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説明会資料

社長コメント(2020年10月29日 2020年度 上期決算について)

NTTドコモのさらなる強化に向けて

はじめに、「ドコモ口座」不正利用の発生により、多くのみなさまに大変ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。被害にあわれたお客さまへの補償対応とあわせ、不正利用対策の強化として、オンライン本人確認システム(eKYC※)を導入いたしました。今後も、セキュリティ強化の対策を確実に実施し、あんしん・安全にサービスをご利用いただけるよう、取り組んでまいります。

※eKYCとは「electronic Know Your Customer」の略称で、オンライン上での本人確認となります。「d払い」アプリにてお客さまご自身と運転免許証などの写真付の本人確認書類を撮影の上、撮影画像のアップロードを行い、撮影画像の人物と本人確認書類上の人物の同一性を確認します。

2020年度上期決算概況

今年度は、2020年代という『新時代の成長に向けたスタートの年』として、「①顧客基盤のさらなる強化」、「②会員を軸とした事業運営の本格化」、「③5G 時代の新たな価値創造」の3つの柱と、それらを支える「構造改革」に取り組んでいます。新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」のお客さま還元影響や、新型コロナウイルス影響による、販売関連収入や国際ローミング収入の減少により営業収益が対前年度2.0%減の22,825億円となったものの、スマートライフ事業拡大に向けた取組みの着実な成果などにより営業利益が4.3%増の5,636億円となり、減収増益の決算となりました。通信事業の営業利益は2.7%減の4,336億円となり、スマートライフ領域については、金融・決済事業の着実な成長や会計制度の要因により、営業利益は37.5%増の1,300億円となりました。また、「dポイントクラブ会員」については8%増の7,815万会員となり、2021年度に目標としていた7,800万を前倒しで達成しました。

NTTドコモのさらなる強化に向けて

この度、日本電信電話株式会社(以下、NTT)がドコモの完全子会社化に向け株式の公開買付を行うこと、そしてドコモとしてもその方針に賛同することを発表しました。この決定は、ドコモのさらなる強化に向けたものですが、その背景や意義についてご説明させていただきます。

ドコモを取り巻く環境は大きく変化しています。通信業界では、新規参入やサブブランドの攻勢もあり競争がますます激しくなっています。そして非通信の分野では異業種のプレイヤーとの競争も加速しています。さらに社会全体は、新型コロナウイルスをきっかけとして急速に「リモート型」にシフトしてきています。これは企業にとってはデジタルトランスフォーメーションをさらに加速させるものであり、個々人の働き方やコミュニケーションのあり方も大きく変容しています。
こうした環境変化のなかで、お客さまのニーズはより多様化・高度化・複雑化してきており、当社の既存事業領域だけでは対応できないケースも出てきています。社会が大きく変化し、5Gの本格展開がはじまったこのタイミングこそ、モバイル中心の事業領域を拡大し、社会の期待やニーズにトータルで応えられる存在へと変革する必要があると考えています。
より便利で使いやすいサービスをいち早く創出しお客さまの期待に応えることはもちろん、社会・産業のデジタル化・スマート化の実現を通じて社会課題解決に貢献すること、そして日本のICT産業のさらなる発展・国際競争力の向上に貢献していくことが、2020年代、2030年代のドコモの果たすべき役割だと考えております。

今回の完全子会社化を通じて、ドコモはNTTグループの中核を担い、コンシューマ・法人を問わず「すべてのお客さまのフロント」として、モバイルネットワークだけでなくソリューション・アプリケーションまで含めて、お客さまのニーズにトータルで対応することができる会社に変革してまいります。そのためには、「サービス創出力・提供力」を徹底的に強化するとともに、「通信ネットワークの競争力」をさらに高める必要があります。NTTの完全子会社となり、NTTグループ各社が持つアセットやリソースを戦略的かつ機動的に活用し、ドコモの持つ事業基盤を強化することが、そのための最短かつ最も確実な方法であると判断しました。

事業基盤の強化

具体的には、大きく3つの分野での強化を実現していきます。
まずは、ネットワークの高度化・効率化による通信事業の競争力強化です。たとえば、グループ各社のネットワークの連携強化により、モバイルのみならず、固定・Wi-Fiなどを融合したネットワークやサービスを提供することができます。また、各社の通信設備の活用や、オペレーション・設備保守における協調を行うことで、より安定的でコスト競争力の高いネットワークが実現できます。これにより、多様なお客さまニーズに応える新たなコミュニケーションサービスや低廉で使いやすい料金の提供を実現してまいります。
つぎに、法人事業とスマートライフ事業のさらなる強化です。モバイル・固定・上位レイヤを融合した新しいサービスを創出してソリューションの領域を拡張していくことに加え、法人営業部門の連携により、「より強い」営業力を実現します。また、スマートライフ事業では、グループ各社との連携強化により、会員基盤を活用したエコシステムの拡大を加速するとともに、映像配信やヘルスケアなどの成長分野でNTTグループの技術やサービスと連携させることで、新たな事業の創出を実現してまいります。
最後に、研究開発体制の強化です。ドコモとNTTの研究所間の連携強化により、NTTの基礎研究成果を早期に取り込むことで、高品質なサービスを早期に創出する体制を構築していきます。また、中長期的な企業価値向上のために必要不可欠な、通信技術の進化や6G・IOWNなどの次世代ネットワークの実現に向けて研究開発力をさらに強化していきます。

最後に

5G時代が幕開けした今こそ、各分野でNTTグループ各社との連携を強化することで、ドコモはモバイル中心から事業領域を拡大し、お客さまのニーズにトータルで応えられる存在へと変革していきます。さらに強いドコモになるために、そして社会にもっと貢献していくために、変化を恐れずにチャレンジを続け、ドコモの成長のみならず、NTTグループ全体の成長を牽引してまいります。

最後に、株主のみなさまには、長年にわたり弊社の経営にご理解と温かいご支援を賜りましたことを心より感謝申し上げます。今後も、新たな価値創造や社会課題の解決に努めてまいる所存でございますので、引き続き変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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