7.VSELPとPSI-CELP

VSELPは北米および日本のフルレート方式に採用されているもので、CELP音声符号化方式です。雑音符号帳に工夫を凝らすことにより、必要なメモリ量が少ない、符号誤りの影響が小さい、合成フィルタの演算量が少ない、などの長所もありますが、その反面、量子化雑音が比較的大きいという短所もあります。

PSI-CELPはCELP系の音声符号化方式で、PDCハーフレート方式に採用されています。その大きな特長は、雑音符号帳のピッチ同期化です。ピッチ同期化では、雑音符号帳の先頭から音声の基本周期分だけを取り出して、繰り返すことにより、忠実に音声を再生します。これにより、VSELPの半分のビットレートで同等の品質を達成することが可能となりました。

また、PSI-CELPでは符号誤りによるひずみを軽減するため、誤り感度に応じて、冗長度の異なる誤り訂正符号化（ビット選別誤り保護）を行っています。

PSI-CELP符号器

1999年3月作成