IoT最旬インフォメーション

テクノロジーの進化とともに、IoTがビジネスや暮らしに“新たな価値”を生み出すスピードも加速しています。
本コラムでは、IoT業界の最新動向や旬な情報をお届けします。

第十回
SDGsは新たなビジネス創出の
チャンスである!

世界の課題解決に向けたソリューションを提供するSDGsの市場は、新たなビジネスチャンスとして捉えることができます。
5GやIoT・AIなどの革新的な技術を活用し、新たな市場の創出をめざすドコモの取組みを紹介します。

ドコモがSDGsになぜ取組むか

2015年9月、国連では発展途上国だけでなく先進国を含めた世界全体がめざすべき目標として「持続可能な開発目標(以下SDGs *1)」を採択しました。 SDGsには17の目標・169のターゲットがありますが、これらの目標は長らく未解決である社会課題が多く、取組む意義の多いものばかりです(図1)。

図1 SDGsが掲げる「世界を変えるための17の目標」

また、貧困問題やエネルギー問題を目標としているので、CSR的な要素が強いと感じられますが、これらの問題を解決するソリューションの提供は、2030年までに国内で約70兆円のマーケットに成長する見立てもあります。 SDGsに早期に向き合うことは、イノベーションを推進し、関連する事業やサービス開発のマーケットリーダーとして新たな価値、収益を生み出すチャンスでもあり、大いに取組む意義があると考えます。

新たな協創パートナーシップ

しかしながら、SDGsで取り上げる社会課題は非常に大きく、個社での市場の立ち上げは困難と考えます。 そこで、ドコモは2018年12月に5GやIoT・AIといった革新的な技術によりパラダイムシフトを起こし「企業間をつなぐ力」を活かして異業種間のアライアンスを積極的に仕掛け、新たな市場を率先して創出する「IoT×5G×SDGsパートナー協創プロジェクト」を立ち上げました。

具体的には、パートナー企業とワーキンググループ(以下、WG)を立ち上げ、SDGsの各目標の達成に向けて、WG内で新たな事業創出やWG間での情報共有のためのワークショップなどを行っていきます。 WGの運営にあたっては中心的に活動いただく企業をドコモとの共同幹事とし、従来のようなテクノロジーを有するソリューションパートナーのみならず、課題と検証の場を有するフィールドパートナーなどにも参画いただくことで、実効性のある協創スキームとしました。

なお、SDGsの掲げる目標はすべて重要なものばかりですが「少子高齢化に伴う医療費増加・介護負担の増加」に対する「目標3:すべての人に健康と福祉を」、 「製造業における労働者不足や技能承継の難しさ」に対する「目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう」、 「核家族化、共働き家族による安心安全の確保」に対する「目標11:住み続けられるまちづくりを」の達成をめざし、 3つのWG を最初に立ち上げました(図2)。

図2 3つのWGと幹事企業

この中で「目標3:すべての人に健康と福祉を」の達成に向けた、ヘルスケア分野での取組みについて紹介します。

100年健康ライフを支えるヘルスケア

日本の総人口は2010年の1億2800万人をピークに減少傾向にあり、65歳以上の高齢化率は28%を超えます。 今後さらに総人口は減少し、2025年の高齢化率は30%を超えると予想されています。 一方、それを支える介護従事者の人手不足は深刻で、経営難に陥る中小の介護事業者も増えてきています。 こうした介護需給のギャップなどの課題を解決すべく、目標3のWGでは富士通株式会社を幹事企業にソリューションの創出を図っていくこととしました。

まずは介護従事者の業務効率化により、質の高い介護サービスを生み出せるようなサポートをしていきます。 実際、介護施設に話を聞いてみましたが、要介護者のケアを行いながら体温、血圧、脈拍などのバイタル情報計測し、報告書を作成するなど単純、反復業務に時間を取られているといいます。 また、その記録や担当引継ぎの「申し送り」も手書きで行っている施設がまだまだ多く、デジタル化が進んでいません。 ドコモは、バイタル情報(体温)の自動記録・入力や施設入居者に関する状態、申し送り事項をデジタル化する「ケアマネジメントプラットフォーム」を開発し、業務効率化の実証実験を行いましたが、業務の大幅な時間短縮が図れ、有効性が確認できました(図3)。

図3 ケアマネジメントプラットフォーム概要(開発中)

今後、センサーの拡張によるデータ取得範囲を広げるとともに、各種業務の自動化により、介護従事者のさらなる業務効率につながるよう検討を進めていきます。

また、介護施設における要介護者の送迎業務も大きな課題となっています。 身体的に制約のある要介護者の送迎をどうやってスムーズに行うか、また、直前のキャンセルが頻繁に発生することなどから効率的な送迎ルートを立てるのに毎日苦労しています。 こうした課題についても、ドコモのAI運行バス(*2) の配車技術が活かせると考えて検討をはじめており、2019年度内に実証実験を行う予定です。

さらに、今後は5Gの商用サービス開始に向け、AIやロボット技術を用いた介護業務の軽減もめざしていきます。 現在の制度の中では制約も多いですが、ウェアラブル端末やセンサーなどのIoT技術を使って収集した健康データの活用も進めていきたいと考えます。 介護や医療に関連する企業や機関、食品や保険業界などとも健康データの共有を図り、人々の暮らしのさらなる向上に役立てます。 この循環こそが人生100年時代において、ただ寿命を延ばすのではなく「活き活きと楽しみを感じられる人生」のサポートにつながっていくものと信じています。 個人と家族、医療・介護従事者が安心して「つながり」暮らせる社会の実現に貢献したいと考えます(図4)。

図4 WG3:ヘルスケア領域で2030年にめざす姿(富士通、docomo共作)

なお、このWGのほか「産業界における人手不足や技能継承問題に対するソリューション」と「住みやすい街づくりをめざすソリューション」についても幹事企業を中心に新たなビジネスモデル創出に向け進めていますが、 いずれのWGでも今後さまざまなパートナーが集い、SDGsの目標達成、社会課題の克服を実現するプロジェクトに発展させていきたいと考えています。

<用語解説>

「参考文献:ビジネスコミュニケーション 5月号「IoT活用の現場から」」

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