4.複局同時送信

互いに離れた場所にある複数の基地局で広いエリアをカバーする場合、受信電波の平均レベルは各基地局から離れるにつれて低下し、それぞれの基地局のカバーするエリアの限界付近でもっとも低くなります。このためサービスエリアで確実な通信を確保できるように隣接する複数の基地局から同じ電波を送信するルート、あるいはサイトダイバーシティと呼ばれる送信ダイバーシティ技術が用いられる場合があります。これらによって、サービスエリア全域での受信電波の品質を改善し、あわせて送信電力も低減させることができます。

複局同時送信を利用した場合、基地局の間で送信周波数を完全に一致させることは難しいため、搬送波周波数にずれが生じ、伝送品質が劣化します。そのため、オフセット送信法には周波数オフセット法と波形オフセット法があります。周波数オフセット法は、搬送波周波数をある値だけオフセットする方法で、これによって信号の誤り率が改善されます。

波形オフセット法は、互いに異なる位相の正弦波をベースバンド信号に重畳して周波数変調することによって、信号の誤り率を改善しています。

クイックキャストでの複局同時送信

1999年3月作成