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福島県/地方創生セミナー

2019年7月16日(火曜)に実施した、福島県福島市における地方創生セミナーの内容を記者目線でお伝えします。

福島県/地方創生セミナー 福島県/地方創生セミナー

はじめに

今回の「地方創生セミナー」は、福島県で開催された。四季折々の美しい景色、心を癒す里山の情景が広がり、初夏から冬にかけてはさまざまな果物が実りの時期を迎える。ちょうど、今はみずみずしいモモが楽しめる時期だろう。
そのなかで、決して忘れることのできない2011年3月11日のあの大震災。
最大震度7を記録し、激しい揺れとともに広範囲で大津波が押し寄せ、大きな被害をもたらした。特定復興再生拠点区域復興再生計画の認定により、除染・工事がはじまるなど、復興再生が着実に進んでいるが、本セミナーの挨拶に立った福島県 内堀雅雄知事は「8年が経過し、地震、津波、原発事故、風評被害、未曾有の複合災害からの復興、急激な人口減少への対応などの課題を抱えています。未来を担う若者が福島の可能性を信じて、希望を叶えることができる社会を実現するためにも、前例のない課題に対し挑戦を続けなければいけません」と語った。
福島県の潜在能力と強みを活かした地方創生を実行するなかで“しごとづくり”“人の流れをつくる”“結婚・出産・子育て支援”“まちづくり”の4本柱を重点としたプロジェクトを推進していくことが決定している。また、AIなどの最先端技術を産業や生活のなかに取り入れ人間中心社会を実現するSociety5.0の考えは、常に重要であり、また地方創生を進めるうえで不可欠だ。
AIやIoT、5Gなどの最先端技術を、地域課題の解決に向けてどう活かしていけるのか。そのヒントをこのセミナーで得ようと会場に集まった約140名の参加者の表情は、真剣そのものだった。

地域活性化とICTの活用におけるSDGsの実践

  • セミナー風景

この日基調講演を行ったのは、SDGsの第一人者であるCSR/SDGsコンサルタントで社会情報大学院大学客員教授 笹谷秀光氏だ。
「持続可能な社会=未来につながる。子孫に残す価値観が問われる時代でもあります」と氏は唱える。そのためには環境、社会、ガバナンスが重要なのだと。共有価値の創造の日本的理解として、笹谷氏は近江商人の経営理念である「三方よし」(自分よし、相手よし、世間よし)を提唱し、そのうちの世間の課題をSDGsだと言い表す。
日本には「隠匿善事」という美の精神もあるが、「いいことは伝わりにくいからこそ、発信することが大事となる。そのためには「発信型三方よし」がマッチする。来年には5G新時代を迎えるが、SDGsの内容を磨き、そしてみなさんが何を伝えるかが、よいチャンスになります」と笹谷客員教授は話した。
福島県の復興はSDGsが示す課題への取組みにつながっていくのではないか、と感じられた。7月1日には福島県郡山市が県内で1号となるSDGs未来都市に選定されたという。これが機となり、将来世代につなぐ持続可能なまちづくりを進めるため、SDGsの達成に向けた取組みを積極的に推進しようという流れが東北地方に吹いている。

ICT教育の推進=地域を支える人づくり

  • セミナー風景

グローバル化やAIをはじめとした技術革新が急速に進むなか、日本の将来を担う子どもたちには、こうした急激な社会的変化に対して主体的に向き合ってかかわり、自ら新しい社会のあり方を形作っていくことが求められてくる時代がきている。

こうした理念のもとに進められているのが、2020年度から実施される新学習指導要領だ。新しいカリキュラムでは、学びに向かう力や人間性、知識や技能、そして思考力・判断力・表現力を含めた“主体的・対話的で深い学び”をめざしていくこととなる。

これに伴い授業体系も多様化が進む。先生が児童に一方的に教えるのではなく、児童自らが主体的に課題を見つけて、情報収集をしながら議論し学ぶ授業が増えてくる。ドコモは、長期的に考えたときの地方創生、地域を支える人づくりにつながっていくという視点をもち、ICT教育推進のサポートに尽力している。人材育成は地方創生の基盤となるからこそ、地域に愛着をもち、地域の産業を担う人材の育成に欠かせないものなのだ。

