1. まえがき

「LTE-Advanced Release 13標準化技術概要」目次

W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)※1、HSPA(High-Speed Packet Access)※2およびLTEの標準仕様を策定した3GPP(3rd Generation Mobile Partnership Project)では、スマートフォンに対するユーザニーズの拡大や、多様化するサービスに対応するため、LTEを拡張・発展させたLTE-AdvancedをRelease 10仕様として策定した。ドコモは2015年3月にLTE-Advancedの技術を用いたサービスPREMIUM 4Gを開始し、世界各国でもLTE-Advanced技術を用いたサービスが展開されつつある。3GPPでは、Release 10仕様策定後もLTE/ LTE-Advancedの機能拡張・高性能化を図る仕様策定を継続し、2016年3月に、Release 13の標準仕様を完成させた。本稿では、このRelease 13仕様について、その検討にあたって考慮された背景や、新たに導入された主要機能について概説する。

  1. W-CDMA:3GPPで策定されている第3世代の移動通信方式。
  2. HSPA:W-CDMAのパケットデータ通信を高速化した規格であり、下り(基地局から移動端末)方向を高速化したHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)と上り(移動端末から基地局)方向を高速化したHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)の総称である。

2. Release 13仕様の検討背景

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.24 No.2(Jul.2016)に掲載されています。

このページのトップへ