ページの先頭です。

平日午前9時~午後6時

(土・日・祝日・年末年始を除く)
海外からはご利用になれません。

あなたの地域のお困りごとに
お応えします。

長野県/地方創生セミナー

2019年6月4日(火曜)に実施した、長野県長野市における地方創生セミナーの内容を記者目線でお伝えします。

長野県/地方創生セミナー 長野県/地方創生セミナー

はじめに

日本の三大アルプスを擁する山々に囲まれ自然豊かな土地である“信州”長野県でセミナーが開催された。平均寿命ランキングでも男性2位、女性1位、そして幸福度ランキングでは3位に入り、移住したい都道府県ランキングでは1位に輝く長野県。豊かな自然と文化が息づき、健康長寿の風土が根付くこの街で、モバイルICTを活用したさらなる地域活性化へのプロセスを知るため「地方創生セミナー in 長野」に赴き話を聞いた。

5Gデモバスによる仮想空間への誘い

南北に長く日本のほぼ真ん中に位置する長野県。新幹線や高速道路で首都圏、中京、関西方面からのアクセスがよく、ほんの少し足を伸ばすだけで四季折々の大自然が広がっている。会場となった長野市若里市民文化ホールには早くから約270もの人が集まり、ここ長野でもICTを活用したスマートシティへの関心の高さがうかがえた。

  • セミナー風景
  • セミナー風景

今回のセミナーには、5Gのデモンストレーションを可能とする移動式5Gデモバスも見本出展されていた。

車内には前面7K+左右側面3Kの大きなスクリーンや音響設備を搭載していた。筆者もこの機会とばかりに5Gの世界を体験。3面を豪華高精細映像で囲まれた視聴席では、バーチャルであるはずの世界が想像以上のリアリティでガンガンに押し寄せてきて、ふと気が付けば自分は今、長野にいることを忘れてしまっている。大好きなサッカーの試合で華麗なミドルシュートが決まると、興奮のあまり思わず挙げかけたガッツポーズが「いや、ちょっと落ち着け」とホワイトカラーの視聴者たちの中で空をつかむ。そうだ、仕事でやってきたんだった。

5Gの映像美と迫力は大型スクリーンで一糸の乱れもなく、さすが高速・大容量・低遅延。さらに忘れられないのが多接続の性質である。特にスポーツ観戦などでは複数台のカメラで同時撮影した映像を瞬時に組み合わせ、寄りや引き、多彩なアングルでまさに自分がプレイしているような印象を演出してくれる。

SDGs未来都市=長野県

地域が将来に渡り、成長していくためには持続可能なまちづくりと地域活性化が重要となる。そのなかでも急激な少子高齢化社会において人口減少が進む地域では生活の維持・再生を図ることが不可欠となるのだが、これに対し長野県は持続可能な開発目標の達成に向けて優れた取組みを提案する「SDGs未来都市」とし、2018年の6月に国からSDGs認定をされている。

長野県の阿部守一知事は「SDGsの視点を持ちながら、多くのみなさんと力を合わせて人口減少社会に立ち向かう。その中で5Gや先端技術をどう活かすかが問われています。これを契機に地方創生への理解を深めていただき、多くの皆さんに共有いただいて、先端技術を活用した活力ある県にしたいと思っています」と挨拶をした。

そして、この日はCSR/SDGsコンサルタントで社会情報大学院大学 笹谷秀光客員教授による基調講演が行われた。

  • セミナー風景
  • 笹谷客員教授が提唱するのは近江商人の経営理念である「三方よし」(自分よし、相手よし、世間よし)が大切だという。

    長野県は先にも述べたとおり、「SDGsの未来都市」をめざす。根底にある指針が「しあわせ信州創造プラン2.0」だ。本指針では、経済、社会、環境の3側面の課題に統合的に取組み、誰一人取り残さない社会の実現を掲げる。長野県の箱舟はクリエイティブな社会と、イノベーティブな経済により新たな動力を得る計画だ。8つの重点目標が数字で分かりやすく解説されているので、興味をもたれた方は一度長野県のホームページをご覧いただきたい。

