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第五回
NTTドコモアグリガール旋風が全国を翔け巡る!

一次産業の現場に深く入り込んで顧客のニーズを把握し、ICTによる課題解決の「場」を提供してきた「NTTドコモアグリガール」の活躍と「IoTデザインガールプロジェクト」として他企業・自治体に波及する活動へと発展した経緯を紹介します。

はじめに

「IoTデザインガールプロジェクト」は、2017年7月に発足した、総務省の「地域IoT官民ネット」の1つのプロジェクト。このプロジェクトは、NTTドコモ(以下、ドコモ)内で誕生した「NTTドコモアグリガール(以下、アグリガール)」が派生、拡大した取組みです。

今回は、アグリガールがドコモ内に収まることなく、日本各地の企業、自治体の女性たちが参加する一大プロジェクトに発展するまでの経緯を紹介します。

「NTTドコモアグリガール」とは?

もともと「アグリガール」というのは、ドコモの法人営業部門でスタートとした、農業現場のICT化を推進する女性営業メンバーのこと。2014年11月に女性社員2名での農業ICTプロジェクトチームとしてスタートしました。ドコモが農業分野への取組みを強化しようとしたきっかけは、国にとって重要な産業であるにもかかわらず、ICT化が進んでおらず、貢献できる余地が大きいと判断したからです。農業従事者にメリットがある付加価値サービスを提供することで、多くの人にスマートフォンやタブレットを利用してもらいたいと考えました。また、活動当初は先行するITベンダーが多数存在したため、後発であるドコモは、自らソリューションを開発するよりも他社が持つソリューションが集まる「場」を提供すればよいのではないかとも考えました。

アグリガールが取組む農業IoT

2名の立ち上げメンバーがはじめに展開したのは、畜産農家と母牛を支援する「モバイル牛温恵(ぎゅうおんけい)」という畜産IoTソリューション。大分県別府市のベンチャー企業・株式会社リモート(以下、リモート)が開発したソリューションで、母牛が分娩する24時間前に畜産農家にメールで知らせるものです。これまで、出産待機で連日寝泊まりすることから解放され、かつ一定頻度で発生していた分娩事故が減少するなど、農家がこれまで抱えていた問題を解決することができました。そして「モバイル牛温恵」の販売・運用にあたっては、JAグループ・リモート・ドコモの3者でのエコシステムも構築しました。

図1 一次産業向けIoTソリューション

その後、稲作IoT、水産IoT(図1)、そして観光IoTなど、畜産から対象分野を拡げて、全国の支社・支店のメンバーが加わり、3年足らずでアグリガールは130名に拡大しました。ちなみにアグリガールは、正式な社内組織ではなく挙手方式になっていて、前向きで熱意のあるメンバーが集まってきます。多くのお客さまやパートナーに出会い、持ち前の共感力で知識や体験を得て、一緒にビジネスエコシステムを創る力を発揮します。また、かつてのアイドルグループの「おニャン子クラブ」を参考にナンバー制となっていて、おニャン子世代が多いお客さまからの受けも良好です(写真1)。

写真1:『農業からあらゆる産業をIoTでつなぎまくる、NTTドコモアグリガールの突破力』(2017年12月 日経BP社刊)

「アグリガール」から「IoTデザインガール」へ

アグリガールによる農業ICTプロジェクト活動は、これまで一次産業においてICTに関心のなかった人々に広く理解されることになりました。そしてこの活動は、一次産業の枠を超えて地域が抱えるさまざまな課題に関する相談も受けるようになり、ドコモ内ではR&D部門も連携し、2017年度から「IoTデザインガール」としての活動をはじめました。

ドコモを超えた「IoTデザインガール」

IoTデザインガールは、新たな展開をはじめました。アグリガールのこれまでの活動内容が総務省の目にとまり、2017年7月11日に設立された「地域IoT官民ネット」の1つのプロジェクトとして連携することになりました。この「IoTデザインガールプロジェクト」は、企業や団体の枠を超えて、日本でIoTの普及促進に取組む女性を育成するプロジェクトです。設立総会には、IoTデザインガールの活動に賛同した、通信事業者、生命保険、流通、旅行などのさまざまな企業、そして自治体など約40の企業・団体から選出された第1期メンバーが集まりました(写真2、図2)。

写真2 IoTデザインガールたち
図2 IoTデザインガールイメージ

IoTデザインガールがめざすもの

「IoTデザインガールプロジェクト」は「“社会課題に対して、IoTやAIなどの先進技術を活用して、どんなことができるか?”をデザインし、ストーリーを組み上げてわかりやすくつたえる女子!」「企業や自治体をつなげて、新たな価値を創出する女子!」をめざしています(図3)。

図3 IoTデザインガール宣言

2017年9月からはじまった第1期メンバーの活動では、2018年2月までに計5回のワークショップが開催されました。このワークショップにはメンバーのほかに、各メンバーの上司も応援団として参加し、活動への理解や課題の共有を図っています。ワークショップでは、IoT/AIなどの最新技術動向や、社会課題への関心を深めるためのインプットとして、ICT、経済、デザイン思考などの第一線で活躍する有識者、IoTによる新たな価値を提供している事業者、そして先進的な 取組みを行っている自治体の代表者などが講演を行いました。これを受けたアウトプットとして、メンバーがグループワークを行い、地域の課題解決に向けたソリューションについて最終回にコンペティション形式で発表しました。

IoTデザインガールのこれから

IoTデザインガールプロジェクトは、2018年9月から第2期メンバー(45名)の活動を開始しています。第2期は、東京だけでなく、広島でもワークショップが継続的に開催され、かつスポット開催として北海道や鹿児島での開催も予定されるなど、全国に活動の輪が広まっています。

以上のように、わずか2名でスタートしたドコモのアグリガールは、突破力で次々と周囲の人を巻き込み、連携しながらIoTデザインガールに発展しました。将来、国・自治体や他企業も巻き込んで地域の課題解決に大きく貢献する「場」となる日はそう遠くないはずです。

「参考文献:ビジネスコミュニケーション 12月号「IoT活用の現場から」」

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