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高知県/地方創生セミナー

2019年5月30日(木曜)に実施した、高知県高知市における地方創生セミナーの内容を記者目線でお伝えします。

高知県/地方創生セミナー 高知県/地方創生セミナー

はじめに

四国地方では徳島に次ぐ2度目のセミナー開催となった。高知龍馬空港から空港連絡バスに乗り約30分。高知市内には土佐が生んだ幕末のヒーロー坂本龍馬の誕生地や記念館があり、観光ガイドと一緒に龍馬ゆかりの史跡を巡ることもできる。龍馬や歴史が好きな人にとっては魅力的な街だ。

ICTを活用した持続可能な地域社会の実現

  • セミナー風景
  • 「ドコモは『beyond宣言』において6つの宣言をしており、その一つに『ソリューション協創宣言』があります。社会課題を解決するために、パートナーの方々と連携することで、より一層価値を高める取組みを進めています」

    セミナーの最初に登壇した株式会社NTTドコモ 取締役常務執行役員 古川浩司氏が地方創生に取組む理由を明かす。言葉の端々から熱い思いが伝わってくる。

    出生率低下に伴う人口減、東京一極集中による人口流出の加速。大きな課題を抱える日本において、持続可能な地域社会を実現するにはICTの活用が欠かせない。ドコモは産業振興と暮らしやすいまちづくりのために、行政サービスの効率化とスマート化をめざすという。

  • ドコモと高知県の間では2017年12月に「高知県の地方創生の推進に向けた連携と協力に関する協定」を締結している。

    高知県 産業振興推進部長の井上浩之氏が紹介した高知県知事 尾﨑正直氏のメッセージでは「来年から実用化される5Gをはじめ、情報通信分野の環境は大きく変化しています。本県も『地場産業×デジタル技術』により世界に通用するような産業を作り出していきたい」と抱負を述べた。

  • セミナー風景

地域課題を解決するIoT×農業

    日本の人口は2010年ごろまで右肩上がりで増え続けてきた。ただ、1600年以降の推移を表すグラフを見ると2か所だけ減少しているところがある。1つめは龍馬が駆け抜けた幕末、そして2つめが第二次世界大戦だ。しかし、これから先はそれ以上に急激に人口が減少する。一世代で4割の人口喪失――そんな衝撃的な数字に警鐘を鳴らすのが、基調講演に登壇した東京大学大学院 情報学環副学環長教授の越塚登氏だ。とりわけ都市部への人口転出が地域経済を蝕む。

    越塚氏は地域課題を解決するヒントとしてIoT×農業の事例を紹介した。従来の日本の園芸農業は温度中心の管理を行い、経験と勘に頼る栽培をしてきた。しかし今日では、作物の受精具合や日射量に応じて、温度だけではなく湿度や二酸化炭素、水分を総合的に制御するデータドリブン型園芸農業に変わっているそうだ。高知県にある日本最大のトマト園芸ハウスはオランダの先進技術を取り入れている。世界に目を向ける勝海舟に弟子入りした龍馬が生きていたら関心を持っていたに違いない。

    来年商用化を予定する5Gと並び、このところ耳目を引くAIについても、最近では手軽に利用できるツールが増えた結果、個人事業主が手に届く価格帯まで落ち着いてきた例もあるという。しかしながらある程度の生産規模や高度な特殊性を求める業種・業態においては、やはりベンダーやコンサルタントとの協業が必要になってくる。システムや設備の供給者側からみると地方都市だけをマーケットとしてとらえた場合、ビジネスとして成り立たせるためには、どうしても導入費や維持費を引き上げてしまう。それが予算の限られる自治体でICTの普及の足かせにもなりかねない。

    越塚氏は「地場産業の課題に日々直面する企業が開発したものを、大手メーカーのネットワークやインフラを活用し、全国に展開する協創モデルが持続可能な地方創生につながるのではないか」と提案する。技術提供者側の視点をステークホルダーに交えた講演は、この地方創生セミナーシリーズにおいても珍しい。

  • セミナー風景

水稲向け水管理支援システムでブランド米の品質を向上

高知県本山町は四国の中央に位置する。吉野川が西から東へと流れ、標高800mの高さまで棚田が広がる。本山町で作られる「土佐 天空の郷」は、「お米日本一コンテストinしずおか」で2度のグランプリを受賞したそうだ。

財団法人本山町農業公社 専務理事の和田耕一氏は、「品質をさらに高めるために、水田センサー(PaddyWatch)を導入しました。本山町の棚田は水路が整備されていないところにあり、農家の方は毎日見回る必要があります。水を見るだけで一日かかってしまうのを少しでも緩和したいと思い導入しました」と経緯を説明する。

(参考)PaddyWatchについてはこちら

株式会社カワムラファーム 代表取締役の川村隆重氏は、「家にいても水の深さや水温がわかります。車はもちろんバイクも通れないような道を歩いて確認するのはたいへんな作業でしたが、それがかなり軽減されてみんな喜んでいます」と笑顔を見せる。ドコモの水稲向け水管理支援システムPaddyWatchが、地域の働き方に変革を起こしているのだ。

