スペシャル対談 vol.1 国頭村 宮城村長やんばるの自然を守り、未来をひらく

株式会社NTTドコモ
法人ビジネス本部 法人ビジネス戦略部長
荻野 衛

沖縄県 国頭村 村長
宮城 久和 氏

スペシャル対談 vol.1「やんばるの自然を守り、未来をひらく」

沖縄本島の最北端に位置する国頭村。村土の約8割を亜熱帯の森林「やんばるの森」に覆われた国頭村は、現在、環境保全、観光振興、そして村民の暮らしの質的向上に取り組んでいます。そんな村の取り組みをICTでどうサポートしていくか。国頭村の宮城久和村長と、NTTドコモ法人ビジネス戦略部長 荻野 衛が語り合いました。

多様性あふれる、
『やんばるの森』の魅力とは

荻野国頭村は、沖縄県のなかでも独特の自然形態を持ち、豊かな生物の多様性に恵まれた土地ですね。

宮城国頭村は、竹富町、石垣市、名護市、宮古島市に次いで5番目に面積の広い村です。やんばるの森にはスダジイなど常緑広葉樹が広く分布し、ヤンバルクイナに代表される世界でもここにしかいない固有種が多く生息しています。生物の多様性を生み出す森の豊かさ、希少な動植物の多さ、それがやんばる最大の魅力です。

村長

荻野ヤンバルクイナという名前はよく耳にしますが、「やんばる」という地名にはどのような意味があるのでしょうか。

宮城沖縄県北部のこの地域には、中央に沖縄本島で最高峰の与那覇岳(よなはだけ)をはじめ西銘岳(にしめだけ)、伊部岳(いぶだけ)など緑豊かな山々が連なります。漢字で「山」と「原」と書き、「山々が連なり森の広がる地域」を地元では古くから「やんばる」と呼んできました。

こごみ

観光振興と伝統の継承。
国頭村の持続的発展に向けて

荻野沖縄県には現在、海外からたくさんのクルーズ船が来ています。そうしたインバウンドの観光客を含め、どうやって北部に誘客するかが国頭の観光施策のポイントではないでしょうか。

宮城その通りです。ただし国頭は地形が比較的急峻(きゅうしゅん)なうえ雨量が多く、表土が1cmできるのに100年かかるとされているほど脆く、人為的影響も受けやすい環境です。希少な動植物が多く、盗掘などの被害も懸念されます。観光客をはじめ、この地を訪れる方すべてに自然環境に対する理解と、負荷をかけないようにするルールを徹底し、持続可能な形で地域活性化につなげていくことが大切です。

そうした視点で森林ツーリズムを推進できるよう、ガイド制度の整備・運用も図っていきたいと考えています。海外からの観光客には、多言語で対応できるツアーガイドの養成に力を入れていかなければならないでしょう。

荻野部長

荻野ツアーガイド養成という点では、ドコモは「gacco」というオンライン学習プラットフォームを提供しており、ガイドに必要な知識を通信教育で学べる仕組みがあります。多言語翻訳のアプリケーションもあるので、ぜひ活用いただければと思います。

また、観光客に村内を周遊してもらうために、シェアサイクルの活用はいかがでしょう。すでに那覇市ではドコモのバイクシェア(自転車とモバイルを融合させた環境配慮型のサイクルシェアリングシステム)を活用した実証実験を実施しています。多言語対応なので、インバウンド観光客にも安心してご利用いただけます。

宮城国頭村にもバイクシェアは必要ですね。森にも林道など道路はありますが、自動車の排気ガスはどうしても自然環境には好ましくないのです。

バイクシェア東京都内で展開されているドコモのバイクシェアの様子

荻野国頭村には豊かな自然とあわせて、さまざまな伝統行事もあると聞いています。

宮城国頭村では、山や海からの神が下りてきて、1年の五穀豊穣や無病息災を祈願する、国指定重要無形民俗文化財・シヌグやウンジャミ(海神祭)などが受け継がれています。また、秋には2年に1度、豊年祭が開かれます。これらの伝統行事はいずれも似ているようで、少しずつ異なるのが魅力です。集落には独自の踊りや語りがあり、独特な文化が伝承されています。

ただし、どの集落でも子どもが少ない、お年寄りが増えているといった問題があり、伝統行事をいかに継承していくかが課題となっています。

荻野その課題に、動画を有効的に使えないでしょうか。ドコモには360度の風景を動画で撮り、その動画を見た人があたかも「その場にいるかのような感覚」を味わえるVR(バーチャル・リアリティ:仮想現実)の技術があります。伝統行事を臨場感のある映像で残し、同時代の人にその魅力を最大限に伝えるとともに、その価値を後世に伝えていくうえでも役立てられるのではないかと思います。

北部産業祭り「やんばるの産業まつり」国頭村ブースにてVR体験の様子

荻野2017年のやんばるの産業まつりの国頭村ブースでは、国頭村の観光協会の方々などと連携し、辺戸岬、展望台、与那覇岳で360度動画を撮影し、ブースを訪れた人たちがVRを体験できる展示をさせていただきました。

宮城私もやんばるの産業まつりでVRを体験しましたが、本当にその場所に行っているような感じでしたね。臨場感あるパノラマの風景を、ぜひ多くの人に見ていただき、「もうちょっと見たい」となれば国頭村に来ていただき、本物を体感していただく。そうした流れを作り出せれば、国頭、そして北部への誘客につながると思います。

国頭村の次代を担う人材育成・教育に、
ICTができること

荻野国頭村の次代を担っていく人材育成については、どのようにお考えですか。

宮城最も大切なことは、国頭に住んでいる人たちが自信と誇りを持つことです。自然を守り育ててきたのはやんばるの人たちだ、という誇りを醸成する仕組みを教育にも取り入れる必要があるでしょう。例えば、自然のなかで遊びながら学べるようなカリュキラムを。

荻野自然教育においては、タブレット端末の活用でより深い学びができると考えています。屋外で使う際にもLTEなどの通信機能があれば、例えば、昆虫や植物を撮影して、その場でインターネットで検索して種類を確認することもできます。実際、宮古島市の小中学校ではLTEモデルのタブレット端末を活用いただいています。

競技場の空撮 国頭村立辺土名(へんとな)小学校

国頭村の発展に向けて、
ドコモに期待すること

荻野国頭村の発展や村民の満足度向上のために、ドコモに期待されることは何でしょうか。

宮城通信技術をはじめとする技術とアイデアです。現在、スピーディーな情報伝達手段といえば、村内行政無線放送などですが、細かな伝達はチラシや広報紙などで対応しています。情報の一元化、高齢者でも使いやすい情報伝達手段の実現、通信技術を駆使した地域振興など、ドコモの経営理念でもあるコミュニケーション文化の創造に期待しています。

荻野ドコモとしては、ICTを通じて国頭村の発展に是非とも貢献させていただきたいと考えています。今後とも、引き続きよろしくお願いいたします。

荻野部長と村長

(右)宮城 久和 氏
1969年より沖縄放送協会(OHK)に記者として入社。2003年NHK定年退職後に沖縄県国頭村助役就任、その後副村長を経て2012年沖縄県国頭村村長に当選。現在2期目。

(左)荻野 衛
1988年日本電信電話株式会社入社。2014年より東京、関西エリアの法人営業部長を歴任し2016年6月より現職。ドコモの法人事業の戦略策定を行う法人ビジネス戦略部の責任者として、地方創生活動を推進。

  • スペシャル対談 vol.2「ICTで広がる『花と水とパインの村』の可能性」
  • スペシャル対談 vol.3「塩屋湾に知恵と技術を集め、村を活性化する」

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