• 2019.4.19
  • ドコモの最前線

「DOCOMO Open House 2018」レポート③

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これからのヘルスケア

2018年12月、ドコモの株主さまを対象に、「DOCOMO Open House 2018」の見学ツアーを開催しました。今回はそのレポートの第3弾「これからのヘルスケア」をお届けします。
日本の医療費は、2017年度に42.2兆円にまで増加し、国や自治体の大きな負担となっています。今後もさらに医療ニーズの増加が予想され、医療費の増大に加え、医療従事者の負担軽減や働き方改革も重要な課題となっています。医療現場での機能分化が求められるなか、遠隔医療などにおけるICTの活用・実現化も積極的に推進されています。
また、医療費の約3割を生活習慣病が占めていることから、予防や早期改善の推進も急務。「予防医療」によって生活習慣病患者の減少や健康寿命の延伸をめざしています。
今回は、医療現場や予防医療に関するサービスや技術をご紹介しましょう。

遠隔高度医療 モバイルSCOT(スコット)

「これが、これからの医療現場!?」と多くの来場者の関心を集めていたのが、「5Gで実現する遠隔高度医療 モバイルSCOT」です。
展示ブースには、4K・3Dのカメラ、手術台、さまざまな医療用機器を設置。医療機器はネットワーク化され、取得される情報や映像を1画面に集約して表示します。つまり、リアルタイムな手術の状況を「見える化」するわけです。その情報を、遠隔地にいる経験豊富な専門医師に送信し、コミュニケーションをとりながら、執刀医が高度な手術を行うことが可能となります。
高品質な映像のリアルタイムな送信は、高速・低遅延通信の5Gだからこそ実現できるものです。

株主のみなさまも医療に対する関心は非常に高いご様子でした

SCOTは、ドコモと東京女子医科大学との共同研究から誕生した医療技術。さらに「モバイルSCOT構想」として、手術室をまるごとトラックに搭載した「モバイル診療車」を作り、高水準な診断・治療を、場所や時間を問わず提供することをめざしています。
これによって、医師が不足する地域や災害現場などに派遣されたモバイル診療車で、遠隔地にいる医師からのサポートを受ければ、いつでもどこでも高度な医療を受けることができます。
SCOTは、過疎地での医師不足や高度な医療の普及など、さまざまな医療問題を解決し、社会に貢献する技術といえるでしょう。

左の画面が5G。4G(右)との映像品質・鮮明度の差は歴然です

簡単・手軽にセルフ健康測定ができる「ヘルスキオスク」

「ヘルスキオスク」は、体重や血圧、脂肪代謝レベルなどの9項目を5分以内に自身で手軽に測定ができるIoT装置の一種で、大日本印刷株式会社、株式会社スマートサービステクノロジーズ(現在、株式会社Nelsite)、ドコモが共同で開発しました。
利用者は、バーコードリーダーにIDカードをかざすことで個人認証を行った後、ディスプレイの案内に従って、装置に組み込まれた各種健康機器を操作して、セルフ健康測定を行います。
測定できるのは、身長、体重、BMI、体脂肪率、体温、血圧、脈拍、脂肪代謝レベル、アルコール摂取の有無です。脂肪代謝レベルとアルコール摂取の有無は、ドコモが研究開発した世界初の「手のひら皮膚ガス測定装置(※1)によって、手のひらを13秒間かざすだけで測定することができます。
測定結果はその場でディスプレイに表示され、プリントアウトすることもできます。また、測定結果はネットワーク経由でサーバーに蓄積することも可能で、スマートフォンやPCから専用のWebサイトを通じて閲覧することもできます。

  1. 手の平をかざすだけで、皮膚の表面から放出される生体ガスを測定できる装置。肥満に関連する脂肪代謝レベルを可視化するなど、世界最先端のセルフ健康測定を実現している。

体重、血圧、脂肪代謝レベルなど、9項目の測定が可能

ドコモが研究開発した世界初の「手のひら皮膚ガス測定装置」

希望された方に体験していただき、大変好評でした

ヘルスキオスクでの測定結果と、社員食堂などの食事管理システムで取得した食事データをサーバー間で連携することも検討しています。これにより、摂取カロリーや各栄養成分の摂取量、栄養バランスなどの情報をプラスした、より詳細な健康管理が実現できます。また、国の規定を満たしたストレスチェックアプリを搭載することで、メンタルヘルスへの活用もめざしています。
今後は、健康経営を推進する企業だけでなく、薬局や自治体の施設、医療施設などに向けたサービスの展開を推進していく予定です。

現在、医療・介護費用の増大は大きな社会問題となっています。しかし、5GやIoTの技術を活用することで、医療現場のさまざまな課題を解決し、予防医療を広く普及させることも可能となります。それによって、医療はより効率化され、医療・介護費用の低減につながることが期待されます。今回の展示を通じて、テクノロジーの進歩が私たちの健康にも大きな恩恵をもたらすことを実感することができました。

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