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マルチプルアクセス方式について〜6.同期補促と同期追跡

受信した信号を正しく再生するためには受信周波数や動作クロックの発生タイミングを送信側に正しく同期させる必要があります。同期技術は同期捕捉と同期追跡という二つの側面から成り立ち、独立したそれぞれの回路で処理を行います。

同期捕捉は受信した信号自体が持つPN系列発生タイミングと受信側で用意するPN系列発生タイミングを拡散符号系列の伝送速度1チップ以内の正確さで推定し受信機側のPN系列発生器をそのタイミングに合わせて動作させる処理です。

DS信号における代表的な同期捕捉方式には、受信機側のPN系列をまず任意のタイミングで発生させ、その生成タイミングを少しずつずらしながら受信するシリアルサーチと呼ばれる方法とCCD素子やSAW素子を組み込んだ相関器を用いて瞬時に信号の相関値を検出して同期捕捉を行うマッチト・フィルタと呼ばれる方法があります。

同期追跡は同期捕捉で得られたタイミング情報に対して受信側の拡散系列が時間的ずれを起こさないようにトラッキングする処理を受け持ちます。 同期捕捉では変調や雑音に受信側の拡散系列が時間的にずれを起こさないように長時間にわたって高い精度を保持する必要があります。そのため同期追跡とは異なり、ループを用いた回路を利用します。DS方式でよく用いられる回路には遅延ロックループとタウ・ディザループの2つがあります。

同期捕捉の解説図

同期捕捉

注意1999年3月作成