5.1 5G関連活動の概要〜国内外の5G動向

「ドコモの5Gに向けた取組み —2020年での5Gサービス実現に向けて—」目次

数年前より5Gに対する検討機運が世界的に高まり、複数の国際的な団体や、各国各地域での5G研究団体にて5Gに関する基本的な検討が進められている。

  • ITU-R
    ITU-RではWP 5D(Working Party 5D)にて、5Gに相当する将来のIMTシステムをIMT-2020と称し、実現すべき主要な能力の抽出や、その定量的な値についての取りまとめ作業が進められている。今後、要求条件などの詳細検討を2016年2月の会合より開始し、2020年中の仕様完成を予定している。
  • NGMN
    世界の通信事業者のアライアンスであるNGMNにおいても、2015年3月に、5Gに向けたユースケース、要求条件および技術候補に関するWhite Paperを発表している[2]。
  • 欧州におけるプロジェクト活動
    欧州はFP7(7th Framework Programme)と呼ばれるフレームワークとして、2012年11月に始まった産学連携プロジェクトMETISをはじめ、5GNow(5th Generation Non-Orthogonal Waveforms for Asynchronous Signalling)、MiWaveS(Beyond 2020 Heterogeneous Wireless Networks with Millimeter-Wave Small Cell Access and Backhauling)、iJOIN(Interworking and JOINt Design of an Open Access and Backhaul Network Architecture for Small Cells based on Cloud Networks)など、さまざまなプロジェクトにて5Gの研究を推進している。特に、METISは、2015年4月のプロジェクト完了までに30を超える成果物(Deliverables)を公開し、研究コミュニティにおける5Gのコンセプト形成に貢献している。また、欧州委員会※15は2014年からの7年間で公的資金800億ユーロを投じて研究開発・イノベーションを促進する枠組みとしてHorizon2020を発表し、その中で5G関連のプロジェクト調整を行う機関として、2013年12月に5G-PPP(Public Private Partnership)が設立された。
  • アジアにおけるプロジェクト活動
    アジアでも5G関連のプロジェクトによって5Gの検討が推進されている。中国は「IMT-2020(5G)推進組(IMT-2020 (5G) Promotion Group)」と「FuTURE Mobile Communication Forum」の2つの組織、および中国の国家プロジェクトである863計画・5Gプロジェクトを立ち上げている。韓国においても産学官で5G Forumを発足し、2015年3月に白書を発表するに至っている。
  • 日本における活動
    日本においても、世界的な5G検討機運の高まりに応じて、日本としての2020年代の移動通信展望や技術展望をとりまとめ、ITU-R WP5Dへの寄与や各地域の5G検討団体との連携など、国内外での5Gの推進に向けた活動が開始されている。特に、東京での夏季オリンピック/パラリンピック開催にあわせた、5G移動通信システムの2020年導入に向け、産学官での協力による活動が進められている。2013年9月に、電波産業会(ARIB:Association of Radio Industries and Business)※16の高度無線通信研究委員会配下に20B AH(2020 and Beyond Ad Hoc)が設立され、検討結果をWhite Paperとしてとりまとめ公開されている[9]。さらに、2014年9月に総務省の主導により、5GMFが発足し、無線アクセス技術をはじめ、ネットワーク技術、さらにアプリケーション分野までを対象に検討を進めている[10]。5GMFでは、2017年より5Gの総合実証実験を実施する予定である。
  1. 欧州委員会:欧州連合の政策執行機関。委員会は法案の提出、決定事項の実施、基本条約の支持など、日常の連合の運営を担っている。
  2. 電波産業会(ARIB):日本における通信・放送分野における電波利用システムに関する標準規格の策定などを行う総務省所管の社団法人。

5.2 5G関連活動の概要〜ドコモにおける活動

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.23 No.4に、掲載されています。

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