Super 3Gの技術動向 その1 Super 3Gの概要および標準化活動状況〜3.標準化活動状況

3GPPで3Gシステムの長期的な発展を検討する必要性が高まり、「3G RAN LTE(Long Term Evolution)」と称するワークショップが2004年11月に開催された。

ドコモは、このワークショップにSuper 3Gコンセプトを提案した。その後26社の賛同を得て、3GPP内でのLTE検討開始を提案し合意された。2006年6月に実現性を含む基本検討をほぼ完了し、同時に技術仕様の検討を開始した。技術仕様は2007年9月に完成する予定である。

作業手順としていくつかのマイルストーンが設けられている。まず作業計画とテクニカルレポートの構成を決め、要求条件について合意する。続いて「RANとコアネットワークの機能分担」、「無線インタフェースプロトコルアーキテクチャ」、「物理レイヤの基本検討」を経て、詳細コンセプトを取りまとめたテクニカルレポートを完成させ、基本検討を完了する。

2005年6月には要求条件に関するテクニカルレポート(TR25.913)が承認された。ワーキンググループのレベルで具体的な技術検討も開始されている。

3GPPで合意された要求条件の主な項目を表1に示す。最大データ通信速度は100Mbit/sで、伝送遅延はRAN 内で5ms以下と高い目標が掲げられている。ユーザスループット注意1や周波数利用効率についても挑戦的な目標値である。使用周波数帯域幅は最大20MHzまでを想定している。5MHzよりも小さな周波数帯域幅は、欧州などでGSM(Global System for Mobile communications)注意2に使用している周波数帯域への適用も考慮して加えられたものである。

表1 主な要求条件
 ピークデータ速度 下り:100Mbit/s, 上り:50Mbit/s
 遅延  制御遅延 100ms以下(アイドル状態→アクティブ状態)
50ms以下(ドーマント状態→アクティブ状態)
 伝送遅延 5ms(RAN内の片道遅延)
 ユーザスループット
(Rel. 6 HSDPA/HSUPA と比較)
 セル端でのスループット 2〜3倍(下り)、2〜3倍(上り)
 平均スループット 3〜4倍(下り)、2〜3倍(上り)
 周波数利用効率(Rel.6 HSDPA/HSUPAと比較) 3〜4倍(下り)、2〜3倍(上り)
 周波数帯域 1.25, 2.5, 5, 10, 15, 20MHz

ドーマント:間欠受信

  • 注意1 スループット:単位時間当りに、誤りなく伝送される実効的なデータ量。
  • 注意2 GSM:ヨーロッパやアジアを中心に世界中で広く利用されている第2世代移動通信方式の1つ。

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.14 No.2に、掲載されています。