2.5 移動管理およびセッション制御手順

「5Gコアネットワーク標準化動向」目次

5Gコアネットワークでは、各種処理手順も見直されている。主に移動管理およびセッション管理について以下に解説する。

  1. EPCにおけるCIoT(Cellular IoT)技術で採用された、セッション管理を含めないアタッチ※22手順が、5Gコアネットワークの手順においても採用された。このアタッチ手順を登録管理手順とし、周期位置登録、移動による位置登録の手順としても使う。

  2. セッション管理では、多様なアクセスの収容をめざし、RANとコアネットワークのインタフェース、および、コアネットワーク内部において、移動通信網特有のベアラ※23の概念を排除した。SMFが、端末およびNG-RANと連携し、EPCのPDN(Packet Data Network)※24接続に相当するPDU(Protocol Data Unit)※25セッションの設定/解放の制御を行う。

  3. ハンドオーバ※26手順では、AMFとSMFが協調動作する。NG-RANとUPFの間のトンネルの終端点の交換などはNG-RANとSMFの間で行い、RATごとのハンドオーバ制約のNG-RANへの情報提供などはAMFが行う。ハンドオーバ発生時は、NG-RANよりAMFへ信号を送ることで、通信経路が切り替えられる。

  4. EPCではMMEがHSSより一元的に加入者情報を取得するが、5Gコアでは加入者情報の種類によりAMFもしくはSMFがUDMより取得する。つまり、AMFは移動管理に関連する情報、SMFはセッション管理に関連する情報を、それぞれUDMより取得する。

  5. 前述した1台の端末の複数SMF/UPFへの同時接続に関連して、NG-RANとUPFの間の接続をプリザベーション※27状態から復帰させる手順では、復帰を希望するPDUセッションのみ復帰できるとした。またハンドオーバもPDUセッションごとに可能とした。

  6. ネットワークエッジにEPCでのP-GW-U相当のUPFを設置する場合に備え、UPF間の接続の切替えをmake before break※28で行う手順も整備している。

  1. アタッチ:移動端末の電源投入時などにおいて、移動端末をネットワークに登録する処理。
  2. ベアラ:P-GW、S-GW、eNodeB、UE間で設定される論理的なユーザデータパケット伝達経路。
  3. PDN:EPCが接続する外部のネットワーク。
  4. PDU:プロトコルレイヤ・サブレイヤが処理するデータの単位。
  5. ハンドオーバ:通信中の端末が移動に伴い基地局をまたがる際、通信を継続させながら基地局を切り替える技術。
  6. プリザベーション:ベアラが、P-GWとS-GWの間では保持されているが、S-GWとeNodeB間では解放されている状態。
  7. make before break:経路切替に際し、新たな経路を先に確立した後で、旧側の経路を削除する方式。

3. あとがき

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.25 No.3(Oct.2017)に掲載されています。

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