2GHz帯FOMA用屋外ブースタ装置の開発〜3.装置概要
3.2 ブースタ専用アンテナ
アンテナ間隔が狭くても結合量が確保できるアンテナとしてフロントバック(FB:Front to Back)比1およびフロントサイド(FS:Front to Side)比2が高い放射パターンを持つブースタ専用アンテナを開発した[2][8]。ブースタ専用アンテナの外観を写真2に、基本仕様を表3に、また対基地局用および対移動局用アンテナの水平面内指向性を図5に示す。対基地局用アンテナはブースタ装置を用いて、より高い受信電力を得るために利得が必要であり、16dBi以上となっている。対移動局用アンテナは利得のみならず、エリアを確保するため水平面内のビーム幅3が40°となっている。
表3 ブースタ専用アンテナ基本仕様 | ||
項目 | 対基地局用アンテナ | 対移動局用アンテナ |
アンテナ利得 | 16dBi以上 | 11dBi以上 |
水平面内ビーム幅 | 25° | 40° |
FB比 | 30dB以上 | 30dB以上 |
サイズ | W500×H500×D100mm以下 | W320×H320×D100mm以下 |
対基地局用および対移動局用アンテナが同方向時のアンテナ間結合量の測定結果を図6に示す。6mのアンテナ間隔で、ブースタ装置の最大利得80dBと比較して充分な約90dBの結合量が得られており、装置は発振せずに運用可能である。
- 1 フロントバック比:本稿では、アンテナの指向方向の利得と約180°の方向の利得との比を示す。
- 2 フロントサイド比:本稿では、アンテナの指向方向の利得と+90°および−90°方向近傍での利得との比を示す。
- 3 ビーム幅:アンテナの最大利得から−3dB以内の利得をもつアンテナの放射角度。
本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.15 No.1に、掲載されています。