テキストレポート vol.2

docomo R&D Open House 2017 in TOKYO

続いて、日本科学未来館7Fで開催されていた「docomo R&D Open House 2017 in TOKYO」へ移動。
このイベントは、AIプラットフォーム、IoT・プラットフォーム、デバイス&インタラクション、ネットワーク、イノベーションチャレンジ、ソリューションという6つのゾーンに分かれて展示されていました。 こちらも、それぞれのゾーンで特徴的な展示を紹介します。

会場の様子(ネットワーク)
会場の様子(AIプラットフォーム)

docomo R&D Open Hose 2017の各会場の様子(左:ネットワーク、右:AIプラットフォーム)

docomo R&D Open Hose 2017の各会場の様子(上:ネットワーク、下:AIプラットフォーム)

AIプラットフォーム 〜商品棚画像認識〜

AIプラットフォームゾーンで特に目立っていたのが、スーパーマーケットの一角のような「商品棚画像認識」の展示。
画像認識の技術を使って、棚にある商品が何かを識別して、棚の陳列設計やマーケティングに利用できます。
この技術が優れているのは、後ろ向きになっている商品や、柔軟仕上げ剤のようにグニャっとなって真っ直ぐになりづらい商品でも、正しく認識してくれるところ。実際の店頭は製品がちゃんと並んでいないことも多く、認識させるために並べ直すといった手間を省くことができます。AIの実用的な利用例として、説明に熱心に耳を傾ける来場者の姿が印象的な展示でした。

商品棚画像認識の展示ブースの様子

一見するとスーパーマーケットのようだった商品棚画像認識の展示ブース

IoT・プラットフォーム 〜セルラードローン〜

IoT(Internet of Things)関連の技術・サービスとドローンの取り組みを紹介していたこのゾーンでは、「セルラードローン」が人気の展示となっていました。
通常、ドローンは無線LANの技術を使用して制御を行っていますが、このセルラードローンは携帯電話ネットワークを利用します。高速で大容量の伝送が可能な携帯電話ネットワークで上空から画像やデータを転送することにより、リアルタイム性が増し、用途が広がります。また、操縦者がドローンの近くにいる必要がなくなり、遠隔操作でドローンを制御できるようになります。
現在は商用LTEネットワークを利用した実証実験の段階で、周辺セルへの干渉の影響などを調べており、今後の実用化が待たれます。

セルラードローンの展示

セルラードローンの展示。見た目だけでは普通のドローンとの違いはわかりません

デバイス&インタラクション 〜瞑想体験〜

デバイス&インタラクションゾーンで、他の展示とはまったく異質のテイストで異彩を放っていたのが「瞑想体験」の展示。
この展示は、内部ディスプレイに映されている風景の4K実写映像を眺め、その中に没入していくことで、瞑想中に近い状態になるのを手助けするアプリケーションです。瞑想では、自分の呼吸に意識を向けるのが大切とのことで、現在の呼吸状態もリアルタイムでディスプレイに表示されます。
瞑想がストレス軽減に効果的と聞いても、なかなか独力でやるのは難しいため、女性の来場者を中心に注目を集めていました。

瞑想体験の展示

ディスプレイに表示される指示に従いながら4K映像を眺めていると、自然と瞑想状態に

ネットワーク 〜5Gリアルタイム電波ビジュアライザ〜

難解な専門用語を用いた展示が並ぶネットワークゾーンの中で、直感的でわかりやすかったのが「5Gリアルタイム電波ビジュアライザ」。
5Gで導入が検討されている6GHz帯以上の高い周波数の電波を解析し、「いくつの電波が、どこから、どれくらいの強さで到来しているか」を視覚的かつ連続的に表示します。実際の風景に電波状態がマッピングされ、強い電波は赤、弱い電波は緑など視覚的に表示されるため、スペクトラムアナライザを使った職人技がなくても、電波状態を簡単に確認できるところが特長です。
画面を見ていると、短時間に電波の強さが次々に変動するのがわかり、電波を安定させる難しさを痛感させられます。

5Gリアルタイム電波ビジュアライザの展示(アンテナ)
5Gリアルタイム電波ビジュアライザの展示(ディスプレイ)

魚眼カメラをつけた超多素子アンテナで電波を測定し(左)、実際の風景にマッピングして色で電波の強さを表示します(右)

魚眼カメラをつけた超多素子アンテナで電波を測定し(上)、実際の風景にマッピングして色で電波の強さを表示します(下)

ソリューション 〜呼気測定装置〜

さまざまなビジネス商材が展示されていたソリューションゾーンの中で、手軽ながら実用的だったのが「呼気測定装置」です。
6秒間息を吹きかけるだけで、呼吸に含まれるアセトンという物質の量から「体脂肪の燃えやすさ」を測定してくれます。燃えやすければそれだけ脂肪がつきにくいわけで、より健康的といえます。
測定結果には、数値だけでなく、燃えやすさランキングを表示する仕組みもあり、競い合うことでモチベーション維持につなげることができます。

呼気測定装置のデモ展示の様子
呼気測定装置のデモ展示(測定画面)

息を数秒吹きかけるだけで(左)、すぐに体脂肪の燃えやすさが表示されます(右)

息を数秒吹きかけるだけで(上)、すぐに体脂肪の燃えやすさが表示されます(下)

空に浮かぶディスプレイ、遠隔操作できるロボット、息をかけるだけでできる健康チェック……。数年前には空想の世界のものと思っていた技術が、現実のものになりつつあります。そして、こうした未来の実現に向けて研究開発を進めているドコモが、力を注いでいる「5G」。
2020年のサービス提供開始をめざす5Gが当たり前の存在になり、“ちょっと先の未来”が現実のものとなったとき、私たちは未来に向けてどんな夢を描くのでしょうか。そのときも、この「docomo R&D Open House」が未来の形を示していきます。

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