世界主要ベンダとの5G実験の概要

ドコモの5G実験の概要

5Gのサービス提供に向け、M2Mやさまざまなアプリケーションに適した低遅延な無線伝送方法など、あらゆる移動通信技術を検証する必要があります。そのため、ドコモでは世界の主要ベンダと協力して各種実験を行い、ドコモが提唱するコンセプトを中心に、広い範囲の移動通信技術の検証を行っています。

5Gでは、現在使用されている低い周波数帯に加えて、高い周波数帯(3GHz以降の周波数帯)と広い周波数帯域(数100MHz〜1GHz以上)を活用し、高速大容量通信を実現します。ドコモでは、高周波数帯を広帯域に利用するスモールセルと、現在使用している低い周波数帯を利用するマクロセルを組み合わせたファントムセル®のコンセプトを提唱しており、低い周波数帯を有効利用する技術に加え、多数のアンテナ素子を活用したビームフォーミング技術(Massive MIMO)により高周波数帯を有効利用する伝送技術の研究開発を重点的に進めています。
ドコモは、これらの技術検証実験を通じて5Gの研究をさらに進めることで、世界的な5Gの実用化検討に貢献しています。

各社との5G実験の概要(2016年9月時点)

エリクソン、富士通、ファーウェイ、インテル、キーサイト・テクノロジー、メディアテック、三菱電機、NEC、ノキアネットワークス、パナソニック、クアルコム、ローデ・シュワルツ、サムスン電子の13社との実験内容は、以下のとおりです。
実験の結果は、5G関連の世界の研究団体や国際会議、5Gの標準化活動などで、ドコモが提唱するコンセプトの検証結果などとして活用しており、これまで発表した研究論文は100件以上にのぼります(2017年3月時点)。今後も、より高度な技術の創出と確立に向けた検討を進めていきます。

PDF【ドコモ5G実験】関連論文一覧(PDF形式:236KB)

図1. 各社との5G実験協力のイメージ図1. 各社との5G実験協力のイメージ

図1. 各社との5G実験協力のイメージ

  • エリクソン
    高い周波数帯の利用を想定した新無線インタフェースのコンセプトについて実験を行います。周波数帯としては15GHz帯、周波数帯域幅として800MHz程度を使用します。基地局と移動局で複数のアンテナを用いて複数の信号の同時送受信を行う空間多重(MIMO)技術によって、ユーザ当たり10Gbps以上の伝送速度を実現します。さらに、基地局が多数のアンテナ素子を用いて複数のユーザに対してビームフォーミングを行うマルチユーザMassive MIMO技術によって、基地局当りでは20Gbps以上の伝送速度を実現します。
  • 富士通
    5Gにおいて単位面積あたりの容量をさらに増大させるため、超高密度に配置された光張出し基地局において、単一光張出し局からのデータ送信を前提に複数 光張出し局間で協調無線リソーススケジューリングする技術について実験を行います。
  • ファーウェイ
    6GHz未満の周波数帯を含む幅広い周波数帯に適用可能な周波数利用効率の改善技術についての実験を行います。TDDにおける上下回線チャネルの相反性(Reciprocity)を利用したマルチユーザMIMOや多元接続の高度化に関する実験を行います。
  • NEC
    5Gにおいて単位面積あたりの容量をさらに増大させるため、スモールセル向け超多素子アンテナを使用し、時間領域において指向性を制御するビームフォーミング技術について実験を行います。周波数帯として5GHz帯、周波数帯域幅として100MHz程度を使用します。
  • ノキアネットワークス
    5Gにおけるミリ波の有効利用を想定した超広帯域無線伝送の実験を行います。周波数帯としては70GHz帯(ミリ波)、周波数帯域幅として1GHz程度以上を使用します。ミリ波のカバレッジを可能な限り拡張するため、シングルキャリアの信号波形(Null Cyclic Prefix Single Carrier)、及びビームフォーミング技術を活用します。さらに超低遅延なアクセスを実現するため、0.1ミリ秒のTTI(Transmission Time Interval)長(LTEの10分の1)を適用します。
  • インテル
    高速・大容量・高信頼という5Gのコンセプトについて、スマートフォンやタブレットなどの携帯電話端末の小型・低消費電力のチップセットの試作等の実験を行います。
  • キーサイト・テクノロジー
    5Gでの利用が想定されている、高い周波数帯を広い帯域幅で使用した通信において、商用化される基地局と端末の通信性能を測定する技術の検討を行います。また、その状況下における電波特性の測定と解析、信号波形の生成と解析、Massive MIMOのアンテナ性能の測定技術の実験を行います。
  • メディアテック
    5Gの新しい無線アクセス技術としてドコモが提案している非直交多元接続(NOMA)方式と、メディアテックが提案するマルチユーザ干渉キャンセル(MUIC)技術を組み合わせることで、周波数利用効率を向上させ、5Gのさらなる大容量化を実現する技術を開発し、共同実験を行います。また、5Gの新しい無線インタフェースや、5G対応端末に必要なチップセットの開発についても検討します。
  • 三菱電機
    5Gにおける高周波数帯の超高速伝送を実現するため、超多素子アンテナを用いるマルチビーム多重化技術について、多素子アンテナを仮想的に複数配置することで超多素子アンテナを実現して基礎的な実験を行います。周波数帯として44GHz帯のミリ波、周波数帯域幅として100MHzを使用します。
  • パナソニック
    高い周波数帯や無線LANでの周波数帯など複数の周波数を組み合わせて効率的に通信を行うシステム制御技術や、5Gの通信技術に先進画像応用技術等を組み合わせたシステムソリューションの実験を行います。
  • クアルコム
    数Gbpsのピークデータレートを伴うモバイルブロードバンドの拡張を提供可能な小型・低消費電力の5Gデバイス実装の実現性を検討する実験を視野に入れた協力を行います。
  • ローデ・シュワルツ
    5Gでの利用が想定されている高い周波数帯を広い帯域幅で使用した通信において、商用化されるMassive MIMO等の基地局と端末のアンテナ性能、基地局の通信の性能評価技術の検討を行います。また、その状況下における電波特性の測定と解析、信号波形の生成と解析を行います。
  • サムスン電子
    5Gにおける高い周波数帯における安定した超広帯域伝送を実現するため、デジタルとアナログを組み合わせたハイブリッドビームフォーミングを基地局と移動局に適用し、移動局に搭載する多素子アンテナは実端末を考慮したサイズとして、移動局を追従するビーム制御技術の実験を行います。周波数帯として28GHz帯、周波数帯域幅として800MHzを使用します。

5G実験関連トピックス

5G実験関連のトピックスをご紹介します。

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