社内座談会 新料金プラン導入プロジェクト秘話

ドコモが「攻め」に転じるためには、これまでにない画期的なプランが必要だった。

6月にサービス提供を開始した新料金プラン『カケホーダイ&パケあえる』。ドコモは音声定額、データシェアなど、これまでにない画期的な考え方を導入しました。このプランの導入は、ドコモが自らモバイル通信市場を変えるという宣言でした。キャッシュバック合戦などの不健全な競争に終止符を打ち、長くご利用いただいているお客さまを大切にしたいというドコモの想いを具現化しました。大胆な発想の転換とスピーディーな実行には、エキスパートによる部門を超えたプロジェクトチームの結成が必要でした。プラン誕生にかかわった5人のプロジェクトメンバーが、その経緯を語ります。

  • 経営企画部担当課長 吉田 英樹
  • マーケティング部担当課長 澤頭 徹
  • M2Mビジネス部担当課長 佐藤 賢一郎
  • 情報システム部担当課長 高野 伸二
  • プロモーション部担当課長 清水 貴司

2013年11月~2014年3月

料金プランの抜本的な改革──
正直、どこまでできるのか不安だった。

2013年9月にiPhoneを導入。ここからの巻き返しが大いに期待されたのだが……。販売数は伸びたものの完全復活までには至らず、ドコモの社内には危機感が広がった。そうした状況の中、社長から経営企画部に、起死回生の一手として新しい料金プラン検討の指示が下る。

  • 吉田振り返ると、スタートは11月ぐらいだったかな?
  • 佐藤そのくらいだったと思う。
  • 吉田経営企画部に社長からのオーダーが入り、M2Mビジネス部の佐藤さん、マーケティング部の澤頭さんとの間で協議を始めた……。
  • 佐藤それが秋ぐらい。11月か12月。
  • 吉田話を聞いて、どう思った?
  • 澤頭単純に嬉しかったですね。日々、お客さまの満足度向上をめざして取り組んでいるけれど、特に料金に関しては、ドコモは他社に比べて満足度が低い。それを変えられるチャンスじゃないかと。
  • 吉田確かに料金を何とかしたいというのは、あった。
  • 澤頭あったよね。ありました。
  • 吉田どう変えようかと考えて、最初は音声定額とデータシェア。そう、その2つを検討し始めたんだ。
  • 澤頭あの頃は、検討しても最終的に幹部からOKが出るのか、正直、不安だったかな。
  • 吉田佐藤さんは?
  • 佐藤ここまで抜本的な変更が、果たして現場やお客さまに受け入れてもらえるのか不安はあった。でも海外の通信キャリアでの成功例があり、「できる」という気持ちもあった。
  • 吉田システムの課題も大きかった。特にデータシェアは、これまでドコモのシステムにない概念だったので、そこは情報システム部も苦労したのでは?
  • 高野そうですね。確かにデータシェアは難しいと思いました。ただし、通信料金やデータ量をリアルタイムに計算出来る基盤を基幹システムで既に実現していたので、この短期間で実現が出来たのだと思います。大変だったのは、むしろスケジュールです。情報システム部に最初に話をもらってから仕様の確度が定まっていない状態で、アイデアベースで次々に要求をいただいて……。
  • 吉田おっしゃる通り、仕様が決まらない段階でお願いして……。というのは、こちらも大変で。何が大変かというと、決めることがあまりにも多くて。
  • 佐藤毎週のように幹部会議だったし。吉田さんはこのプロジェクトの調整役として、幹部会議の議事進行を一手に引き受けたわけだから、ものすごいエネルギーだったと思う。
  • 高野システムでは、「今日までに決めてくれないと困る」みたいなムリを何度か言わせていただきました。
  • 澤頭システムはスケジュール遵守なので、情報システム部門の方は、かなり神経を使っていたと思う。
  • 清水私の担当はプロモーションで、かかわったのは主にプロジェクトの後半ですが、それ以前にスペックの細部を詰めた吉田さん、佐藤さん、澤頭さんは大変だったろうなと。そのご苦労があって我々プロモーション部隊は動けたわけです。
  • 佐藤料金プランはシークレット性が高い案件なので、導入の意思決定までは、部に戻っても会議で報告することはできない。それでも上司や周囲にオブラートに包みながらインプットしなければならないのはしんどかったな。でも、それが自分の役割だと思って。
  • 吉田特命事項だからね。

料金プランの抜本的な改革──正直、どこまでできるのか不安だった。

2014年3月~2014年4月10日

過去にない厳しいスケジュール──
幹部も含め、多くの社員が料金プランの準備に関わった。

3月、ギリギリのスケジュールで仕様が決まり、社内発表にこぎつけた。少人数で動いていた極秘プロジェクトが、これ以降は新しいメンバーも参画するようになり、支店やショップへの通達、4月10日の報道発表に向けた準備、広告・CMの作成などがスタートする。

  • 吉田マーケティング部は、ここから現場への通達で大変だったね。
  • 澤頭資料作りは大変だった。普段はWeb会議で単に事務周知だけど、今回は画期的なことだから丁寧に説明しようと、60ページという膨大なものになってしまって。それでも各拠点からの問い合わせはひっきりなしだった。
  • 吉田プロモーション部も、ここから忙しくなったのでは?
  • 清水料金の仕様が決まってからCMのお披露目まで実質1ヵ月半を切っていて、過去に例を見ない厳しいスケジュールでした。現場からは「いつからCMやるんですか」などの問い合わせがひっきりなしでしたが、こっちも準備中で、なかなか具体的なことが言えなかった。お叱りは結構ありました(笑)
  • 吉田確かにスケジュールは厳しかった。
  • 高野システムについては、導入の意思決定後も毎日のように仕様変更で。ある程度は想定していましたが、それをはるかに超える数だったのでビックリでした。かなり忙しい思いをしましたが、吉田さんから幹部会議の内容をフィードバックいただき、細かいところまで幹部が熱心に議論していることが伝わってきたので、みんな前向きに業務に取り組めました。
  • 吉田幹部もかなり細かいところまでチェックしていた。
  • 澤頭それだけ幹部も今回の料金プランには「想い」があったということだよね。
  • 吉田それで、情報システム部だけでなく、マーケティング部もプロモーション部も大変だったなあと。
  • 清水幹部からは、CM中のナレーションについても細かいコメントがありましたね(笑)

カケホーダイプラン&パケあえる

ドコモの新料金について

*1 2014年4月10日現在、当社調べ。調査対象:au・ソフトバンク・ウィルコム・イーモバイル ホームページ。 *2 一部対象外の通話があります。

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