株主のみなさまにおかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。「ドコモ通信」68号をお届けするにあたりましてご挨拶申し上げます。このたび、代表取締役社長に就任いたしました吉澤 和弘です。事業のさらなる発展と利益成長に向け、全力を尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は長く移動通信・携帯電話の開発に携わり、モバイル通信の黎明期からその進化と発展に情熱をささげてきました。今やスマートフォンはポケットに入るデバイスとして世界中の知識、情報を即座に手に入れることができます。今後はさらにデバイス、ネットワーク、ソフトウェアを進化させ、「さらなる価値」をお客さまに打ち出していきたいと考えております。そのために、3つの柱を掲げ取り組んでいきます。
1点目は“サービスの創造・進化”です。ドコモの技術力を活かしたイノベーションや多種多様なデータを活用したサービスの創造にスピード感をもって取組みます。2点目は“「+d」のさらなる促進”です。ドコモの持つアセットを駆使し、パートナーとの協創でお客さまに新たな価値を提供していきます。3点目は“あらゆる基盤の強化”です。通信ネットワーク基盤の高度化、コスト構造改革、顧客基盤の拡大とお客さま満足度の向上をさらに進めていきます。
今年度は利益回復から「さらにその先へ向かう躍動の年」と位置付け、中期的な利益成長につなげていきます。株主のみなさまには引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
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- 対前年増収増益。営業利益が7,830億円まで回復
- 新料金プランが基盤となり、モバイル通信サービス収入が対前年プラスに
- スマートライフ領域の成長が利益回復を牽引
当期の営業収益は、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の上位プランへの移行が進んだことや、タブレット端末などの2台目需要の拡大などによる通信事業の回復、「dマーケット」をはじめとしたスマートライフ領域の順調な成長などにより、前期に比べ1,437億円増の4兆5,271億円となりました。
営業費用は、スマートライフ領域での費用が増加したものの、コスト効率化の取組みに伴う、販売・ネットワーク関連費用の減少などにより、前期に比べ3億円減の3兆7,441億円となりました。
これらの結果、営業利益は前期に比べ1,440億円増の7,830億円となりました。これは、本年度第2四半期に見直した連結業績予想7,100億円を大幅に上回るものであり、中期目標の達成に向けて大きく前進することができました。また、当社に帰属する当期純利益は、前期に比べ1,383億円増の5,484億円となりました。
通信事業においては、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の充実および「ドコモ光」の普及拡大に取組み、新料金プランの契約者数は3,000万件を突破、「ドコモ光」の累計申込数は184万件に増加しました。純増数などのオペレーション数値も大幅に改善しました。
スマートライフ領域※においては、「dマーケット」などのコンテンツサービス、クレジットなどの金融・決済サービス、グループ会社におけるサービスが利益成長を牽引しました。
さらに経営体質の強化をめざし、計画を上回るコスト効率化を推進しました。
また、「ドコモポイント」を「dポイント」にリニューアルし、お客さまにとってより便利で利用価値の高いポイントサービスの提供を開始しました。
- ※スマートライフ領域「スマートライフ事業」と「その他の事業」を合わせた事業領域のこと。