アンテナ・基地局・移動局〜6.不感地対策と送信電力制御
トンネルや地下街など、電波の届きにくい場所で品質のよいサービスを提供するためには、基地局および移動局からの電波を増幅し中継する必要があります。そのためのシステムとして、無線信号を増幅器でいったん光信号に変換してからトンネル内に敷設された光ファイバで伝送し、各中継装置で光信号を無線信号に戻して、アンテナから電波を放射します。
これにより非常に広帯域な周波数の伝送が可能になり、従来では困難であった1.5GHz帯のサービスでも、トンネル内での均一な品質を実現することが可能になりました。
また、基地局では、通話中の移動機から送信される信号レベルを測定し、必要以上の送信電力を出すことがないように移動機に対して通話中の制御信号を用いて指示します。また、逆に移動機も基地局に対して同様の制御信号を発信しています。
このように送信電力を制御する技術を適応送信電力制御といい、これにより、移動機および基地局の消費電力の節減と同時に、他の基地局や移動機との干渉を低減することにも有効です。
光伝送方式によるサービス
1999年3月作成