5. NR/5Gコアネットワークの導入・展開シナリオ

「3GPPにおける5G標準化動向」目次

既存の第4世代移動通信システムに対して、NR/5Gコアネットワークを導入し、その後の展開に至るまでのシナリオが3GPPで検討された。3GやLTEの導入時は、無線・コアネットワークを共に新規導入する単一のシナリオ(図1のシナリオ⓪からシナリオ③に直接向かうシナリオ)で進められた。一方、NR/5Gコアネットワークの導入においては、前述のノンスタンドアローン運用によるNR提供、および5GコアネットワークによるLTEの収容という特徴を活かし、図1に示すような複数の導入・展開シナリオを提供することができる。
図1に示すシナリオの中で、ノンスタンドアローンNRをEPCで収容するシナリオ1が、5G初期導入時においては最も有望である。従って、NRの早期導入をめざす各国の通信事業者からの強い要望により、シナリオ1に必要な標準仕様を早期策定する合意に至っている。EPC収容のノンスタンドアローンNRは、5Gの早期導入をめざして、ドコモが当初より提案してきたNRの提供方法でもある。ノンスタンドアローンNRをEPCで収容する形態には、以下のような利点がある。

  • LTE/LTE-Advancedで展開済の安定したエリア品質を担保
  • eMBBの実現に適し安定運用しているEPCを活用
  • 5G導入時の新規設計事項や試験項数を抑制

これにより、NRの導入ハードルを下げるとともに、5Gコアネットワークを新たに導入するよりも早期安定導入が可能であると期待されている。EPC収容のノンスタンドアローンNRでは、既存のEPCがほぼそのまま使える予定であり変更規模は限定的と見込まれている。なお、3GPPにおける最新の検討では、EPC収容でも低遅延を可能とする機能に対応することとなった。
EPC収容ノンスタンドアローンによるNR提供(シナリオ①)後、5Gコアネットワークを導入し、LTEとNRのエリア展開に応じて図1に示す各種シナリオ(シナリオ①a、②a、②b、③)も提供することで、通信事業者は、各々の事業計画に沿った最適なシナリオを用いてNR/5Gコアネットワークを導入・展開することができる。

図1 5G無線/コアネットワーク導入・展開シナリオ

図1 5G無線/コアネットワーク導入・展開シナリオ

6. あとがき

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.25 No.3(Oct.2017)に掲載されています。

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