2. Release 13仕様の検討背景

「LTE-Advanced Release 13標準化技術概要」目次

LTE-Advancedの初版仕様である3GPPのRelease 10仕様では、LTEとの後方互換性を確保しつつ最大100MHzの広帯域化を実現するCA(Carrier Aggregation)※3技術や、下り最大8送信、上り最大4送信をサポートする高度化マルチアンテナ技術に関する仕様が策定された[1]

その後、LTE-Advancedの機能拡張として、Release 11と12の仕様策定が行われ、広帯域化技術、マルチアンテナ技術といった従来の携帯電話を考慮した仕様検討に加えて、スマートメータ(電気・ガスメータ)などの通信モジュールを搭載した通信端末向けの仕様検討も精力的に行われた [2] [3]

Release 13においても、こうした従来の携帯電話の領域に留まらない幅広い範囲の市場動向や要望が考慮され、2014年よりその仕様検討が進められた。Release 13の検討領域は、図1に示すように、①新サービス創造のための新技術、②ユーザスループット・容量増大のための新技術、③ネットワーク運用経験を踏まえた機能改善、と大まかに分類できる。

図1 Release 13で策定した主な機能

図1 Release 13で策定した主な機能

  1. CA:1ユーザの信号を複数のキャリアを用いて同時に送受信することにより、既存のLTEとのバックワードコンパチビリティを保ちながら広帯域化を行い、高速伝送を実現する技術。

3.1 新サービス創造のための新技術

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.24 No.2(Jul.2016)に掲載されています。

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