3月に発生した東日本大震災から一刻も早い復旧に向けて全力で取り組み、一部の地域を除きほぼ全てのサービスエリアを4月末までに復旧した。また、今回の震災を教訓として、「重要エリアにおける通信の確保」、「被災エリアへの迅速な対応」、「災害時におけるお客様の更なる利便性向上」という3つの方針のもと新たな災害対策を推進し、災害に強いネットワークの実現に向けて取り組んでいる。
「新ドコモ宣言」「中期経営ビジョン」発表以降、ドコモ全体で結束し、あらゆるビジネスプロセスにおいて、現場原点主義を徹底し、お客様視点による見直しを行ってきた。
その結果、2010年度の目標として掲げていた「お客様満足度1位」を受賞することができた。2011年度はスマートフォンユーザーの満足度向上を目指し、取り組みを継続していく。
「リアルタイム性」「個人認証」「位置情報」といった携帯電話の特性を活かし、様々なプレイヤーとの連携を通じてイノベーションを起こすことで、新たな価値の創造を目指していく。
足元では、スマートフォンの普及促進に向けて端末ラインナップの更なる充実やiモード機で好評なサービスへの対応などを行っている。これにより2011年度第1四半期は昨年度通期販売数の過半にあたる130万台を販売することができた。また、増大するトラフィックに対応するために「Xi」(クロッシィ)を展開したり、マルチメディア放送や電子書籍サービスなど新たな収益源の創出に向けた取り組みも推進している。更に、グローバル展開ではドコモが出資するインドのTTSL/TTML社が大きく契約数を伸ばしている。ドコモの「チャレンジ」は各分野で着実に成果を上げている。
ドコモの主なチャレンジ
(1)スマートフォンの推進
(2)iモードサービスの進化
(3)LTEの導入
(4)新たなサービスの実現
(5)グローバル展開の推進
(6)パケットARPUの向上
2011年度通期目標である8,500億円に対して順調に進捗しており、2012年度の「営業利益9,000億円達成」に向けて様々な取り組みを行っている。
また、株主還元は重要な経営課題と考えおり、国内トップレベルの配当性向を引き続き維持し、安定的な配当を目指していく。
今までの10年(2000-2010年)はモバイルの可能性を追求してきたが、これからの10年(2010-2020年)はモバイルを核とした「総合サービス企業」へと進化していきたい。例えば、社会における環境・医療・教育などの分野で一人ひとりの生活をタイムリーに支援し、お客様の暮らしをサポートするようなサービスを提供していきたい。
A1 他社の取り組みとの違いは大きく3つある。まず、1つ目は端末の品揃えである。ドコモは、これからもお客様一人ひとりの嗜好やライフスタイルにあった多種多様な端末を提供していく。2つ目は、ネットワーク品質である。いつでもどこもでもサクサク感のある高品質なデータ通信を楽しみたいというお客様にとって、ドコモの高品質なネットワークは最大の強みである。今後もネットワーク品質の更なる向上を目指していく。
3つ目はサービスの内容である。iモード機で好評なサービスの取り込みに加え、ドコモの高品質なネットワークを活用した通訳電話サービスなどドコモならではのサービスを提供していく予定である。
A2 「Xi」は、「FOMA」に続く次世代通信方式 LTEのサービスブランドである。LTEはドコモが世界に先駆けて開発を進め普及促進を図った技術であり、高速・大容量・低遅延という特長をもっている。
この「Xi」を普及させるためのポイントは3つある。
1つ目はエリアカバーである。「Xi」は投資効率を見ながら「FOMA」エリアにオーバーレイする形で展開を進めている。「Xi」端末であれば「Xi」エリアだけではなく「FOMA」エリアでも利用することができるが、「Xi」ならではの高速な通信サービスを体感していただけるように、「Xi」エリアの拡大を進めていきたいと考えている。
2つ目は端末である。6月よりWi-Fiルーターを発売したが、下期には、タブレット端末やスマートフォンを発売する予定である。今後もお客様の利用状況に合わせた多様な端末を提供していく予定である。
3つ目はサービスである。今後は「Xi」の特徴を活かしたサービスを提供していく予定である。例えば、高速という特長を活かしたモバイルシアターや、低遅延という特長を活かした通訳電話サービスなどを提供する予定である。
A3 直近の株価の動向を見ると、今年の始めから比べると大きな変動はない。私としては、スマートフォンの拡大や通信以外での新たな事業の成長について当社の株価に織り込まれておらず、一層の上昇余地があると考えている。
ドコモ株を、市場でより高く評価していただくためには、いかにドコモが成長路線を示し、実行していけるかが重要である。そのためにも、スマートフォンの普及拡大などによるパケットARPU向上や新たな収益源の創出など、成長に向けた「チャレンジ」の取り組みを着実に実行していきたい。
また、このようなドコモの取り組みを、投資家の皆様にもっとアピールしていきたいと考えている。その点で、IR活動は重要だと考えており、積極的に取り組んでいる。こうした場で、投資家の皆様と直接コミュニケーションを行い、ドコモの事業活動を知っていただきたいと考えている。