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Super 3Gの技術動向 その2 Super 3Gの技術検討〜3.無線アクセスネットワークアーキテクチャと無線インターネットプロコトル

3.2 チャネル構成のシンプル化

従来の3Gシステムでは回線交換をベースとし、かつパケット交換にも対応できるよう、複数種のチャネルを用いて逐次チャネルを切り替えて使用していた(図7)。ここで論理チャネルとは、伝送情報を用途ごとに区分するチャネルであり、報知情報用の報知チャネル(BCCH:Broadcast Control CHannel)、移動端末個別制御信号用の個別制御チャネル(DCCH:Dedicated Control CHannel)、ユーザデータ用の個別通信チャネル(DTCH:Dedicated Traffic CHannel)、マルチキャスト・ブロードキャストデータ用のMTCH(MBMS Traffic CHannel)などのチャネルがある。一方、トランスポートチャネルはこれらの論理チャネルを物理チャネルへ対応付けるためのチャネルであり、共有チャネル( DL/UL SCH)や上りのランダムアクセス(RACH:Random Access CHannel)に対応するチャネルなどがある。これに対して、Super 3Gは前述のとおりパケット交換を対象としたシステムであり、パケット伝送に最適化しつつ、さまざまなQoS(Quality of Service)に対応可能とするため、ほとんどのサービスや制御情報を図7のようにSCHを用いて伝送する方向で検討が進んでいる。これによりチャネルの種別数を減らすことができ、システムのシンプル化や制御負荷の軽減を図ることができる。

図7 3GとSuper 3Gシステムにおけるチャネル構成

チャネル種別数が減ることでチャネル種別間の遷移パターンも減らすことができる。具体的には、3GシステムではRRC状態が定義されており(図8)、移動端末は無線リソースの利用効率を高く保つ目的で通信トラフィック量に応じて各状態を切り替えながら通信していた。一方、Super 3GシステムではRRC_IDLEとRRC_CONNECTEDの2状態に状態数が削減されたため、状態遷移に伴う処理負荷軽減および処理遅延の低減を図ることができる。

図8 3GとSuper 3GシステムにおけるRRC状態

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.14 No.3に、掲載されています。