公庫総合研究所の「IoT時代にサービスで新たな付加価値創出に取り組む中小製造業」(2018年)によると、中小製造業のIoTに関連した設備投資の実施状況に関する問いで、「実施しておらず、予定もない」が55.9%を占めています。さらに、「未定」も33.4%となっており、実に9割近くの企業が、IoTへの取り組みを行っていないということになります。

約9割の企業がIoTに取り組んでいない1

別ウインドウが開きます2018年 日本政策金融公庫 総合研究所「IoT時代にサービスで新たな付加価値創出に取り組む中小製造業」より

中小製造業において、デジタル技術導入が進まない背景にはどんな理由があるのでしょうか。「実施しておらず、予定もない」および「未定」と回答した企業においては、「活用できる業務がわからない」(56.5%)、「IoTを使う人材の確保・育成」(42.8%)、「売上、経費などへの効果がわからない」(41.8%)が多く挙がっていました。つまり、何を目的にIoTを導入すべきなのか、明確な経営戦略が描けていないことが阻害要因となっています。

約9割の企業がIoTに取り組んでいない2

別ウインドウが開きます2018年 日本政策金融公庫 総合研究所「IoT時代にサービスで新たな付加価値創出に取り組む中小製造業」より

2.すでにIoTを導入した企業は、どう活用しているのか?

前述したように、中小製造業へのデジタル技術導入はまだまだ進んでいるとは言い難い状況です。しかし、実はIoTを導入して成果を上げている企業は少なくありません。実際にどのような形でIoTが導入されているのか、いくつか実例を見てみましょう。プレス加工を手掛けている金型メーカーでは、工作機械に振動状況を観測するセンサーを設置、正常に稼働しているかを常時モニタリングし、音センサーを装着しプレス音から異常を検出すると、担当者に通知するシステムを採り入れています。機械の不具合で突発的に生産が止まってしまうダウンタイムを極力減らすことで、生産性の向上を狙っています。可食プリンターと専用インクを製造・販売する会社では、販売するプリンターにセンサーを搭載し、顧客の稼働状況をリアルタイムで把握することで、故障原因の特定や消耗品の適切な提供を可能にしています。これまでは保守要員が定期的に巡回していましたが、そのコストが削減できました。さらに、不具合を早期発見し、生産ラインへの影響を抑えることで、顧客サービスの向上にもつながりました。

3.事前にIoTの導入~活用までの道のりを描いておこう

「工場にIoTを導入すればメリットがある」といわれても、どうやって導入すればわからないという企業も少なくないはずです。それでは、どのような経営戦略を用意すれば、IoTが活用できるのでしょうか。経済産業省中国経済産業局が作成した「中小企業IT/IoT導入ロードマップ」(※)を参考に見ていきましょう。

(※)別ウインドウが開きます経済産業省 中国経済産業局「中小企業 IT/IoT導入ロードマップ」

まず、着手すべきが「検討体制・計画の立案」です。社内で検討リーダーやメンバーを選定、それぞれ担当する作業分担について話し合った上で、IoT導入に向けて無理のない期限を設定し、スケジュールを立てます。次に「問題提起・課題発掘」を行い、導入目標を設定していきます。これは製造現場など関係部門へのアンケートやヒアリングなどをもとに、問題点やニーズを把握し目標を設定する「ボトムアップアプローチ」と、すでに自社で掲げている経営目標の中からIoT導入で効果が期待できるものを選定し、関係部門から挙げられた課題と整合させていく「トップダウンアプローチ」の2つの方法があります。いずれの場合も、幅広い意見を集め、問題点を徹底的に洗い出すことがポイントとなります。

そして、課題の分析に基づいて、導入目標を設定します。経営力強化のためのコスト削減、市場からの信頼性向上を目指した品質改善、顧客へのサービス対応としての納期短縮、業務の効率化による働き方改革……といったように、導入目標を具体化することで、その目標に即した課題の抽出が可能になります。課題の抽出作業においては、たとえば品質改善が目標であれば、製造の作業工程から製品完成後の検査まで、一貫した流れの中でどこにボトルネックがあるのかを見極めた上で、解決策の検討に着手します。さらに、解決策で必要となる情報やデータ、その処理法、IoTを活用するための通信環境なども把握しておきます。

上記を踏まえて、IoT導入構想書を作成し、IoTベンダーに情報提供を依頼、その回答を受けて「導入効果・費用対効果試算」を行います。費用対効果の分析は、導入によってもたらされる経済効果を費用に換算し、IoTへの投資を何年で回収できるかを判断します。現在は多くのベンダーから、製造業に特化し、設備投資の予算も抑えたIoTのパッケージが用意されており、導入へのハードルも下がっています。もし、専門的な知識が不足していることが原因で、IoTの導入が遅れてしまうことが懸念される場合には、導入の検討段階からIoTベンダーや行政機関の専門家のアドバイスを受けることも可能です。中小企業だからといって、第4次産業革命の波にただ飲み込まれてはいけません。IoTを活用すれば、むしろその波に乗って、ビジネスを良い方向へ変えていくことも可能なのです。

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