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青森県/地方創生セミナー

2019年7月25日(木曜)に実施した、青森県青森市における地方創生セミナーの内容を記者目線でお伝えします。

青森県/地方創生セミナー 青森県/地方創生セミナー

はじめに

今回の「地方創生セミナー」は、本州の最北に位置し、リンゴの産地としても有名な青森県で開催された。世界自然遺産の白神山地をはじめ、十和田湖、奥入瀬渓流、八甲田など四季折々の表情を見せる自然が楽しめる観光スポットが点在する地域でもある。筆者が青森駅に着くと構内からは、ねぶた祭を連想させるようなお囃子のBGMが迎えてくれた。改札を出ると目の前には津軽海峡が広がり、優しい潮風が頬を撫でるかのように吹き抜ける。「生活創造社会」として、暮らしやすさではどこにも負けない地域づくりを県全体で取組んでいる青森県。自然豊かな恵みを享受し栄えてきた青森には、優れた文化や産業が育まれる土壌が広がる。
この自然豊かな“青い森”と先進的なICTは、どのように融合していくのだろう。「地方創生セミナーin青森」にお邪魔し、話を聞いた。

想像のさらに先をいく5Gの世界

  • セミナー風景
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会場には、黒い車体に5Gと赤いカラーリングが施された移動式5Gプラットフォーム(通称:5Gデモバス)が出展されていた。車内には前面7K+左右側面3Kの大胆なスクリーンや音響設備が搭載されており、目の前に広がる高精細な映像に息を呑む。また、通常のLTE画面と比較することで違いも明らかにわかる。デモンストレーション画面にはラグビーの試合映像が流れていたが、来年の東京五輪には5G映像がどんな新世界を届けてくれるのか、気になるところである。5Gにより、情報を処理する時代から情報を体感する時代へと変わっていくのが想像できる。デジタルエクスペリエンスを通して、地域活性につながるヒントが見つかりそうだ。

この日は、株式会社 情報通信総合研究所 ICTリサーチ・コンサルティング部 主任研究員 水野秀幸氏による「未来技術と地方創生―世界で動き出した5G」の基調講演が行われた。博報堂生活総合研究所の提供する「未来年表」を参考に、青森の未来像について話は進む。近々の2020年には通年型アイスリンクを備えた「八戸多目的アリーナ(仮称)」が完成する、新規雇用が生まれるなど、明るいニュースも多い。ところが2030年後半にさしかかると、人口に占める65歳以上の割合が38.2%に到達する(全国平均は33.7%)。その先にある青森の未来はいっそう影を増し、2040年には人口減少と超高齢化しか示されず、やがて人口問題一色に染まる。

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若者層の多くが東京へ流出し、東京一極集中という状況を生み出してしまうことによる弊害だ。水野氏は「日本の地方創生の根源にある問題だと思います」と説く。水野氏が行ったアンケート調査によると東京に出て行った人が故郷に戻らない理由として「やりたい仕事や就職先がないから」、「店舗や交通機関が少なく不便」という答えが大多数を占めた。
ところがこうした地域社会の課題が解決した場合、故郷への回帰を希望する人は4割を超えるという。新技術の活用は人口還流の呼び水と期待される。
地域を再デザインするにあたって、テクノロジーがどのように活用されているのか。水野氏は海外での先進事例を引き合いに出す。
カナダのトロントにあるウォーターフロント地区。そのなかにあるキーサイドと呼ばれる東京ドーム1個分の大きさほどの地域に注目が集まっている。一見、駐車場や工場ばかりで閑散としている土地のようだが、再開発に名乗りを上げたのがあのGoogleだ。

