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北海道/地域創生セミナー

2019年8月6日(火曜)に実施した、北海道札幌市における地域創生セミナーの内容を記者目線でお伝えします。

北海道/地域創生セミナー 北海道/地域創生セミナー

はじめに

「地域創生セミナー」が、8月6日(火曜)北海道札幌市で開催された。
鮮やかな四季と雄大な自然は豊富な観光資源を育み、映画やドラマのロケ地にもなる。最近では国際定期便の新規就航や増便が追い風ともなり、訪日外国人来道者数は増加の傾向をたどる。
しかしこの土地も、札幌市への人口の一極集中化や各産業の担い手育成問題、大規模自然災害への対応など、さまざまな課題に直面している。
北海道副知事 浦本元人氏は「IoT、AI、5Gといった情報通信技術の開発、実用化が急速に進んでおり、暮らしや産業用ロボットなどの活用が欠かせません。道内においてもICTの重要性が一層高まっています」と話す。
北海道は広域分散型の社会構造を有しており、道全体で見れば全国を上回るスピードで少子高齢化が進んでいる。地域や民間企業と連携を深めながら、ICTの利活用を進めていくことの重要性について触れた。

Society5.0やAIがもたらす未来とは

  • セミナー風景

まず、セミナー冒頭の基調講演では、総務省顧問(前総務省総務審議官)の渡辺克也氏による「“Society5.0時代の地方”の実現に向けた情報通信施策」が語られた。
日本は現在、少子高齢化問題に直面している。国は未来技術を積極的に活用することで、経済発展と社会的課題の解決を両立させる、人間中心の社会をめざした方針を進めている。同じ文意で地方創生を捉え直した場合、いくつかの技術的共通項が見いだされる。
その代表的なものが5Gだ。超高速で超低遅延、しかも多数同時接続ができる次世代のテクノロジーとして、世界各国で一大ムーブメントを迎えようとしている。
(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「5G」】
活躍の舞台は情報通信やエンターテインメントの世界だけに留まらない。医療現場では高精細診断映像による遠隔診療で医療格差を解消させ、建設現場では建設機械の遠隔操作による人手不足を解消させる。
災害現場ではロボットによる遠隔操作を行い、安全・確実で素早い災害復旧へとつなげていくことで地域の発展に寄与することとなる。
渡辺氏は「地方の課題は世界の課題でもあり、地方での課題モデルを作ることで、世界に発信することができると期待されています」と話す。

セミナーの終盤には、公立はこだて未来大学副理事長 松原仁氏による「人工知能による北海道の諸問題への取組み」というタイトルの基調講演が行われた。
松原氏は「AIはデータの量と質が重要で、北海道はまさにうってつけの土地です。解決すべき課題があり、貴重なデータも豊富にそろう。実証実験やフィールドワークにおいても、環境要件を満たす稀有なロケーションです」と話し、研究者側から見た北海道の特長を指摘する。

例として定置網漁業における魚群探知機データをもとにした資源管理が紹介された。また、公共交通においては「AI運行バス」による配車(アルゴリズム)システムを構築し、観光利用・生活利用にも大きく貢献する例もある。
(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「AI運行バス」】
「北海道を活かしたAIの研究を重ね、自治体や道民にできるだけ早く使ってもらえる形にしたいと思います」
松原氏は研究成果を市場開放し、社会に応用するための新たなフェーズを迎えていると話す。

  • セミナー風景

想定外を乗り越えるために

近年、多くの自然災害により日本各地で甚大な被害が発生し、ここ北海道でも昨年、胆振東部地震(最大震度7)に見舞われた。

  • セミナー風景

道内全域がブラックアウト状態になった際、ドコモは迅速な対応に努めた。大ゾーン基地局(最大半径7キロをカバー)を初運用すると、被災地を中心に移動無線車を配備しエリア救済をする。
また道内の一部ドコモショップや自社ビルにおいて、無料充電コーナーを設け、複数台を同時に充電できるマルチチャージャーを用意し、充電サービスの提供などを行った。同時に公衆無線LANサービス「00000JAPAN」を開設し、道民の通信手段の確保に徹した。
さらに、インバウンド観光客への対策としてSMS配信(災害時無料Wi-Fi実施案内・被災地支援指さし会話シート(10か国語対応)案内)をはじめて実施した。
もともと、ドコモでは災害三原則(システムとしての信頼性向上、重要通信の確保、通信サービスの早期復旧)を定めているが、あの東日本大震災から得た教訓は大きいという。
想定をはるかに超える被害、長時間停電によるバッテリーの枯渇など、さらなる対策が必要であることを痛感し、対策の強化を日々続けている。
(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「ドコモの災害対策」】
そのなかで新たな対応機材の活用として、沿岸部の広域救済を目的とした船上基地局の導入や被災地の状況を迅速に確認するためのドローンによる空撮などを拡充。ネットワークの安全性と信頼性を向上するための取組みを進めている。

