FOMAコアネットワークパケット処理ノードxGSNの開発〜3.xGSNシステムの構造評価

3.1 ハードウェア構造, 特長

図2にxGSNのハードウェア構造を示す。

図2 ハードウェア構造

ハードウェアは信号制御(C-Plane:Control-Plane)/ユーザデータ処理部(U-Plane:User-Plane)からなる分離構造を採用している。これにより、局条件に合った設備要望(例えば収容基地局は少なく収容加入者数が大きい地域、収容基地局は多く収容加入者数は少ない地域など)に沿って、処理能力と回線容量を独立させたフレキシブルな設備設計を可能としている。

ハードウェアの基本構造はサーバ群とサーバ間接続を行うL2SW(Layer2 SWitch)により構成される。C-Planeサーバ群は、aTCA( advanced Telecom Computing Architecture)規格の汎用ブレードサーバ注意1を採用している。aTCAは産業用装置類のオープン規格であり、工業用規格の業界団体であるPICMG(Peripheral component interconnect Industrial Computers Manufacturers Group)により規格化された次世代の高度な通信プラットフォームである。今後、本規格のサーバ装置は、さまざまな工業用品での使用が予想されており、大量生産により価格を安価に抑えられることが考えられる。また、標準規格に準拠していることのメリットとして、年々高速化する高性能CPU(Central Processing Unit)を搭載したブレードサーバがさまざまなベンダから逐次市場に投入されていくことが期待でき、各時期で最も性能とコストの優れたブレードサーバに交換することによって、xGSNシステムの処理能力を向上させることが可能となっている。また、ベンダ依存サーバよりも長期間のシステム寿命が実現できることも標準規格製品の利点である。さらに、コンパクトで集積度の高い仕様となっており、設置スペースの縮小化、消費電力量の軽減化を実現することで、将来のC-Plane拡張要求に対しても容易に対応できる仕様となっている。その他機能部においても市販のサーバとスイッチを多々流用しており、構成品となる個々のハードウェアの機能向上などの要求に対しても柔軟な対応が期待できる。

U-Planeサーバ群はxGSN専用装置であるが、流用母体は市販製品を使うことで価格を抑えている。

小型で単純な少数の構成品からなるハードウェア構造は、設置工事および付帯試験などの時間を大幅に短縮しているだけでなく、一般サーバやルータ系技術者にも工事が可能であり、設置スペースの確保の容易さと併せて波及的な効果をもたらしている。

  • 注意1 ブレードサーバ:特殊なラックに設置できるカード型の小型サーバ。

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.12 No.3に、掲載されています。

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