Super 3Gの技術動向 その1 Super 3Gの概要および標準化活動状況〜1.まえがき

ドコモは2001年10月、W-CDMA方式による第3世代携帯電話(3G)サービスである「FOMA」を国内で開始した。その後、料金プランを含むサービスの充実、移動端末の機能・性能の向上、サービスエリアの拡充が進んだ2003年ころから契約者数が急速に伸び始め、2006年5月末現在、FOMA契約者数は全国で2500万を突破した。ドコモの契約者数全体に占めるFOMA契約者の割合は49%を越え、第2世代方式から第3世代方式への移行が順調に進んでいるといえる。

また、W-CDMA方式の国際的普及も順調に進んでいる。2003年までは商用サービスを開始した移動通信事業者数は少数に限られていたが、2004年以降に多くの事業者が相次いでサービスを開始した。これまでに、欧州だけでなく北米、アジアの地域を含めて約100の移動通信事業者がWCDMA方式を用いた3Gサービスを提供している。

現在ドコモがFOMAで提供しているパケットサービスのデータ速度は最高384kbit/sであるが、さらなる高速化を目指して2006年に導入予定のHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)注意1は、技術仕様上、無線基地局から移動端末までの下りリンクで約14Mbit/sの高速伝送が可能となっている。また、伝送効率を現行の3〜4倍に高められるため、ビット当りのコスト低減にも有効である。

さらにW-CDMAの標準仕様を開発している3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、上りリンクの速度を5.7Mbit/sに高速化するHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)注意2の技術仕様をほぼ完成させ、短中期的なW-CDMAの拡張が着実に進められている。しかしながら、長い将来を見据えたうえではさらに長期的なビジョンでとらえる必要があり、ドコモでは3Gの進化のため2004年に「Super 3G」のコンセプトを提唱した。

  • 注意1 HSDPA:W-CDMA方式に基づく下りリンクの高速パケット伝送方式。3GPP規格上の下り伝送速度は、最大約14Mbit/s である。移動端末の電波受信状況に応じて、変調方式と符号化率を最適化する。
  • 注意2 HSUPA:W-CDMA方式に基づく上りリンクの高速化技術。3GPP規格上の上り伝送速度は、最大5.7Mbit/sである。基地局における電波受信状況に応じて、符号化率、拡散率、送信電力を最適化する。

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.14 No.2に、掲載されています。