  • セミナー風景
  • セミナー風景

「災害対策は、そのほとんどが平常時の活動にかかっている」と考え、関係機関との協定や覚書を締結する。連携した総合防災訓練や地域に合わせた防災訓練を毎年実施し、災害対策の体制から内容まで進化的だ。
継続的なPDCAによるブラッシュアップや、重要なライフインになる通信サービスを守るなど、ドコモの災害対策に終わりはない。

恵みを活かした一次産業の強化

北海道は広大な農地や豊かな海、恵まれた自然環境など資源のある地域だ。
しかし冒頭で語られたように、高齢化の波と都市部への人口流出が進むことによる担い手不足の課題が重くのしかかっている。TPPによる廉価な農作物の輸入の影響を視野に入れ、競争力の醸成も急務だ。そんな折、国はスマート農業を推進することで生産性と収益の向上をめざしている。
畜産が盛んな北海道においては、「モバイル牛温恵」(体温センサーで牛の分娩を監視する)が幅広く導入されているという。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「モバイル牛温恵」】

水産業では、「ICTブイ」(水温や溶存酸素量を計測し、海洋データを管理)を使用する。羅臼漁業協同組合ではウニや昆布の生育などに役立てているそうだ。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「ICTブイ」】

  • セミナー風景
  • セミナー風景

また、6月には岩見沢市、北海道大学、NTTグループ間において次世代通信規格「5G」などの技術を取り入れたスマート農業の実用化に向けた連携協定が結ばれた。
NTTグループでは先端技術の研究開発やデータ分析、5G通信環境の整備の面で協力をし、今年の10月にも遠隔操作による無人トラクター運行の実証実験が開始される。これは日本初の取組みになるということで、全国的にも注目が集まっている。
また、北海道天塩郡豊富町においては、株式会社豊富町振興公社と連携し、ドローンを用いた牛追いなどの放牧業務の効率化に向けた実証実験も進んでいる。
今後の展開として、水産業ではICTブイによって海の状態の可視化に加えて、衛星データの組み合わせを検討している。「推測と予測」を行い事前に対策を練ることで、収穫量安定と品質向上につなげる狙いだ。
営農業においては、生産を向上させることをベースに「流通+販売支援」を行っている。
これはweb上で生産者と買い手をつなぐ取組みで、買い手が生産者から直接購入ができる仕組みを構築することによって、需要と供給のマッチングを図る。地元の生産物を地元で食べることで、地産地消にもつながる取組みだ。
また物流コストが減ることで生産者の所得は改善される。買い手は新鮮なモノを安い価格で購入できる。まさにWIN-WINの関係を作れるとのことだ。

北海道の観光戦略

  • セミナー風景

「食べる、見る、移動する」が手のなかではじまり手のなかで完結することが当然の時代だからこそ、ドコモは観光に注力をする。
近年、国内旅行者の数は、ほぼ横ばい状態が続いている一方、訪日外国人観光客の数は順調に増加している。そこで国も力を入れ、さらなるインバウンド対応を行うことで観光先進国をめざしていく計画だ。
北海道においては、特にアジア圏からの訪日外国人観光客が増加しているが、「接客スタッフの外国語能力に関して」、「案内板の外国語対応に関して」、「Wi-Fi環境に関して」の満足度が低い。
それを解決するのが「はなして翻訳」である。
(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「はなして翻訳」導入事例】
多言語自動音声翻訳、定型文機能、電話機能などを組み合わせた総合サービスアプリで、さっぽろ雪まつりでのインバウンドへの対応として採用された。外国人観光客が言語の壁を感じることなく楽しめるとして、評判も上々とのこと。