(参考)【ドコモの教育ICT】

福島県における教育ICT普及の現状を見ると、5.0人に1台であり、全国平均の5.6人に1台を超えているが、国が目標とする3人に1台には届いていない。この原因として、教育ICT導入と活用面で進まないことが挙げられる。ドコモは、ビジョンの策定から導入後の運用支援など、トータルサポートをすることで問題の解消にあたる。

福島県田村市の事例では、未来を担う人づくりを基本方針として、潤いと活力ある生活を築き地域社会に貢献できる人づくりをめざし、2019年1月から市内の小学校3校、中学校1校(合計114台)をモデル校として先行導入した。報告によると学校での笑顔が増えただけではなく、勉強への集中力も増えたという。

(参考)【福島県田村市教育委員会様 導入事例】

  • セミナー風景

さらにはICT環境の整備だけではなく、プログラミング教育や学習成果の分析・評価なども段階的に手を打っていく。来年からプログラミング教育が必修化することで、必要なものすべてをパッケージ化して教育現場に届ける。大きく変化し生まれ変わる教育。世界に負けない明るい日本をめざす活動は続いていく。

(参考)【ドコモのプログラミング教育事例】

あの日から得た教訓

  • セミナー風景

冒頭でも触れたが、8年前の東日本大震災では、長時間停電によるバッテリーの枯渇、地震による伝送路断、地震・津波による直接被害により、サービス中断をせざるを得ない状況となった。その活動で得た教訓をもとに、ドコモでは(1)大ゾーン基地局などの基盤強化、(2)被災エリアへの迅速な対応、(3)災害時用サービスの充実を強化させている。有事がいつやってくるかは不明だ。
平時から備えていても、災害時に使えなければ意味はない。「災害対策は、そのほとんどが平常時の活動にかかっている」と考え、災害時の相互協力や覚書を関係機関と締結し、大規模災害に備えた総合防災訓練や地域の特性に合わせた防災訓練を毎年実施しているという。災害対策能力の現状を確認し、これまでの検証をハード・ソフト面で行っている。被災支援として自治体への衛星携帯電話の貸し出し、避難所の運営ボランティアなどへの携帯電話を貸し出し、避難者への充電サービスの提供を実施した。
内堀知事は「(ドコモは)、震災後すぐに東北復興支援室を設立され、避難された8,000世帯にタブレットを提供し、コミュニティの維持再生に多大な貢献をいただきました」と感謝の言葉を述べた。
ドコモはPDCAを回しながら継続的に災害対策をブラッシュアップし、より一層の対策強化を図っていくという。

地方創生と地場産業の活性化

ドコモと農業のかかわりは、地方創生への取組みとして、一次産業の農業で何かできないかを原点としてスタートした。今やドコモの一大プロジェクトとなっている。この中心にいるのが“アグリガール”と呼ばれる、一次産業に寄り添って生産者を支援するメンバーだ。スマート農業を確立させるため橋渡し役となっている。

  • セミナー風景
  • セミナー風景

現在では全国に100名以上の有志メンバーが在籍するアグリガールだが、当初はなかなかスマート農業の推進は進まなかったという。

その理由は、小規模生産者が多いこと、関係構築に時間がかかること、ITに投資する文化がないことが要因だった。

そのなかで、アグリガールが“簡単で分かりやすいITの導入”と“人との関係構築”に力を入れ突破力をみせたことで生産者との距離が縮まり、今では多くの人に興味をもってもらう存在となっている。

  • セミナー風景

福島県においては、南三陸で自然栽培サカニシキICT実証実験し、先端技術を活用した「あんしん・安全な米づくり」を実現させ、東松山では海苔・牡蠣養殖でICTブイの実証実験により、収穫量と品質の安定化を図る取組みを震災後すぐに実施し、全力で支援した。また会社幹部がいち早く現地を視察。被災地に寄り添う活動を展開することで、ある生産者から「3年間ドコモと一緒にやらせてもらった。最後まで一緒にやってくれたのがドコモだった」と伝えられた言葉には、これまでの活動は決して無駄ではなく、しっかりと通じていたのだということが伝わってきて、筆者の胸に熱く響いた。