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「街中にセンサーを付け、センサーシティを作る取組みです。Googleの親会社であるAlphabetの傘下企業が事業主体となり、最先端技術を実証的に用いています。日本からも内閣府のメンバーが視察に行かれました」(水野氏)。
このプロジェクトでは、可能な限りあらゆる場所にあらゆる種類のセンサーを埋め込み、交通トラフィックや騒音レベル、大気汚染、エネルギー使用量、ゴミの排出量など、さまざまな情報が常時収集される。
たとえば駐車場に車を停めるとき、カメラやセンサーなどの情報がモバイル端末に送信され、あと何台分の駐車スペースがあるか即時に共有される。また集められたデータについては厳重な管理の元、共通と非共通のものに類型化されるといった情報銀行のような取組みもされている。
デジタルトランスフォーメーションの先例として、世界中から注目が集まる。

続いて5Gについて解説された。具体的な活用事例として紹介されたのが、バスケットボールのNBAサマーゲームの中継試合だ。
我々がイメージをするカメラマンが大きな機材をかつぎ、たくさんの中継機材を用意するものとは異なり、5G回線環境のもとスマートフォンカメラだけを使用して世界初の動画中継を行っていたというから驚きだ。高精細な映像が瞬時にTV局に送られる。
「5Gは超高速通信で速くなるという一面(たとえば2時間ものの映画がたった数秒でダウンロード可能といった具合に)が大きくクローズアップされていますが、大事なことは遅延がないこと、たくさんの機器と接続できることです」と水野氏は語る。
また、5Gはスマートフォンだけでなくインフラとしても大きな可能性を秘めている。IoT的な使い方、AR的な使い方など、使い方は我々次第となる。今後も5Gを追いかける形で、さまざまなサービスや技術が変化していくだろう。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「5G」】

東北エリアにおけるドコモの取組み

次の講演ではNTTドコモ東北支社法人営業部部長 粟嶋学氏が登壇した。「東北の地方創生は日本一といわれたい」と、粟嶋氏は熱弁する。

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これまで東北エリアにおける地方創生は①復興支援から地域産業振興へと代わり、②産官学連携による地方協創、③5G時代を見据えた新たな協創へと時代のニーズと流れと取組む内容も変化している。実例は次のとおりである。

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一次産業ICT化推進(漁業)では、牡蠣・海苔の養殖実証実験からソリューション(ICTブイ)を誕生させ、海を『見える化』することでコスト削減、品質向上、収量安定につなげた。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「ICTブイ」】

一次産業ICT化推進(畜産)においては、畜産業におけるIoT(モバイル牛温恵)を導入。牛の発情・体調を『見える化』することで事故ゼロを目的に安定した営みを実現させている。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「モバイル牛温恵」】

導入事例の映像では青森市にある株式会社山神が紹介された。
「ACALA MESH」(クラウド型の統合温湿度監視記録ソリューション)を導入し、ホタテ関連の商品を保管する冷凍庫や冷蔵倉庫の管理を1分ごとに計測し管理。安全とあんしんを全面に出し「おいしいホタテを、おいしい状態のまま届ける」理念のもとで商品力を底上げしている。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「ACALA MESH」導入事例】

アメリカとEUのHACCP認定を取得するなど、海外進出を視野に入れたビジネス戦略を進めているとのことだ。

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また、宮城県仙台市とのまちづくり連携協定においては、その一部として防災分野での実用化を目指した実証実験を継続し、ドローンを飛来させ津波避難広報に役立てる。
岩手大学との連携協定では地場産業の活性化から地方創生を狙いとしたIoT(養鶏システム)による品質向上活動の一端が紹介された。

(参考)【報道発表「岩手大学とドコモがICTを活用した地域創生の推進に関する連携協定を締結」】

「この先5Gを使って何ができるかを地域産業者の方々と一緒に考えることが、これからの地方創生に欠かせないと考えております」と粟嶋氏はいう。

健康長寿なまちづくりをめざして

地方創生を語る上で、日本社会の構造変化にも目を向けなければならない。2010年から人口は減少しているのだ。少子高齢化の影響を受け働き世代は減少し、シニア世代は増加する。その一方で医療費・介護費は増加傾向にあり、税収減少は明らかで、この社会保障費をどう抑制するのかが国家的な課題ともされている。国は健康寿命の延伸に向けた方針、生涯にわたる健康づくりを下記のように推進している。
≪現役世代向け≫健康増進に対する自発的な取組みの強化(特定検診の受診推奨/保健指導の徹底/ウォーキングポイント事業/生活習慣病の重症化予防)≪高齢世代向け≫高齢者の通いの場を中心とした介護予防・フレイル対策(高齢者向け介護予防・認知症予防/シニアの生きがいづくり/生活支援事業/地域サポーターの育成/保険外サービスの創出)