  • セミナー風景

またタブレット上のアイコンをタッチするだけで簡単なコミュニケーションを取れる「タッチで会話」も喜ばれる機能だという。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「タッチで会話®」】

  • セミナー風景
  • セミナー風景

ドコモの提供する「モバイル空間統計」や、訪日外国人向けの日本観光情報ポータルサイト「WOW!JAPAN」(インバウンドポータルサイト)を活用した分析を行いながら、その先の観光戦略を立てていくことも戦略の一つとなりそうだ。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「モバイル空間統計」導入事例】

地域交通・負のスパイラルからの脱出

地域における少子高齢化や人口流出は生産と消費の弱体化を招く。都市部への若年層の流出を食い止める、または一度離れた土地へ回帰してもらう取組みが日々模索されている。
たとえば交通機関が衰退していくことへの対策として、地域にコミュニティバスを導入する。ところが、そこには新たな運営上の問題も発生する。利用者が少ない、財政負担が大きいといった事情から、撤退や縮小を余儀なくされている地域もあるという。

  • セミナー風景

そこでドコモが提案するのは、マイカーのような利便性を備えたデマンド交通サービスだ。
新たな公共交通機関となるべく注目されるのが、「AI運行バス」(AIを活用したオンデマンド交通システム)と公共タクシー配車サービス(タクシーの配車業務を代行するクラウド型タクシーコールセンター)である。
慢性的なタクシー不足や公共交通機関の代替や、病気やけがにより自立移動が困難な際の移動手段としての可能性を探る。

(参考)【ドコモのサービス・ソリューション「AI運行バス」実証実験動画】

  • セミナー風景

また、観光客の足として活用されている札幌のシェアサイクル「ポロクル」も、この春よりドコモの「ドコモ・バイクシェア」との共同運営を開始した。札幌のホテルや駅近郊、観光スポットなどの約40か所に設置されたポート間で自由に自転車の貸出・返却が可能となる。
このシェアサイクルは交通系ICカードでの利用が可能で、GPS搭載で自転車の位置をリアルタイムで管理、アプリで空き状況の確認や予約なども可能だ。すでに東京・大阪・横浜などで提供されているシェアバイクとのID連携に対応しており、普段シェアバイクを利用している観光客は新たな登録が不要というメリットもある。
シェアバイクは観光地の回遊性向上の手段として期待が高まるものだ。
交通手段の解決からまちづくりに大きな効果をもたらすため、ドコモは地域と連携しながら、ICTを活用した問題解決のサポートに全力を注ぐ。

おわりに

地域の特長を活かし、先端技術を取り入れながら時代のうねりに立ち向かう手がかりを探そうと、活気に満ち溢れた会場だった。
豊富なデータ資源を活用したさまざまな実証実験が商用化への道をたどり、道民やそこに訪れる国内外の観光客の利便性や安全性を底上げする。広大な大地に託された夢やロマン、未来創造が開花へと導かれる。
令和を迎えたなかで“北海道・新時代の創造”への期待の高まりを感じるセミナーだった。

ドコモの取組む地域協創を分野別、地域別のご紹介しております。

(参考)【ドコモの地域協創】

セミナー詳細

名称 地域創生セミナー in 北海道
開催日時 2019年5月27日(月曜)13:30~17:30
会場 別ウインドウが開きます札幌グランドホテル 2F 金枝の間
主催 株式会社NTTドコモ
後援 北海道/株式会社北海道銀行/株式会社北洋銀行

プログラム

時間 講演タイトル
13:00~13:05 開会ご挨拶
【主催者挨拶】
13:05~13:15
株式会社NTTドコモ 取締役常務執行役員
坪内 恒治
【来賓挨拶】
13:15~13:20
北海道
【基調講演①】
13:20~14:00
総務省 情報流通行政局 情報通信政策課
【一般講演①】
14:00~14:30
ドコモの災害対策の取り組み
14:30~14:50 休憩
【一般講演②】
14:50~14:50
【ドコモの地域創生への取り組み】
・一次産業
・観光
・公共交通
・キャッシュレス
16:10~16:25 休憩
【基調講演②】
16:25~16:55
公立はこだて未来大学 副理事長
松原 仁 氏
【閉会挨拶】
16:55~17:00
株式会社NTTドコモ 執行役員 北海道支社長
櫻井 俊明

  • 掲載内容は2019年8月16日時点の情報です。
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