アンテナ・基地局・移動局〜3.アダプティブアレイアンテナ
将来の移動通信では, IMT-2000の10倍以上の高速な伝送速度と、同一チャネルを複数ユーザが同時に使用できるような高い周波数利用効率を目標としています。このため、一定の希望波受信電力を確保し、干渉波の影響を劇的に低減する技術が必要となります。その役割を担う技術として期待されているのがアダプティブアレイアンテナです。
アダプティブアレイアンテナは、空間的な信号処理により干渉波の影響を低減する技術で、受信環境に応じて、アンテナビームパターンを適応的に変化させることができます。受信特性を改善するため、通常は干渉波到来方向へ著しく利得の低いヌルを向けるようなビームパターンを生成しており、この結果、快適な通信環境が得られます。
また、アダプティブアレイアンテナに時間的な信号処理を組み合わせたものは時空等化器と呼ばれます。このような時間/空間信号処理を行うことにより、アダプティブアレイアンテナだけでは干渉となってしまう希望信号の遅延波についても希望波として取り込むことができ、飛躍的に受信特性を改善できます。
(a) アンテナ部 |
(b) ビーム制御部 |
(c) 適応等化部 |
時空等化器試作装置写真
アダプティブアレイアンテナ構成例
時空等化器構成例
2001年3月作成