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このような国の方針を踏まえ、ドコモは「健康マイレージ」というサービス展開を行っている。埼玉県の事例では、スマートフォンや歩数計といった慣れ親しんだデバイスを使い、幅広い年代が利用している映像が流れた。専用端末にかざすとポイントが与えられ、そのポイントにより農産物や商品券が抽選で当たり、取組み状況は専用のWebサイトで閲覧することが可能となっている。何よりも楽しめるということが、壮年期の無理のない運動習慣づくりや、引きこもりがちな老年者の外出機会の創出につながる。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「健康マイレージ」導入事例】

また福祉(医療)分野の課題としては、未病や重症化予防の推進や在宅ケアの推進、地域全体での支援、効率的な現場改革が必要とされる。今回のセミナーでは介護施設・在宅で活用される「みまもりCUBE」を紹介した。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「みまもりCUBE 」】

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カメラやマイクも付随されており、画像認識技術を活用することで、あらかじめ設定した異常な動作を検知するとスタッフに通知が届くシステムだという。ベッドからの転倒予防や徘徊予防にも役立つ。一方で防犯や侵入者対策にも利用可能だ。

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さらに、5Gを使った可能性も広がっていく。遠方の患者宅や診療所と都市部の総合病院をつなぎ、高度な遠隔診療を実現させるというものだ。和歌山県立医科大学では5Gを医療の現場で実証活用する。高精細テレビ会議システムを設置し、4K接写カメラやエコー、CTスキャンの画像をリアルタイムに伝送、遠隔診断をサポートした。
満足な診療を受診することができない限界集落でも、遠く離れた専門医の意見を聞きながら診療を受けられる画期的制度だ。医療格差を解決する手立ての一つと期待される。

おわりに

青森県副知事の青山祐治氏は「本県の人口減少、高齢化、労働力不足、経済推進を図るためICTは課題解決にますますなくてはならない手段と考えています。ICTの活用強化を積極的かつ戦略的に進めることで各事業分野での生産性向上、県民生活の利便性や質の向上を図り、豊かで快適な生活ができる地域社会を目指し加速させたいと思います」と語った。人と人とがつながり、ICTがその橋渡しとなることで、多くの笑顔と幸せが生まれるだろう。そのコンセプトはドコモの「地域協創」という理念にも通じる。生産と消費と技術が結びつき合うことで、地域の特色や魅力にもう一度光を当てる、そんな事例がひとつでも多く生み出されることを願う。

セミナー詳細

名称 地方創生セミナー in 青森
開催日時 2019年7月25日(木曜)13:30~17:00
会場 別ウインドウが開きますホテル青森
主催 株式会社NTTドコモ

プログラム

時間 講演タイトル
12:00~13:30 受付開始・展示観覧
13:30~13:45 主催者挨拶
【来賓挨拶】
13:45~13:55
青森県副知事
青山 祐治 様
【基調講演】
13:55~14:35
未来技術と地方創生-世界で動き出した5G
株式会社 情報通信総合研究所 ICTリサーチ・コンサルティング部主任研究員 水野 秀幸 様
【講演 1】
14:35~14:50
ドコモの地方創生の取組み
14:50~15:10 休憩・展示観覧
【講演 2】
15:10~15:30
ドコモの災害対策への取組み
【セミナー 1】
15:30~15:50
一次産業について
【セミナー 2】
15:50~16:10
観光について
【セミナー 3】
16:10~16:30
教育について
【セミナー 4】
16:30~16:50
健康福祉について
16:50~17:00 閉会挨拶

  • 掲載内容は2019年7月25日時点の情報です。
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