2017年7月 平成29年7月九州北部豪雨

災害の特徴

2017年7月5日(水曜)〜6日(木曜)にかけ、九州北部で線状降水帯が形成され、同じ場所で強い雨が継続し、記録的な豪雨となった。
被害の中心は福岡県朝倉市・朝倉郡東峰村、大分県日田市であり、特に土砂崩れと流木による被害が大きく、道路の寸断が多発した。

この地域は真砂土と呼ばれる地質が多く分布しており、大量の水を含むと流れやすい性質があるため、豪雨によって表層崩壊が多く引き起こされたと考えられる。さらに、土砂崩れで倒れた多量の流木によって河川氾濫が起き被害が拡大する形となった。

土砂崩れと流木による被害の様子

写真:福岡県朝倉市杷木町の被害状況
福岡県朝倉市杷木町
写真:福岡県朝倉郡東峰村の被害状況
福岡県朝倉郡東峰村
写真:大分県日田市の被害状況
大分県日田市

通信設備被害と復旧対応

被災地付近において、ドコモでは山間部奥地まで含めて比較的広いサービスエリアを提供している。

土砂災害による道路寸断が多発したため、復旧作業は道路開通を待たざるを得ない箇所が山間部奥地を中心に多く、一部では回復までに時間を要する状況であったが、ヘリ輸送など多様な手段を活用し早期の復旧に取組んだ。

応急復旧機材を用いたサービス復旧

車両通行可能なルートを探し、移動基地局車にてエリア救済。大型車両の通行が困難な場所へは可搬型衛星エントランス基地局を活用。これらの応急復旧機材によって、のべ13局を救済。

写真:福岡県朝倉郡東峰村の設置風景
福岡県朝倉郡東峰村
写真:大分県日田市の設置風景
大分県日田市

可搬型衛星エントランス基地局設置によるエリアカバー

道路寸断エリアに対し、可搬型衛星エントランス基地局をヘリ輸送して設置。

写真:福岡県朝倉市の設置風景
福岡県朝倉市

エリアカバー実施時のイメージ

サービス中断した基地局に対し、周辺の基地局の電波発射方向を遠隔制御し、のべ8局でエリアカバーを実施。

エリアカバー実施時のイメージ図

避難所支援

2017年7月5日(水曜)午後から6日(木曜)にかけての大雨によって、土砂崩れ・河川氾濫が多く発生し、避難指示などが発令。2017年7月7日(金曜)13時には福岡県と大分県で73か所の避難所が開設され、2,015名の方が避難する状況となった(出所:内閣府 防災情報のページ)。

避難所では安否確認連絡などに携帯電話が重要な役割を果たしており、避難者の方への支援として、無料充電サービスとWi-Fi設置に取組んでいる。特に、避難初期は充電環境が十分でない事が多いため、迅速な避難所支援を心がけており、避難が開始された2017年7月7日(金曜)中には、災害対応用充電器マルチチャージャ30台とWi-Fi23台を人が集まる避難所へ設置。

避難所への無料充電サービス

写真:喜楽来館(福岡県朝倉郡東峰村)での取組み

喜楽来館
(福岡県朝倉郡東峰村)

写真:杷木中学校(福岡県朝倉市杷木町)での取組み

杷木中学校
(福岡県朝倉市杷木町)

関係機関などへの支援

被災地の災害復旧には、自治体をはじめ災害派遣要請を受けた自衛隊、道路などの復旧を行う国土交通省、警察、消防など多様な機関が活動を行う。この災害復旧活動では一時的な通信手段として多くの携帯電話が必要とされる。

ドコモは平成11年から指定公共機関に指定されており、平成29年九州北部豪雨においても、関係機関への支援として携帯電話の貸出しを自治体などからの要請にもとづき下表のとおり実施。

機器 台数
衛星携帯電話 81台
携帯電話 376台
タブレット 56台
Wi-Fiルータ 44台
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