移動体通信のセル方式について〜1.概要
セル方式は1953年、K.バリントン(ベル研究所)、1960年、H.J.シュルテ(ベル研究所)が周波数の地理的再利用のアイデアを提起しています。そして、1968年、荒木欣一郎(旧電電公社)が広域位置登録、小セル化の概念を導入しました。1979年、V.H.マクドナルド(ベル研究所)が「セル方式によるシステムコンセプト」を再提案し、需要の増加に応じてセルを細分化していゆく「セルスプリッティング」や「ハンドオーバ(ハンドオフ)」という考えを導入しました。1980年代になると具体的なシステムが世界的に導入され、各国固有のシステムが採用されるようになりました。
セル方式による移動通信システムとは、サービスエリアを多数のセルと呼ばれる小さなエリアに分割し、それぞれに基地局を設置して、ユーザの移動にあわせて追跡接続するシステムです。
このシステムでは、ユーザが複数のセルにまたがって移動するため、移動局がどのセルに存在するかを常に把握している必要があります。また、セルが変わっても、スムーズに通信を継続するための、欠かせない制御技術として「位置登録」と「ハンドオーバ」があげられます。
セル方式とは?
1999年3月作成