4.3 C-plane無線プロトコル

「5G無線アクセスネットワーク標準化動向」目次

NRのC-planeプロトコルは、LTEと同様のRRCプロトコルを採用している。NRのC-planeプロトコルスタックを図6(b)に示す。NR RRCの基本的な機能は、LTEとほぼ同じであり、端末個別の呼制御やRRC状態管理、端末がセルに接続するための共通の情報(周波数情報、同周波数および異周波数の周辺セル情報、アクセス規制情報など)を報知する機能を備えている。端末個別の呼制御として、例えば、RRCコネクション確立、Admission Control※45、RRMのための機能を備えている。さらに、報知情報※46のためのリソースを効率化するために、常時報知が不要なサービス別や契約別の報知情報について、端末が必要なときにのみ、On demandで報知を開始する仕組みが検討されている。
また、RRC状態管理について、IoT(Internet of Things)のシナリオを考慮し、スモールデータ通信や静止端末における接続遅延やコネクション確立のための信号数の削減の目的に適したRRC状態であるRRC_INACTIVEを、NRを規定する3GPPの最初のRelease 15仕様から規定する。 つまり、LTEにおけるRRC_IDLEとRRC_CONNECTED※47相当のものに上記を加えて、NRでは3つの端末状態が規定される。端末のNR RRC状態を図9に示す。
RRC_INACTIVE状態では、端末と基地局とコアネットワークではRRCおよびNAS(Non Access Stratum)※48のコンテキストが保持されているが、端末の状態はほぼRRC_IDLEと同じであるため、省消費電力の実現が期待される。また、端末コンテキストを各ノードで保持することによってRRC_CONNECTED状態への復帰のための手順にかかる信号数の削減が図れる。
また、前述したノンスタンドアローン運用向けの、DC中のLTE-NR間RRC独立制御やRRC Diversityをサポートするために、RRCプロトコルの機能を拡張する。

図9 NR RRC状態

図9 NR RRC状態

  1. Admission Control:呼受付制御の機能。
  2. 報知情報:移動端末における位置登録要否の判断に必要となる位置登録エリア番号、周辺セル情報とそのセルへ在圏するための電波品質などの情報、および発信規制制御を行うための情報などを含み、セルごとに一斉同報される。
  3. RRC_CONNECTED:端末のRRCレイヤの状態の1つであり、端末は基地局内のセルレベルで識別でき、基地局において端末のコンテキストが保持されている。
  4. NAS:アクセス層(AS:Access Stratum)の上位に位置する、移動端末とコアネットワークとの間の機能レイヤ。

5. あとがき

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.25 No.3(Oct.2017)に掲載されています。

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