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第3世代の移動通信システムを支えるW-CDMA技術〜8.マルチステージ干渉キャンセラ

干渉キャンセラは、W-CDMA方式で異なった拡散符号を割り当てられた複数のユーザが同じ搬送波周波数で通信するときに生じる拡散符号どうしの相互相関を低減させてシステムの容量の増加をはかります。干渉キャンセラを実現するには、直交化フィルタ、デコリレータ、マルチステージ干渉キャンセラの3つの方法があります。

直交化フィルタはシングルユーザ受信方式に属し、マッチトフィルタのタップ係数を干渉信号の拡散符号に対して直交させるもので、構成が簡易になりますが、スクランブリングコードを使用するマルチパス環境への適用は困難です。

マルチユーザ受信方式に属するデコリレータは、拡散符号間の相互相関からなる行列の逆行列を計算することで相互相関を低減する方法です。チャネル推定が不要となる一方で処理が複雑になります。

マルチステージ干渉キャンセラもマルチユーザ受信方式に属します。他コーザの干渉レプリカを生成し受信信号から差し引くことで信号対干渉電力比を向上させる方式で、ステージを重ねるにつれてチャネルの推定精度を上げることができます。

干渉キャンセラの表現方法
方式 種別 特長
直交化フィルタ シングルユーザ受信方式 構成が簡易だがマルチパス環境への適用が困難
デコリレータ マルチユーザ受信方式 チャネル推定が不要になるが処理が複雑
マルチステージ干渉キャンセラ マルチユーザ受信方式 ステージを重ねるにつれてチャネルの推定精度を上げることができる

注意1999年3月作成