  • セミナー風景
  • セミナー風景

ドコモの支援は農業だけにとどまらない。高知県の畜産振興課では「次世代こうち新畜産システム」の実証を進めている。IoTを活用して畜産の生産効率を改善することが狙いだ。高知のブランド牛「土佐あかうし」の首にセンサーを取り付け、発情を検知するとスマートデバイスに通知が届く。発情検知率は91.6%にも上り、発情見逃しの減少へとつながったそうだ。

また、教育分野においてもドコモの技術が活用されている。高知県の土佐塾中学・高等学校は2016年度からドコモのタブレット約1,000台を導入した。今年度で1人1台が行き渡ったことになる。その結果、生徒の習熟度に合わせた個別学習ができるようになったそうだ。生徒が主体的に学ぶ双方向授業を行い、これからの時代を生き抜くスキルを育成していくという。もしも龍馬がタブレットで勉強する様子を見たら腰を抜かしただろう。

鍵を握る「若者の定着・増加」と「出生率の向上」

人口が減少すると経済規模が縮小する。若者が県外に流出し、過疎化・高齢化が進む。中山間地域が衰退して、少子化が加速する。そのような状況をプラスのスパイラルに転換するには何が必要なのだろうか?鍵を握るのは「若者の定着・増加」と「出生率の向上」だ。

平成27年の国勢調査によると高知県の人口はおよそ72万人。もし何も対策をしなければ、2060年にはおよそ39万人に減ってしまうという。そこで「高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に全力で取組み、人口55万人を目指していくそうだ。

高知県 商工労働部副部長の有澤功氏は、「『若者の定着・増加』を図るために、地産外商による雇用創出、若者の県外流出の防止、県外からの移住者の増加を促していく。そして出生率が高い傾向にある中山間地域の若者の増加をめざし、結婚、妊娠・出産、子育てといった希望をかなえて『出生率の向上』を図る。そうすることが人口の増加につながっていく」と高知県の戦略を紹介した。

高知版Society 5.0 で実現する社会

  • セミナー風景
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有澤氏は高知版Society 5.0 の実現に向けて、「IoTやビッグデータ、そういったデジタル技術を活用して、課題解決を図っていきたい。課題解決の先にノウハウが蓄積されていくので、開発したシステムを地産外商で県外に売っていく、さらには企業がどんどん集積をしていく、そのようにして雇用創出、産業振興を図っていきたい」と意気込む。そこで重要になってくるのが、課題解決型産業創出の加速化だ。

「課題が多いのは一次産業ではないか?」という仮説の下に、2017年度からは一次産業における生産性向上プロジェクトを進めている。農業振興部、水産振興部、林業振興・環境部の職員も含めてプロジェクトチームを作った。全工程におけるボトルネックを見つけだし、IoTや機械導入のニーズを抽出して、IT企業が持つ技術とのマッチングを実現しているのだ。

今年4月には高知デジタルフロンティアプロジェクトを発足させた。一次産業以外にも視野を広げてニーズ抽出を進めている。その分野は防災、医療・福祉、観光といったドコモの取組みとも重なる。課題解決のためにデジタル技術を活用して生産性向上をめざす。

幕末から150年。時代は大きく様変わりした。もしも龍馬が生きていたら先進技術をどのように活用しただろうか。日本ではじめての商社を作り、薩長同盟を成功させ、新しい日本の仕組みを作った龍馬なら、大胆な活用方法を思いつき、次々と課題を解決していたのかもしれない。人口減少が加速する現代の日本においては、ドコモのサービス・ソリューションが課題解決の糸口になるはずだ。ドコモが地方創生に果たす役割は今後ますます大きくなっていくのだろう。

セミナー詳細

名称 地方創生セミナー in 高知
開催日時 2019年5月30日(木曜)13:00~16:55
会場 別ウインドウが開きますサンピアセリーズ 3F レインボーホール
主催 株式会社NTTドコモ
後援 高知県

プログラム

時間 講演タイトル
12:00~13:00 受付開始・展示観覧
【主催者挨拶】
13:00~13:15
株式会社NTTドコモ
取締役常務執行役員 古川 浩司
【後援者挨拶】
13:15~13:20
高知県産業振興推進部長 井上 浩之 様
【基調講演】
13:20~14:00
『IoT・AI・ビッグデータ等の 利活用による地域課題解決』
東京大学大学院情報学環 副学環長 教授 高知県IoT推進アドバイザー 越塚 登 様
【一般講演】
14:00~14:30
ドコモの災害対策の取組み
14:30~14:45 休憩
【一般講演】
14:45~16:05
一次産業
観光・キャッシュレス
教育
健康・福祉
16:05~16:20 休憩
【招待講演】
16:20~16:50
高知版 Society5.0 の実現 『IT・コンテンツ関連企業の集積と課題解決型産業創出の加速化』
高知県商工労働部 副部長 有澤 功 様
【閉会挨拶】
16:50~16:55
株式会社NTTドコモ
執行役員 四国支社長 立石 真弓

  • 掲載内容は2019年5月30日時点の情報です。
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