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STORY 03

ビッグデータ分析

ISSUE

背景・課題

店長ごとにバラつきが出る来店客数予測。より高い精度を求めて

ISSUE 背景・課題 ISSUE 背景・課題

国内外に1400店舗以上を展開するイタリアンレストランチェーン、株式会社サイゼリヤ(以下、サイゼリヤ)。効率的で質の高い店舗運営には、来店客数の予測が不可欠です。「弊社では来店客数の予測をもとにスタッフのシフトを決めます。予測を下回ると人件費のロスが発生し、逆に上回ると、お客さまに十分なサービスをお届けできません」と話すのは、株式会社サイゼリヤのプロジェクト推進課長 長谷川大輔様。「来店客数の予測は過去の実績などから店長が行いますが、個人で精度にバラつきがありました」。いわば、来店客数の予測精度の標準化と、恒常的に高精度を保つことが課題でした。

課題を模索するなかでドコモの「AIタクシー®」※の取り組みを知った長谷川様は、「タクシー需要予測を、来店客数予測に活かせないか?」とドコモに相談。「お話を聞いて、AIタクシーの技術を店舗運営に応用する可能性を強く感じました」とドコモの研究開発チームであるサービスイノベーション部第二サービス開発担当 山田は話します。ドコモはこの新しい可能性を顧客の価値に変えるべく、法人営業と研究開発チームが一丸となりスピーディに解決を図る「トップガン」プロジェクトに定め、サイゼリヤと一緒に最適解を探る話し合いをスタートさせました。

※AIタクシー…未来のタクシー乗車台数をエリア毎に予測しタクシードライバーに提供、タクシー乗車の需要と供給の最適マッチングをめざしたシステム

KEY TECHNOLOGY

主要技術

複数のデータを掛け合わせ、未来を予測するモデルを構築する

KEY TECHNOLOGY 主要技術 KEY TECHNOLOGY 主要技術

サイゼリヤの課題解決の鍵となっているのが、ドコモの「モバイル空間統計®」※のリアルタイム版である「近未来人数予測®」です。近未来人数予測とは、ドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを使用して作成される人口統計データで、全国の人口分布を500メートル四方の単位で、ほぼリアルタイムに推計することが可能です。この人口統計データに、サイゼリヤが保有している各店舗の過去の売上実績データ、立地や席数などといった店舗情報、さらに天候情報や近隣のイベント情報など外部のデータをかけ合わせ、大量のデータからパターンを抽出することで未来の需要を予測するAI技術(ビックデータ分析技術)を用いて分析することで、精度の高い売上予測が可能になると考えました。

※モバイル空間統計は、集団の人数のみをあらわす人口統計情報であるため、お客さま個人を特定することはできません。ドコモは、お客さまのプライバシーを厳重に保護するべく、モバイル空間統計を作成・提供する際に遵守する基本事項をまとめたガイドラインを公表しています

モバイル空間統計ガイドライン
https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/disclosure/mobile_spatial_statistics/guideline/index.html

PROTOTYPE

試作品の開発

リアルタイム予測も組み込み、突発的な来店客数変動も予測可能に

PROTOTYPE 試作品の開発 PROTOTYPE 試作品の開発

首都圏約400店舗、過去3年間の実績データに、天候などの外部情報とドコモの人口統計データを掛け合わせ、従来店舗で行っている「2週間前予測」「前日予測」のモデル構築を行うなかで、現場の店舗運営改善には「1時間前」のリアルタイム予測も必要だということが話し合いを重ねるなかで分かってきました。「1時間前でも『予想よりも多くの来店がある』ということが分かれば、店舗として様々な対策が打てます」と長谷川様。「スタンバイを前倒しで終わらせたり、多少の人員調整もできますし、何よりも多くのお客さまを迎える心構えができます」。

この「1時間前」の売上予測に、ほぼリアルタイムに人の動きを推計するドコモの人口統計データの真価が表れました。「人口統計データを導入した1時間毎のシミュレーションでは、今まで“人”では予測できなかった突発的な来店を予測できることがわかりました。これなら、実際の店舗オペレーションに大きな違いを生み出せるのではないかという手ごたえを感じました」と長谷川様は話します。

FUTURE PERSPECTIVE

今後の展望

人とAIで、予測の精度を高めあう

FUTURE PERSPECTIVE 今後の展望 FUTURE PERSPECTIVE 今後の展望

(中央)株式会社サイゼリヤ 長谷川様

今後は、いよいよ実際の店舗で実証実験を行っていきます。「実証実験では、1時間前の『リアルタイム予測』を重点的に検証したいと考えています。シミュレーションで得た、“突発的に発生する来店客数の変動をリアルタイムで検知する”という仕様の精度を確かめたいと思っています」と長谷川様。その予測を実際の店舗オペレーションに「どう活かしていくか」についても検討予定です。「精度の高い予測技術を提供するだけでなく、その技術を実際の店舗で『役立つ』ものにすることが私たちの仕事ですので、ぜひオペレーション改善まで見届けたいと思っています」と、ドコモソリューションサービス部の森田は話します。

AIによる予測技術の実用化に伴い、店長に求められる役割も変化するだろうと長谷川様は考えています。「技術が進化しても、“人”だからこそ収集できる情報は絶対にあるんです。それをAIにインプットすることで、さらに予測の精度が上がる。人とAIが補完し合ってこそ、お客さまへのよりよいサービスと、快適な空間の提供につながります」。

サイゼリヤと共に広げてきた「ビッグデータ分析x人口統計データ」の新しい可能性。ビジネスの現場からのニーズをしっかりと受け止め、対応していきながら、この新しいサービスは今後さらなる展開を見せていくでしょう。

*「モバイル空間統計」「近未来人数予測」「AIタクシー」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。

(取材日:2018年10月12日)

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