    「5Gはどこまでいくかわからないほど奥が深い。1つ1つの技術は確かなものである一方で、それを受け入れる仕組みや仕掛けを街全体で協創することが、目覚ましい変革につながっていくと思っています」(笹谷秀光客員教授)。

    テクノロジーの恩恵を社会全体に行き渡らせる。そうしたSDGs的構想を自治体のアクションプランに盛り込む長野県は、クリエイターやIT企業の誘致にも積極的だ。空き家バンクやコワーキングスペースを活用したお試し移住にも力を入れる。慎み深い信州の印象をよい意味で裏切り、意欲的に新しいものを採り入れようとする姿勢は、県内産業へのドコモのICTソリューションの利活用にも現れている。では、具体的にみていきたい。

スマート農業がブランド価値を創造し高付加価値を生む

  • セミナー風景
  • 2014年2名からスタートしたアグリガール(ドコモ社内で非公式チームのメンバーを募り、一次産業に寄り添って生産者を支援する女性メンバー)が、現在は140名を超えている。机でモノを考えるのではなく現場に足を運び、生産者との関係を構築しながら、ニーズを引き出しICTとのマッチングを図る活動をしている。

    このセミナーで登壇した(アグリガールナンバー33番の)塩沢律子さんが長野県内の実証例を挙げて説明を行った。

  • りんご栽培が有名な飯綱町では、長期的な気象データの蓄積や分析を行っている。県の普及センターも連携し、りんご黒星病の感染リスクが高まる時期を予測し、適切な時期の農薬散布や、品質の向上・収量の安定化をめざしている。農業日誌のデジタル化によるグローバルGAP支援にも取組んでいる。またワイン用ぶどう栽培で世界に通じるワイン産地をめざす高山村でも同様の気象データを利用し、ぶどうbot(病害予防システム)で「気づき」の機会を増加させるなど、生産者に有益な情報を届けている。

  • セミナー風景
  • セミナー風景
  • また、川上村のレタス栽培においてはドローン活用による生育状況の把握にも挑戦する。村内複数拠点にセンサーも設置するため、これまで見えなかった気象データや土壌水分の計測が可能となるため、実証データの活用に期待が高まっているそうだ。

    スマート農業への変革を総じていうならば、これまで経験や勘に頼る部分が多かった農業現場にICTを導入することで、生育環境や栽培記録のデータ化が可能となる。これを「見える化」し、生産者だけでなく農業関係者で共有して分析していくことで、新たな「気づき」が生まれ、栽培技術の向上や匠の技の伝承による生産性の向上が期待されている。

    収益の向上でいうならば、流通分野での変革にも挑戦しているようだ。ICTを活用した新たな需給マッチングは、買い手は物流にかかる時間とコストを削減でき、売り手は新たな市場を開拓できる。地産地消を加速化し、持続可能な農業経営に資するモデルといえよう。

ⅾ払いでポイントをためる、使う

  • セミナー風景

「今日、東京から長野のこの会場にくるまで、一切、現金は使いませんでした」と話すのはドコモ第一法人営業部 大石望課長だ。

国は2025年までにキャッシュレス決済比率40%まで高めるという目標を設定している。2020年には東京五輪が、2025年には大阪万博が控えており、インバウンドの購買を取り入れる意図もある。

長野県でも2021年には善光寺御開帳が、2022年には諏訪市で御柱祭があり、多くの観光客が訪れることが予想される。国外だけでなく国内旅行者などによる「新規顧客の獲得」、「客単価の向上」、「現金管理・現金保管コストの削減」、「決済データのマーケティング」が図れる。その結果、右肩上がりで生産性は向上し、しいては地域の活性化にもつながっていく。

ここで大石課長は「ⅾ払い」の説明をする。スマートフォンで支払いを完了させ、月々のケータイ料金と一緒に支払え、そしてⅾポイントがたまり、使える利点があるのだ。しかも表示されたバーコードを読み取るだけで簡単に支払いができるという簡単でお得なサービスでもある。

