スペシャル対談 vol.2 東村 伊集村長ICTで広がる「花と水とパインの村」の可能性

株式会社NTTドコモ
法人ビジネス戦略部アライアンス推進担当部長
有田 浩之

沖縄県 東村 村長
伊集 盛久 氏

スペシャル対談 vol.2「ICTで広がる『花と水とパインの村』の可能性」

沖縄本島北部東側に位置する東村(ひがしそん)。北部三村のなかでも独自の気候風土を持つ東村は「花と水とパインの村」をキャッチフレーズに、農業を中心にした産業と、観光を結び付けた村の魅力づくりに取組んでいます。ICTを活用し、東村の産業・観光の可能性をどのように広げていくのか。東村伊集盛久村長と、NTTドコモ 法人ビジネス戦略部アライアンス推進担当部長 有田浩之が語り合いました。

北部三村のなかでも
独自の気候・環境を持つ東村

有田まずは東村の地理的な特色、自然環境の特色について、教えていただけませんか?

伊集東村は、空港からのアクセスは決して良くはありませんが、豊かな自然に恵まれております。また北部三村のなかでも独特の気候特性があり、特産のパインアップルはそうした東村独自の自然環境のもとに作られているのです。

有田独特の気候特性とは、どういうことでしょうか?

伊集村は東南の太平洋に向かって、ゆるく南向きに傾斜しています。また北西部は山にさえぎられていて、北からの風は入ってきにくいのです。ですから東村は、北部三村(国頭村、大宜味村、東村)のなかでも比較的温暖な気候に恵まれています。さらに酸性の土壌がパインアップルの栽培に非常に適しています。ビニールハウスでは作ることができないパインアップルは、その地域の自然環境が栽培に適していることが、とても重要なのです。

有田なるほど、まさに東村の自然を象徴する作物なのですね。

村長

『農業×ICT』に大きな期待、
担い手づくり

伊集東村では50年ほど前からパインアップルの栽培に力を入れてきました。2006年に開発した新品種「ゴールドバレル」は、高い収益を生み出す主力の品種となりました。

有田パインアップル生産について、課題などはお持ちではないでしょうか?

伊集ゴールドバレルは生産が難しい品種です。特に繊細なのが、肥料の管理です。科学的な分析などを行い、肥料管理のモデルを作り生産者間で共有することが、これから村が積極的に取組むべき課題と考えています。

ゴールドバレル

有田ICTで、その課題に応えることができるのではないでしょうか。私どもの「FieldServer(フィールドサーバ)」というサービスは、センサーで土壌の温度、水分、成分などを監視できます。データを蓄積し、適切な肥料管理のモデルを可視化できると思います。

伊集台風などの自然災害、またイノシシなどが畑を荒らす鳥獣被害なども大きな悩みです。豊かな自然は、時に私たちにとって脅威ともなりうるのです。

有田私どもには、仕掛けた罠が動くとメールで通知する「みまわローラ」というサービスがあります。今後開発が進めば、ヤンバルクイナなどの貴重種が来た時だけ罠を作動させないようにする、などの工夫もできるかもしれません。

伊集「農業」と「ICT」の組み合わせには大きな可能性を感じます。これから若い人にどんどん東村に移住し、農業に参入していただきたい。ICTによる農業支援は、新規就農のハードルを下げてくれると期待しています。

有田部長

年間1万人を受け入れる
『教育体験民泊』

有田東村のもう一つの大きな柱が「観光」だと思いますが、こちらはどのような取組みをされていますか?

伊集自然を楽しむ「エコツーリズム」、農業を体験する「グリーンツーリズム」、海に親しむ「ブルーツーリズム」の3つを掲げ、NPO法人東村観光推進協議会が中心となり、村内の観光資源を活用しながら、体験型の観光を推進しています。

有田観光スポットを見て回るだけにとどまらない体験型の観光は、リピーターを育てますよね。また、迎え入れる地元の人たちの人柄に触れることができるのも、大きな魅力です。

体験型の観光

伊集訪れた方も、受け入れる村民も楽しんでくれて、「また来たい」、「また受け入れたい」とお互いが思えるように、制度面などを整えていくのが、村の役割です。

有田海外からの観光客も多いのではないですか?

伊集韓国や香港からの訪問客が多いのですが、みなさん英語をお話しになります。村には英語が堪能な者は少ないので、今後はそれも課題になってくるでしょう。

有田はなして翻訳 for Biz」や「てがき翻訳」など、ドコモには翻訳サービスがいくつかあります。こうしたツールを上手に活用していただくことで、村のみなさんが海外からのお客さまに「おもてなし」の気持ちを伝えることができるようになるのではないでしょうか。ほかには何か、観光で特色ある取組みはありますでしょうか?

伊集東村では農家が中心となって、小中学校や高校の生徒を対象とした、いわゆる「教育体験民泊」を2004年頃から始めました。今では北部三村で連携して、毎年1万人を受け入れています。子どもたちに村の良さをアピールできるいい機会だと思っています。

コミュニティバスで、
村民の生活支援

有田村民の生活を便利にする取組みについてもお聞きしたいのですが、コミュニティバス(地方自治体が運営するバス)の運用を開始されたそうですね。村民のみなさまの反応はいかがですか?

伊集2018年4月に運用を開始したところ、利便性が良くなり、村民からの評価が高く、だんだん利用者も増えてきています。もっと便利に使っていただけるような仕組みづくり、体制づくりが今後の課題です。

有田今実証実験中なのですが、「AI運行バス」というサービスがあります。スマートフォンで乗車したい停留所と降車したい停留所を選択すると、バスが配車されるというシステムです。利用実態に即した効率的な運行が可能になります。

AI運行バスAI運行バス(与那国町での実証実験の様子)

伊集コミュニティバスもそうですが、人口減少、高齢化といった課題に対応するためには、産業振興、雇用の創出、生活環境の整備など、考えなくてはならないことがたくさんあります。

有田地域社会の抱えていらっしゃる課題は多岐にわたると思いますが、我々の持っているICTの技術には、幅広い活用の可能性があると考えています。今後も、ぜひ、何が地域社会にとって必要なことなのかを教えていただけないでしょうか。私たちの技術を有効に使うことで、少しでも地域社会の発展に寄与できればと考えております。

有田部長と村長

(左)伊集 盛久(いじゅ せいきゅう)氏
1940年生まれ、沖縄県東村出身。 農業、畜産業を経て1966年から東村議会議員を通算7期の後、2007年から 東村長(3期目)北部振興会会長。

(右)有田 浩之
1990年 日本電信電話株式会社入社。2014年 メディカルICT推進室長を経て
2017年7月より現職。5Gのビジネス利用シーン創出に加え、
沖縄振興を中心に地方創生を推進。

(本内容は2018年6月5日取材時点のものです。)

  • スペシャル対談 vol.1「やんばるの自然を守り、未来をひらく」
  • スペシャル対談 vol.3「塩屋湾に知恵と技術を集め、村を活性化する」

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