農林水産業の再生支援はこれからも続けていく。地方創生と地場産業の活性化は日本の未来をつくっていくに違いない。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「ICTブイ」】

モバイル空間統計を使ってプロモーションを

国は成長戦力の一環として観光立国JAPANへと成るべく力を入れる。環境整備と日本の魅力を発信に関する予算を、2018年度の275.5億円から2019年度には666.0億円と、2.4倍に拡大。ビッグウェーブを起こす。

その背景にあるのは訪日外国人観光客が年々増加していることにある。2030年までに6,000万人を見込み、15兆円の消費額を目標に定めているのだ。

ただ、ここで問題となってくるのは地域格差であり、地方への誘客が大きな課題となっている。東北にも観光資源や都会に負けないコンテンツは多く存在する。しかし、北海道や東京、京都などの人気なエリアに比べると観光客は少ない。そのため旅マエから旅アトを通して効果的な対策を打つことが重要なのだが、福山氏はドコモならではの「モバイル空間統計がポイントになります」と話した。スマートフォン端末から人口分布を推計しエリアの特徴や人の動きを時間帯ごとに継続し把握。ビッグデータとなる。つまりは周遊パターンを分析することで、魅力的なプランを提案できるのだ。

2017年には福島県福島市でもモバイル空間統計を使い観光動向調査をし、観光課題の戦略とした。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「モバイル空間統計」】

現状を把握することで戦略は練りやすくなり、どういったプロモーション活動をすればいいのか、という方向性を決めるにまたとないチャンスとなるのだ。また多言語での対応も必要となるが、キャッシュレスもインバウンド対応へのキーとなる。日本のキャッシュレス化は2割弱だが海外は日本と真逆だ。そういった消費者を獲得するために目的にあったキャッシュレス化も重要となってくる。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「スマートフォン決済サービス「Anywhere®」 」】

おわりに

被災地の復興はいまだ道半ばであり、多くの方々が今日も不自由な生活を強いられている現実に、被害の大きさと深刻さを痛感せずにはいられない。
筆者が震災後、福島県に訪れるのはこれで2度目である。
前回は4月20日、福島県の復興シンボルとして、いち早く再オープンをしたJヴィレッジの全面営業開始日の取材に足を運んだのだが、そこには多くの笑顔や輪が広がり復興の光が確実に見えていた。そんな印象が残っている。“被災地が非災地”へと生まれ変わる日は必ずくる。地方創生はまちづくり、そして人づくりでもある。街は人と人とのつながりによって生まれたコミュニティだ。前例のない課題を解決するためには、コミュニティとICT先端技術が手を取り合うことで成し遂げられると強く信じている。持続可能な社会をめざし、可能性、魅力、強みを活かした、福島県だからこそできるオンリーワンの地方創生に期待が高まる。

セミナー詳細

名称 地方創生セミナー in 福島
開催日時 2019年7月16日(火曜)14:00~17:20
会場 別ウインドウが開きますエルティ ウェディング・パーティ エンポリアム 1F スクエア
主催 株式会社NTTドコモ
後援 福島県
協力 株式会社東邦銀行

プログラム

時間 講演タイトル
12:30~ 開場
【主催者挨拶】
14:00~14:10
株式会社NTTドコモ
執行役員 第一法人営業部 齋藤 武
【来賓挨拶】
14:10~14:20
福島県知事 内堀 雅雄 様
【基調講演】
14:20~15:00
協創力による地域活性化とICTの活用 ~SDGsの実践~
CSR/SDGsコンサルタント/社会情報大学院大学客員教授 笹谷 秀光 様
【特別講演】
15:00~15:30
キャッシュレス動向と地域の対応
一般社団法人Fintech協会 代表理事会 株式会社インフキュリオン・グループ 代表取締役社 丸山 弘毅 様
15:30~15:45 休憩
【セミナー 1】
15:45~16:05
教育について
【セミナー 2】
16:05~16:20
災害対策について
16:20~16:35 休憩
【セミナー 3】
16:35~16:55
一次産業について
【セミナー 4】
16:55~17:15
観光について
【閉会挨拶】
17:15~17:20
株式会社NTTドコモ
福島支店長 熊谷 謙

  • 掲載内容は2019年7月16日時点の情報です。
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