キャッシュレスの環境を作ることも大事だが、一方で同じような決済手段が乱立しており、用途や機能からどれを選べばよいのか導入する側にとっては悩ましくもある。

大石課長は「地域には地域に根付いたキャッシュレスがあります。私たちは今まで取組んできた方々と普及拡大を一緒にやるべきだと考えております。ポイント連携(地域ポイントとdポイント)で地域活性化をするステップを踏んでいきたいと思います」と、これからのビジョンを語った。

アナログ業務のデジタル化

働き方改革は国の重要施策の一つとして位置づけられている。2008年を境に日本の人口は右肩下がりで減少傾向にあり、労働力不足が大きな懸念事項となっているのはいうまでもないだろう。そこで働き手をITに担ってもらうことで生産性を向上させ、50年後も人口1億人を維持し職場・家庭・地域で誰もが活躍できる社会(一億総活躍社会)の実現に社会全体で取組んでいる。

  • セミナー風景
  • セミナー風景

ドコモは、モバイルICTを活用することで場所にとらわれない働き方やアナログ業務のデジタル化を推進する。その1つとして、AIを活用したチャットボットを活用することで簡単な一次対応を自動化し、問い合わせ業務の効率化などを実現させている。またRPA(Robotic Process Automation)を業務効率化実現のためのツールとして導入することで定型業務の軽減、作業の効率化、誤入力のミス、品質向上に役立たせている。だがRPAは振れば何でもでてくる魔法の杖ではない。人間は人間にしかできない付加価値の高い仕事に専念すること。そのための単純作業を機械で置き換え、手間を減らすこと。そうした人と機械との相互の棲み分けを念頭に入れ、総合的な生産力を高める発想が必要だ。

おわりに

セミナーが終わり改めて感じたことは、この県には自らの幸せをデザインして作るという美学があるということだ。SDGs未来都市・長野県が官学金労言士のパートナーシップを図りICTの活用度を高めることで、社会や経済、環境が調和したゆたかなまちづくりが期待される。

アメリカにはシリコンバレーがある。東京渋谷であればビットバレーか。もし今後長野で企業や人材の集積が加速すれば、自分はこっそりこう呼びたい。「信州ハッピーバレー」と。

セミナー詳細

名称 地方創生セミナー in 長野
開催日時 2019年6月4日(火曜)13:00~17:25
会場 別ウインドウが開きます長野市若里市民文化ホール 1F ホール
主催 株式会社NTTドコモ
後援 総務省 信越総合通信局/信越情報通信懇談会/株式会社八十二銀行/信州大学
協力 長野県

プログラム

時間 講演タイトル
12:00~13:05 受付開始・展示観覧
【主催者挨拶】
13:05~13:15
株式会社NTTドコモ
取締役常務執行役員 古川 浩司
【後援者挨拶】
13:15~13:20
総務省 信越総合通信局 局長
川村 一郎 様
【基調講演】
13:20~14:00
協創力による地域活性化とICTの活用 ~SDGsの実践~
CSR/SDGコンサルタント / 株式会社伊藤園顧問 笹谷 秀光 様
14:00~14:20 休憩
【来賓挨拶】
14:20~14:30
長野県知事
阿部 守一 様
【一般講演 1】
14:30~14:40
ドコモの長野県での地方創生の取組み
【一般講演 2】
14:40~15:00
一次産業
【一般講演 3】
15:00~15:20
キャッシュレス
【一般講演 4】
15:20~15:40
交通・モビリティ
【一般講演 5】
15:40~16:00
働き方改革(行政業務の効率化)
16:00~16:20 休憩
【一般講演 6】
16:20~16:50
ドコモの災害対策に対する取組み
【招待講演】
16:50~17:20
ワイン産地形成を目指して
株式会社信州たかやまワイナリー
取締役執行役員 醸造責任者 鷹野 永一 様
【閉会挨拶】
17:30~17:40
株式会社NTTドコモ
長野支店長 宮下 真一

  • 掲載内容は2019年6月4日時点の情報です。
メニュー
ブックマークする0